人気スパイアクションシリーズ「キングスマン」の前日譚ストーリーを劇場鑑賞してきました!
元旦の鑑賞ということもあってか、映画館は満員御礼!
今までキングスマンは1,2ともに鑑賞済みですが、独特のアクションスタイルが魅力で今回もそれをかなり期待しましたよ。
果たしてその内容はどんなものに?
では早速レビューしていきましょう!
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【あらすじ】キングスマンの創立者は平和主義者だった!
英国貴族にして、赤十字の活動に人生を捧げる平和主義者、オーランド・フォックス公が後に「キングスマン」の創立者になる事物です。
オーランドはもともと軍人で国家のための戦いに身を捧げてきたのですが、戦場での殺戮の虚しさや国家による欺瞞に嫌気がさし、除隊後に平和活動に身を投じることになった経緯がありました。
映画の冒頭では奥さんと子供と共に、南アフリカの戦場にある収容所に人道物資を運ぶシーンで始まります。
そこではボーア人と呼ばれたオランダ系の移民が多く収容されていました。
1900年代初頭の南アフリカはイギリスの植民地でしたが、オランダ移民の子孫が南アフリカ国内で独立運動を始めていて、彼らがボーア人と呼ばれていたのです。
その騒乱の中で奥さんを銃撃戦で亡くし、残された子供と共にオーランドは平和活動に身を捧げることを決意します。
その十数年後、ヨーロッパでは第一次世界大戦の戦雲が立ち込め始めていました。
その背景にはイギリスに恨みを持つ秘密組織の動きがあり、イギリス、ドイツ、ロシアを相争わせようと暗躍します。
それを防ごうとオーランドはかねてより温めていた「国家に頼らない諜報組織」のプランを実行させ、独自の作戦を展開します。
その過程で成長した息子を戦争で亡くし、悲嘆にくれるオーランドでしたが、仲間の叱咤激励もあり、再び戦いに身を投じることになります。
そしてついに敵のアジトにたどり着き、ラスボスと対決することになるのです。
それは意外な人物でした・・
映画の短所を述べてみます
ではここからレビューといきます。
この作品に対しては色々と言いたいことがあるのですが、まず何よりも一つ言いたいのが、
長い
ということ。
シンプルに上映時間が長いというのもあります(2時間10分)
でもそれ以上に
設定が多すぎる
というのが要因じゃないですかね。
どんな設定かというと、
・主人公のオーランドは南アフリカの戦場で奥さんを亡くす
・悪の組織がイギリスを破滅させるために世界大戦の勃発を画策する
・悪の組織のボスはスコットランド人で、イギリスに両親の仕事を奪われて恨んでいた
・悪の組織のボスは動物好きだが、部下にはめちゃ厳しい
・動物好きの癖に、いきなりペットのヤギの首を斬ったり、角を折ったりする
・動物のマークのついた指輪(青酸カリ入り)を部下に身に着けるように強要する
・平和主義者だったはずのオーランドは、国家存亡のためにキングスマンの前身の組織を立ち上げて、二人と執事と息子と共に戦う
・ロシア皇帝を背後で操っていたラスプーチンを暗殺する計画を立てる
・侵入したラスプーチンのアジトで銃撃で傷ついた古傷を治してもらう(ラスプーチンに)
・傷を治してもらったのに、ラスプーチンを容赦なく倒す
・そのままキングスマンを続けるのかと思ったら、息子が「兵士として国家のために戦いたい」と従軍することになり、組織の活動は一時休止する
・息子を心配したオーランドの策で帰国命令を受けた息子が、部下と身分を入れ替わって戦場に残る決意をする
・部下の身分を偽ったことでスパイと勘違いされて銃撃されて命を落とす
・オーランドは息子を無くしてやる気を無くすが、部下であり執事の女性に叱咤激励されて、やる気を取り戻す
・悪の組織のボスは実はイギリスの将軍の○○だった
・最後はヤギの助けでボスを倒す
・そのヤギはボスに角を折られていた
・正式にキングスマンを立ち上げたときのメンバーに英国国王がいて、なぜか組織の立場上、創立者のオーランドの部下的な位置にあった(王族なのに)
などなどです。
思い出せるままに上げてみましたが、実際には映像やら細かいストーリーやらを加えると、これ以上の人物や物語の設定が重なっていましたね。
映画なので色んなプロットや展開が合っても良いとは思うんですが、この作品に関しては、筋立てが二転三転する感覚があって、なんというか、話しがあちらこちらに飛ぶ感じを受けるんですよね。
正直、映画の中ほどまでは、めちゃくちゃ「退屈」でした。
