ゾンビ映画の巨匠、ジョージ・A・ロメオが総指揮をとったこの映画、後に山ほどでてくる人食いゾンビものの元祖です。
60年代の映画なので全編白黒なんですが、またそれがビミョーに恐怖を煽りますね。
オリジナルのゾンビものだけあって、動きはスローモー。
だけど確実に迫ってくる不気味さが恐ろしい!
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あらすじとレビュー
墓場参りにきた兄と妹が現れることで、序盤は始まります。
彼らを襲う、電気椅子で処刑されて埋葬されるはずの死人。
兄は殺され、妹は車で逃走。
しかし途中で車が木にぶつかり、仕方なく近くにあった家に妹は逃げ込んでゾンビを迎え撃つことになるのです・・・・・・
ヒロイン役の女優さんは美しかったですね。
非常に上品で気品をもった方でした。
こういう方が恐怖におびえる映像を見せるのが、ホラー映画の基本というものでしょう。
もっとも最近のホラーは女性の方が強くたくましくゾンビと闘っていますが。
ゾンビの造形や雰囲気などは、現代のそれと比べても遜色あるものではありません。
むしろ白黒であるのに、あそこまでのゾンビ描写は至極というべきか。
ちなみにこの映画の画像検索をすると必ず出てくる、女性ゾンビの片髪から下目で見つめる映像は思い出すことができませんでした。
しかし他のゾンビはまさにロメロゾンビの原型ともいうべき出で立ちや歩き方、表情で、さすがは巨匠そして始祖の作品ではあります。
あらすじは、ゾンビに囲まれた数人の避難者が、墓場の中の一軒家の中で外か侵入しようと試みるゾンビどもと戦いつつ、ロメロ作品の根ともいうべき「人間が一番恐ろしい」という心理描写や、行動描写をものの見事にゾンビを題材として、一つの映画の中にはめ込んでいました。
あるサイトでは、時代の描写をゾンビ映画を通して描き出すと同時に、娯楽作品としてのホラー描写を少しも減じてないロメロ監督の映画監督としての腕前を絶賛していましたが、この作品ではそれが如実に現れています。
ベトナム戦争当時に作られた当時のアメリカ社会の様々な矛盾や問題を、ロメロ氏はゾンビと人間の葛藤を通じて浮き彫りにしているのです。
氏のゾンビ作品では全作品を通じて必ず黒人が重要な役柄を演じていますが、これもロメロ監督が黒人というアメリカ社会のマイノリティを通して、アメリカが持つ社会的問題や差別を風刺したり、言葉で語らせたりして、メッセージを送っているのだと思います。
もともとロメロ監督は映像を大学で学んだあと、卒業後はコマーシャルの仕事に就き、自らも映像プロダクションンを創設して様々なコマーシャル映像を制作していくことで、様々なジャンルの映像技術を経験していきます。
またコマーシャルという限られた時間の中で、何らかのメッセージを入れる必要のある映像ビジネスのなかで、ロメロ氏が身につけた映像制作の経験が後のゾンビ作品い遺憾なく発揮されていくのでしょう。
ラストの黒人はちょっと意外。
あいつだけは~だと思ったのに・・・・・・。
同じ黒人ヒーローでも、「ゾンビ」(Dawn of the dead)とこっちとでは、少し扱いが違いますね。
これも作った時代の意識がそうさせたのでしょうか。
まとめ
なんかこんな風に書いてると、まるでこの作品が駄作だと言ってるみたいに聞こえますが、決してそんなことはありません。
60年代に作られたホラーとしては最高の出来だと思います。
個人的に一番おもしろかったゾンビ映画は、やはり今ほどあげた「DAWN OF THE DEAD」(邦題「ゾンビ」)と「DAY OF THE DEAD」(邦題「死霊のえじき」)がトップ2に上がりますね。
最近、このどっちもがジョージ・A・ロメオの監督作品だということを知って、とてもビックリしました。
この人まさにゾンビ映画界の黒澤明です。
ロードオブザリング3部作に対抗できる娯楽大作は、このゾンビ3部作以外になし!
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