2013年リリースされたトム・キーファーのソロアルバム「The way life goes」から「ソリッド・グランド」です。
シンデレラのボーカルとして有名なキーファーは、長年温めていたソロアルバムへの情熱をついに二十年越しに果たせた模様。
その自らの音楽的ルーツであるブルースを駆使したロックアルバムは、バラード、ロック、ブルージー、様々なスタイルの楽曲をアルバムに詰合せております。
もちろん独特のブルースボイスは健在で、その割れたようなボーカル、ひずむようなギターは、確実にブルースへの愛着を感じさせる一本となっている模様。
中にはブルースハーモニカを使用している曲もあって、これはやはりライトブルージーなロックアルバムといえるでしょう。
ブルース、ブルースと言い続けてなんだか気分はすっかりマクレーン刑事のようになってきましたが(ヒント:ブルース・ウィルス)、今日の記事はもちろんシンデレラのボーカルであるトム・キーファーに捧げたものですゆえ。
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トム・キーファーの軌跡
キーファーは1961年にアメリカはペンシルバニア州で生まれた現在53歳のロックな親父です。
若くして音楽に目覚めたキーファーは、人生を音楽に賭けることを志してロックバンド「シンデレラ」を結成。
最初シャイなキーファー君は「ギターでいいよ」と思ってらしいのですが、満足のいくボーカルを見つけるに至らず、仕方なしに自らがボーカルを買って出るという、彼的には非常に不本意なスタートと相成ったようです。
しかしこれが結果的に大当たりとなったようで、地元のライブハウスでプレイしているところをボンジョビに見初められ、見事メジャーデビューへの道を駆け上ったという劇空間ロケンローストーリー。
その後、ヘビーメタルブームの到来が幸いしたのか、出すアルバムが全てヒットし、90年に発表したサードアルバム「ハートブレイクステーション」はプラチナを獲得するにまで至るのでした。
【シンデレラ】トム・キーファーのブルージーなボーカルとキャッチーな曲が最高!「シェルター・ミー」
しかしキーファーの持ち味であるブルース声が災いしたのか、サードアルバム後のツアーで喉を傷め、遂に手術を受けるまでに悪化。
さらに母親をガンでなくすという哀しき出来事が彼を襲う中、なんとかようやく4枚目のアルバムを完成するに至ります。
しかしそのアルバム「Still Climbing」が予想以上のセールスのダウンを見せて、レーベルはバンドとの契約を白紙に戻すとの声明を出すに至ったのです。
そんなときにバンドの解散。
喉の不調を抱え、彼を長く支えてきた妻との離婚を経たキーファーは、苦しみのうちに自宅をテネシーのナッシュビルに移し、心機一転を図ります。 念願だったソロアルバムの製作に集中するためでもありました。
そして1997年。
ようやくバンドの再結成にこぎつけたキーファーは、新たにソニーとの契約を果たします。 そこでベスト盤やライブ盤を中心にリリースし、98年にはツアーも行いますが、数年後にソニーからも解雇。再びメジャーレーベルからの離脱を余儀なくされます。
こうした困難の背景にはやはり一にも二にも、キーファー自身の喉の調子がいまいちよくないということがあげられるでしょう。
しかしキーファーは決してめげることなく、ボイストレーニングを欠かさずに、ソロアルバムのための曲作りやバンドとしての音楽活動もコンスタンスに続けるのでした。
そして2004年に再婚したキーファーは、その後すぐに子供をもうけることに。
これが幸運の予兆となったのか、ソロアルバムの製作にめどをつけ、シンデレラとしての活動も、2005年にはヘッドライナーツアーを開催するまでになります。
2006年には盟友のロックバンド、ポイズンとともに20周年記念アニバーサリーツアーを敢行。 これが大当たりし、一晩で1万2000人を動員するという大成功!
2008年にはウォレントらとともに、再びツアーを予定していましたが、これまたキーファーの喉の状態が悪化したため延期に。
そして2013年5月についに念願のファースト・ソロアルバムがリリースされる運びとなったわけです。
キーファー自身はこのことについて、
ようやく発表できることになって嬉しい。
ソロアルバムはバンドがメジャーレーベル(ユニバーサル)から放り出された頃に取り組もうと考えていた。
妻のサバンナは優れた作曲家で、彼女と共に多くの曲を書いてきたよ。
アルバムを作るときのモットーは、とにかく楽しむこと。
やれるだけやって、後は野となれ山となれ!だね。
もちろんまさかこれほど時間がかかるとは思わなかったけど。
と語っており、ソロにかける長年の思いが熱く伝わってきます。
まとめ
様々な苦難を乗り越えて、昨年ようやく復活を果たしたキーファー。
喉の調子がまだまだ気になるところですが、とにかくアルバムを発表したことは、まだまだ現役の第一線でプレイし続けるという意気込みを示したということでしょう。
肝心のシンデレラの新作については「可能性はあるが、バンドとしてすべてを満たす必要がある。レコードレーベルについてもそうだ」と2009年のインタビューで語っている模様。
このあたりがいかにも完璧主義者らしい彼のコメントですね(笑)
一日も早く”満ちたる時”が来ることを心から願っています。
いつの間にか新譜が!(2019年11月現在)
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