あとはキングスマンの情報収集の方法が「家政婦さん頼み」ということ。
各国の政府官邸や大使館、軍部などで働く家政婦さんや執事を内部スパイにして、彼女らが集めた「情報」でキングスマンとしての活動の判断材料にしていくのですが、これはさすがに設定に無理があるんじゃないかと。
あとはオーランドの家の女性の執事であるポーリーが、なぜか冒頭から主人であるはずのオーランドに「タメ口」で反抗的な態度をとっていることですかね。
彼女はひそかに立ち上げていたキングスマンのメンバーで、いわば「仲間うち」だからという考え方もできなくはないですが、同じ執事である黒人のショーラもキングスマンのメンバーでありながら、変わらず敬意をもって主人に仕えているのですから、同僚のポリーの主人に対する馴れ馴れしい態度は意味が分かりませんでしたね。
しかも最後まで説明されることがないままだという・・・
余談ですが、ポリー役のジェマ・アタートンは、007「慰めの報酬」で「キレイだなー」と目を奪われたMI6の美人エージェントだったという過去があり。
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さらにショーラ役のジャイモン・フンスーはレオナルド・ディカプリオの「ブラッド・ダイヤモンド」で準主演を熱くを演じた俳優さんだったりと、なんだか懐かしい気分になりました。
映画の長所を述べてみます
次に映画の良いところを挙げてみましょう。
まず何よりも
音楽が素晴らしい
ということ。
映画のオープニングのBGMもそうですし、ラストのオーケストラ風の荘厳なクラシック音楽も胸に響きました。
とくに俯瞰から建物や自然の風景に近づいていくときに使われる音楽は、1や2でも使われていたものなので、これを聞くと「ああ、キングスマンだなあ」と懐かしい気分にさせてくれますよ。
とにかく荘厳で雄大。
映画音楽としては素晴らしいレベルですね。
次がラスプーチンの格闘術がすごかったこと。
オーランドとショーラと息子のコンラッドと3人がかりで戦うのですが、それをものともせずに圧倒的な体術で攻撃を交わして、逆に追い詰めていくアクションは圧巻の一言でした。
テーブルの上に立って「コサックダンス」の動きで、スクワットの姿勢で相手を足蹴りしていくシーンは思わず見とれてしまいましたね~
ただこの人は映画の予告編ではラスボス的に扱われていますが、実際には前半のクライマックスで役割を終えてしまっていて「えっ?」な感じでした。
てっきり最後までしぶとく生き残って、キングスマンを苦しめる役を担うのかなと思っていたので、意外にあっさりな退場に肩透かしを食らった気分でしたよ。
とはいえ、最終局面でラスボスとの戦いに至るアクションシーンはさすがでした。
敵のアジトでの銃撃戦や雑魚キャラとのバトルは完成度が高くて、アクションの流れを途切れさせることない力技はすごいなと感心しました。
このへんはキングスマンならではというところ。
脇役に実力派が多かったのも、気に入った点ですね。
たとえば英国国王役の俳優さんが、自分の好きなトム・ホーランダーだったのも個人的なポイント。
配役の設定的には、ドイツ皇帝、ロシア皇帝、イギリス国王を一人3役で演じている意味がイマイチわからなかったのですが(むしろ安っぽかった)、この俳優さんの演技力はすごく高いと評価しているので、いるだけで画面が引き締まる感じでした。
トム・クルーズ主演の「ワルキューレ」や、フレディ・マーキュリーの自伝映画「ボヘミアン・ラプソディ」のレコード会社の重役だったりと、インパクトのあるキャラを演じていて、その勢いが今回の映画でも生きている気がしましたね。
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あとは英国軍の将軍キッチナーがチャールズ・ダンスという俳優さん。
ドラキュラZEROでドラキュラの親分的な役柄で出演していて、実に不気味で迫力のある演技が目に焼き付いています。
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人間役での演技では逆にこざっぱりしてダンディーで、いかにも「英国のちょいワル親父」という雰囲気がビンビンに出ていていましたっけ。
今回の映画では「ダンディーさ」が前面に押し出されていて、初老の将軍役でしたが、不屈の魂を持つ雰囲気がいかにも戦時の将軍という雰囲気を醸し出していて、非常に惹かれましたね。
ラスボスは誰だ?!
