昨年末(2019年12月)に全世界で公開されたスターウォーズ最終作「スカイウォーカーの夜明け」。
この作品で1978年の初公開以来、40年に渡る壮大なソーガが幕を閉じることになりました。
本作の大ファンである私はもちろん全て見ましたし、1999年のエピソード1以降はすべて劇場で鑑賞しています。
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ルーカス監督がメガホンをとっていないエピソード7以降は正直、少し物足りない感はありましたが、それはそれで別物として楽しむことができました。
そんな偉大なるスペースサーガのセリフは独特の哲学を含んだものが多いことで有名です。
東洋と西洋のフィロソフィーが交じり合った独自の世界観・・・
そこが私のたまらなく好きなところなんですね。
ということで、今回から9回に渡り、偉大なるスターウォーズシリーズの英語を取り上げていき、そこから「これや!」という名文句やフレーズで英語を勉強していきたいと思います。
まずは若きオビワンと師匠のクワイ・ガン・ジンが共和国からの使者として、通商連合の船に到着した時のセリフです。
共和国からの離脱を目指す通商連合との交渉の前に、不穏ならぬものを感じたオビワンが師に語るセリフとは・・
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オビ・ワンとクワイ・ガン・ジンの英会話
Obi-Wan: I have a bad feeling about this.
Qui-Gon: I don't sense anything.
Obi-Wan: It's not about the mission, Master. It's something.... elsewhere, elusive.
Qui-Gon: Don't center on your anxieties, Obi-Wan. Keep your concentration here and now, where it belongs.
Obi-Wan: But Master Yoda said I should be mindful of the future.
Qui-Gon: But not at the expense of the moment. Be mindful of the living Force, young Padawan.
【語句チェック】
まずはオビワンのセリフからです。
I have a bad feeling about this.
有名なセリフですね。
簡単な構文で、
I have(私は持っている)+a bad feeling(悪い感覚を)about this(このことについて)
になります。
これをすらっと訳すと「嫌な予感がする」となりますね。
次のクワイガンジンのセリフの中で使われたsense(感じる)に注目です。
感じるというと、日本人的にはfeelというところですが、ここでsenseと返しているところが、英語学習者として「いただき!」な感じになりました。
そして次のオビワンのセリフの中のelusive(漠然とした)もいいです。
なかなか普段の英語生活でお見掛けしない言葉なので、ああこういう時に使うのかと。
続いてクワイガンジンの返しで使われた「Don't center on」と「Keep your concentration」「where it belongs」。
centerは「中央」の意味なので、前に否定形がつくことで、彼の言わんとしてることはなんとなく分かります。
要は「~を中央に置くな⇒~に意識をとらわれるな」ということでしょう。
次のkeep your concentrationはより明確です。
keep(し続ける)concentration(集中)なので「引き続き集中しろ」ということです。
最後の「where(~という場所)it(それが)belongs(属する)」はこのままですね。
今いるここに、という感じでしょう。
そして次のmindful。
これは便利な表現です。「注意する」。
これまでのcenter on やconcentrationは2語であったり、長いつづりであるところを、これはたった一言で、それも短めの表現で締めくくれるところが良いですね。
【全訳】
オビワン:嫌な予感がします。
クワイ:私は何も感じないが。
オビワン:任務のことではありません。何か漠然としたものですが・・
クワイ:不安から目をそらせ、オビ=ワン。今いるここに意識を集中させるのだ。
オビワン:しかしマスター・ヨーダは未来に心を留めるべきだと言っていました。
クワイ:今この瞬間をおろそかにしてはならんのだ。フォースに集中しろ、若きパダワンよ。
結果的にはオビワンのいう「嫌な予感」が当たってしまうことになりました。
遠くない未来にやってくる銀河系を巻き込んだ騒乱、そしてクワイ自身の死・・
マスター・ヨーダは正しかったのですね。
ヨーダとクワイ・ガン・ジンの英会話
惑星タトゥイーンで出会った幼いアナキンについて、クワイガンジンとヨーダが語り合っているシーンです。
アナキンのもつミディクロリアン値(フォースの素質を測る数値)が莫大なものだったことを知ったクワイガンジンは、「少年(アナキン)が選ばれし者だと主張し、ヨーダにジェダイとしての訓練を願い出るところです。
ヨーダはアナキンの未来に漠然とした不安を感じたので、最初は渋っていたのですが、結局はそれは叶えられることになったのでした。
Qui-Gon: A boy. His cells have the highest concentration of midi-chlorians I have seen in a life-form. It is possible he was conceived by the midi-chlorians.
Mace: You refer to the prophecy of the one who will bring balance of the Force. You believe it's this boy?
