今から16年前にビデオで見た。
あの頃の私はまだ多感な高校生。
当時からホラーものが好きだった私は、近所のレンタルビデオ屋で、目につくホラービデオを片っ端から借りて鑑賞しまくっていた。
数をこなせばなんとやらで、何事も続けていれば自然と腕が上がってくるもの。
そう、私もその例にもれず、たいていのホラー・エログロものは見ても全然OKになっていたのだ。
しかし!
この映画だけは違った。
怖いとかそんなんじゃなくて、なんかこう・・・・・嫌~な気持ちになってしまったのである。
もう後味がすごく悪かった。
当時まだ中学生だった弟と一緒にこれを見たのだが、映画が終わった後、二人ともなぜか黙ったまま外に出てぼーっとしてしまった。
5分後につぶやいた弟の一言、
「兄ちゃん、見なかったらよかったね」
という言葉が、16年経った今でも忘れられない。(このセリフ、別の映画レビューでも使ったような気がする・・)
以来、一度も見てないのに関わらず、今もなお私の記憶に生々しく残っている唯一の映画なのである!
Check!!ジェームス・ボンドのファッションブランド
Check!!ロック&バイクファッションブランド
*本サイトの記事内に広告が含まれる場合があります
怖すぎるストーリー
4人組の若者が旅行中に一人のヒッチハイカーを乗せた。
しかし、その男はいきなりカミソリを使い、自己を切りつけ若者に襲い掛かってきたのだ。
何とか撃退したが、車は故障する。
4人は付近の一軒家に助けを求めることに。
しかし、その家こそ、ヒッチハイカーの住処であり、そこには彼をも上回る狂人一家が住んでいたのだった・・・
この家族が怖いのなんのって。
全員が狂気に満ちているというか、家の中があまりにも殺伐としていて、いかにもマッドネスな雰囲気が充満しててですね。
本当にアメリカの片田舎のバラック小屋でこんな家がありそうな、超激リアル感。
中でも一番怖かったのが、クレイジー家族全員が食卓を囲んでいるシーンで、一家の長であるお爺さんぽいのがあまりにも不気味だった。
だいたい主役の狂人の男は何の仮面だ?あれは?という感じで(もちろん人の皮です)
はっきりいって「実録!狂気の家」でしかない話で、ストーリーもへたくれもあったもんではありません(笑)
映画の深層
エド・ゲインという、実在の殺人鬼をモデルにして作られたこの映画。
この男は実に残酷というか、変質狂だったとか。
実際の撮影現場では、ヒロイン役の女性が天井に吊り下げられたときに、紐が食い込んで「ギャーッ!」と叫んだのが本番で使われたり、おじいちゃん役の俳優さんが18歳の若者で、血まみれの衣装や汚れなどすべて本物で、それはもう悪臭やら痛みやらで現場は映画以上の阿鼻叫喚だったらしい。
ラスト場面では、なんとか逃げ出したヒロインを追ってレザーフェイス(人間の皮をリアルに被った悪魔の主人公)がチェーンソウを振りまわすシーンがあり、そのときも映画上でもレザーフェイスは足をチェーンソウで傷つけてしまうのだが、撮影中も俳優の足に本気でチェーンソウがあたって、そらーもう、えらいことになったとか。
この撮影秘話を聞いて、監督のトビー・フーパーこそが最もクレイジーだと思った!
まとめ
映画的にも非常に後見の悪い作品で・・・
あれからもホラーものは見続けたが、これ以上のマッドネスな感覚をもった作品を私は知らない。
死霊のはらわたシリーズ、デモンズシリーズ、ゲリア系マカロニゾンビ一連作、その他もろもろ・・・・・・
しかしいまだかつてこの「悪魔の~」を超えるほどの、猛者ホラーはないと思う。
ひょっとしら、今見たらそれほど怖くはないかもしれない。
いや、多分何とも思わないかも。
しかし再び見ようという気にはなれない。
多分、あの救いようのない殺伐とした空間が嫌なんだろう。
精神的に追い詰められるというか、乾いた気持ちになるというか・・・・
後に深夜放送でたまたまを見てしまった「女優霊」のときも、この「悪魔の~」と同じ感覚を味わいかけたが、しばらくしてビデオ屋で借りて見直したくらいだから、この映画はトラウマになるというところまではいかなった。
感受性の強い時期にこの作品を見たことで、随分とホラー耐性が鍛えられたかな~と、無理やり思うことにしています(笑)