悪の組織で冒頭から後ろ姿だけ見せるボスですが、ここではあえてはっきりと言いません。
昨年末の12月24日に映画が公開されてまだ間もないですし(2022年1月1日現在)、ただ一つだけ言えるのは「身内にいる人物」ということ。
意外といえば意外でしたし、ありきたりといえばありきたりという感じでしょうか。
他の登場人物に比べて特にインパクトはなかったのですが、最後のシーンで「うっわー」と思わず笑ってしまうシーンがありました。
それは「ヤギに角で足を貫かれてしまう」シーン。
冒頭の流れで部下に脅しをかけるために、剣でいきなり可愛がってるはずにヤギの角を「バッツ―ン!」と切ってしまうのです。
「動物が可愛いといいながら、よくもまあそんなひどいことできるな」とドン引きしていたのですが、おそらく同じことをヤギも感じていたのでしょう。
最後の最後でそのボスがオーランドに追い詰められたときに、後ろからそのヤギが片方しかない角で刺したときは思わず「ブブッ」と笑ってしまいましたから。
同時に次の3文字が頭の中に浮かびましたよ。
油断大敵
因果応報
勝者必衰
ヤギ、グッジョブ!という流れでした(笑)
そして現代の「キングスマン」に続く!
最後のシーンで、国家を守る側の登場人物が一堂に会して「キングスマン」の結成を誓い合います。
その部屋はもちろん「キングスマン」の奥の一室。
1や2でもお馴染みの会合場所です。
1で使われた会合場所
もともとは高級な仕立て屋でしたが、オーランドが買収して(買収したんかい!とツッコみましたが)、後にコリン・ファースらが活躍するキングスマンのアジトとなる場所でした。
さらにエンドロール後に追加のシーンが出てくるのですが、これはもう定番ですかね。
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まあよくある後日談につながる感じです。
でも多分これはこのシーンだけで終わると思いますよ。
この続きはやっぱりコリン・ファースが最も活躍する「キングスマン1」につながって欲しいですからね!
主演のレイフ・ファインズは007シリーズでボンドの上司Mを演じていて、イギリスのスパイものには欠かせない俳優さんという感じを強くしました。
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余談ですが、レイフ・ファインズが映画「ナイロビの蜂」(2001年公開)で共演したレイチェル・ワイズは、ボンド俳優のダニエル・クレイグの実生活の奥さんでして、その辺からもイギリス映画界の意外なつながりを感じました。
映画全体は正直に言って「冗長」で「退屈」な流れが中盤まで続きます。
ただ後半のアクションシーンになると、一気にキングスマンのカッコよさが戻ってくる感覚があるので、観に行く人は後半戦まで我慢するときっと報われると思いますよ。
色んな意味で後のキングスマン、ジェームス・ボンドにつながる「オリジナル・キングスマンの誕生秘話」ということで、ファンの方はぜひご鑑賞あれ!
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