Qui-Gon: I don't presume to--
Yoda: But you do. Revealed your opinion is.
Qui-Gon: I request the boy be tested, Master.
【語句チェック】
クワイのアナキンについての表現「the highest concentration of~」です。
the highest(最も高い)+concentration of (~の集中が)となっており、続きで「ミディクロリアン」という単語が来ているので「ミディクロリアンが非常に高い密度」という訳になりますね。
続くwas conceived byのconceiveは「身ごもる、受胎する」という意味を持つので、受動態の文法系から意味をとって「彼はミディクロリアンから生まれてきた」という意味になるでしょう。
次にヨーダのセリフ「refer to」です。
これは受験英語でよく見る表現で「~に言及する」と習った記憶があります(遠い昔に)
あまり日常英語では見かけませんが、訳的には「~のことを言う」ぐらいで良いでしょう。
そしてbring balance of the force。
bringは「~をもたらす」なので、ここはそのまま「フォースのバランスをもたらす」といきましょうか。
続くクワイのpresumeは「仮定する、推測する」なので、意味もそのままです。
ヨーダのRevealedはReveal(明らかにする)の過去・過去分詞形ですが、普通にrevealで良いのに、あえてこんな形にする意味がよく分かりません。英語ではそういう用法なのか、それともヨーダ独特の言い回しなのか・・
最後のクワイのrequestは「リクエストをする」で「~してほしい」という感じですかね。
では全文をみてみましょう。
【全訳】
クワイ:少年です。彼の細胞にはこれまでに見てきた中で、もっとも高いミディ=クロリアン値がありました。ミディ=クロリアンによって生まれてきた可能性があります
ヨーダ:フォースの均衡をもたらす者の予言のことかな?この少年がそうだと信じているのか?
クワイ:仮定しているわけではありませんが・・
ヨーダ:そう言っているではないか。はっきり言うがよい。
クワイ:少年をテストしてほしいのです、マスター。
ジェダイの資質となるミディクロリアン値が出てきました。
今作以外の映画ではあまり語られることがなかった名称ですが、スターウォーズの全ての始まりはここにあると思います。
もし私のミディ・クロリアン値を測ったら、きっと驚くべき低値を弾きだすことになるでしょう・・・(逆上がりができない、ジェットコースターが苦手)
オビワンとクワイ・ガン・ジンの最後の英会話
暗黒卿シディアスの弟子であるダース・モールとの戦いで命を落としたクワイ・ガン・ジン。
弟子であるオビワンがその仇をとった後、倒れた師匠の元に駆け寄ります。
息絶えつつあるクワイがオビワンに語った言葉とは・・
Qui-Gon: No, it--it's too late.
Obi-Wan: No.
Qui-Gon: Obi-Wan. Promise--Promise me you will train the boy.
Obi-Wan: Yes, Master.
Qui-Gon: He is the chosen one. He will bring balance. Train him.
【語句チェック】
オビワンに抱えられながら「師匠!しっかりしてください!」と励まされたときのクワイのセリフです。
簡単なセリフですが、日常生活でも使える万能の言葉かもしれません。
It's (それは)too(あまにりも)late(遅い)
そのままですね。
そして自らが発見した少年アナキンの行く末と、暗黒が立ち込める銀河世界を案じたクワイは、弟子に銀河の将来を救うかもしれぬ少年の養育を依頼します。
そのときの強い言葉がPromise(約束してくれ)。
その少年の未来はまさにこの言葉に込められています。
He is(彼は)the chosen(選ばれた)one(存在)
では全訳にいってみましょう。
【全訳】
クワイ:いや、もう・・・もう手遅れだ。
オビワン:そんな。
クワイ:オビ=ワン、約束してくれ。あの子を訓練することを。
オビワン:分かりました。
クワイ:あの少年は選ばれし者だ。フォースに均衡をもたらしてくれる存在。どうかあの子を鍛えてくれ。
選ばれし者の運命は後に大きく変わっていきます。
アナキン自身というよりも、アナキンの子孫がそれを引き継いだともいえるでしょう。
伝説のサーガはクワイとオビワンの最後の会話からスタートするのです。
まとめ
全ての物語の起点となるエピソード1。
ジャージャービンクスの動きの悪さによって、作品としての魅力を大幅に失ったことで有名ですが、なんといってもアナキンの子供時代が出てきているのが最大の注目点です。
師匠クワイガンジンと若きジェダイ見習いだったオビワンが、ともに戦い、散り、その思いを引き継いだ感動のシーンは、見ていてとても感動したのを覚えています。
スターウォーズ独特の英語表現も満載で、読んでいるだけで映画の世界に浸れた気分になれて楽しいですね。
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