ステージの上で熱狂を生み出すミュージシャンたち。
彼らが選ぶ“愛車”は、独特の音楽性やライフスタイルが色濃く反映されており、まさに走る自己表現のような存在といえるでしょう。
今回はそんな熱いミュージシャンたちの愛車を紹介。
ロックスターからポップアイコンまで、世界的に有名な海外ミュージシャンたちの分身をご覧ください。
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🎸 海外ミュージシャンの愛車【10選】
【1】 エリック・クラプトン × フェラーリ 250 GT ルッソ
伝説的なギタリスト、エリック・クラプトン。
偉大なるミュージシャンとしてだけでなく、自動車愛好家としても世界的によく知られています。
特にフェラーリに対する深い情熱はファンの間でも有名で、彼が長年所有していたフェラーリ 250 GT Lussoは、その象徴的な存在のひとつです。
クラプトンの洗練された美意識と趣味を体現した車で、ガレージにあるだけで芸術品のようなオーラを放っていたと言われます。
1962年から1964年にかけて製造されたイタリアン・クラシックカーで、ピニンファリーナとスカリエッティが手がけた流麗なボディラインが大きな特徴。
美しいシルエットは、静止していても動きを感じさせる造形美で、クラシックフェラーリの中でも特に優雅なモデルとして名を馳せています。
名前にある「Lusso(ルッソ)」はイタリア語で「贅沢・高級」を意味し、その名の通り、内装にはレザーや木目パネルがふんだんに使われ、当時の最高級グランドツアラーとして位置づけられていました。
搭載されているのは3.0リッターV型12気筒エンジンで、最高出力240馬力。
滑らかな加速と高回転域での伸びやかな走りは、まさに60年代フェラーリの真骨頂。
軽快さとパワー、そして日常的な走行にも耐えうる信頼性が絶妙なバランスで融合されており、「速く、美しく、快適」という理想を体現しています。
このモデルの生産台数はわずか350台とされており、その希少性の高さは今なお多くのコレクターの垂涎の的。
優れたデザインとエンジニアリングの妙は、今でも世界中のクラシックカーファンを魅了し続けており、「走る芸術品」とも称されるのは決して大げさではありません(市場でも非常に高い評価を受けており、オークションでは数億円で取引されることもあります)
クラプトンにとってこの車は、ただの移動手段ではなく、彼の人生哲学や音楽観を映し出す存在だったとも。
彼の奏でるブルースやロック同様、上品さと情熱、そして時を超える魅力が同居している車といえるでしょう。
そんな所有すること自体がひとつのステータスである「フェラーリ 250 GT ルッソ」。
それを長く大切に所有していたクラプトンの姿勢は、まさに本物の審美眼を持つ男の証といえますね。
【2】キース・リチャーズ×1965年式 ベントレー S3 コンチネンタル フライングスパー
ローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズが所有していた名車である、ベントレー S3 コンチネンタル フライングスパー、通称「ブルー・レナ」です。
1960年代初頭にベントレーが誇るクラフトマンシップの粋を集めて作られた高級グランドツアラー。
特にリチャーズが所有していた個体は、英国コーチビルダー・マリナー・パークウォード(Mulliner Park Ward)による特注ボディをまとった稀少なモデルで、全世界でわずか87台しか生産されず、右ハンドル仕様はそのうち約68台という極めて限定的な存在です。
ロングホイールベースによる安定感のある走行性能に加え、6.2リッターのV8エンジンを搭載し、当時としては驚異的なパワーと静粛性を両立。
外観は一見控えめながら、その滑らかなボディラインと洗練されたクローム装飾が醸し出す気品は、まさに英国車の真骨頂。
内装には上質なウッドパネルやレザーがふんだんに使われ、後部座席にはバーキャビネットやシガーホルダーといった当時の富裕層向け装備も。
夜のハイウェイを高速でクルーズするために最適化されており、キース的はその用途に最高だと感じていたようですね。
彼はこのベントレーを“ブルーレナ”と名付けましたが、これは当時彼が熱中していたジャズシンガー、レナ・ホーン(Lena Horne)に由来すると言われています。
そして“ブルーレナ”は、1967年にキース・リチャーズが友人たちとともにイギリスからモロッコまで薬物捜査からの“逃避行”を繰り広げた際にも使用されました。
車内には秘密の隠しスペースが設けられ、当時の過激なロック・ライフスタイルの象徴的エピソードとして語り継がれています。
この旅の詳細は、彼の自伝『Life』の中でも濃密に描かれており、リチャーズにとってもこの車がただの乗り物以上の存在であったことがうかがえます。
その放蕩と冒険に満ちたロックンロール人生を象徴する存在として、熱狂的なファンの間でも語り草になっているほどの名車。
ブルーレナ”は1978年までキースの手元にあり、その後は数度のオーナーチェンジとオークションを経て、現在はコレクターズアイテムとして扱われています。
その風格と歴史、そしてロックの反逆精神を宿す物語性により、クラシックカーマニアだけでなく音楽ファンからも注目され続けている一台ですね。
【3】スラッシュ×1966年型 シボレー・コルベット
黒いシルクハットにサングラス、そして色気と哀愁を帯びた“泣きのギター”で世界を魅了するカリスマギタリスト、スラッシュ(Slash)。
そのギタープレイと同様に、彼の愛車にも強烈な個性と美学が宿っています。
中でも最もよく知られているのが、彼が1988年に自身の成功を記念して購入した1966年型のシボレー・コルベット スティングレイ・クーペです。
このモデルは“C2”と呼ばれる第2世代コルベットに属し、1963年から1967年にかけて製造された中でも、特に人気の高い年式。
スラッシュが選んだのは427立方インチ(約7.0L)のビッグブロックV8エンジンを搭載したハイパフォーマンス仕様で、当時の最高出力は390馬力超。
直線での加速はもちろん、トルクフルなエンジン特性とコンパクトなボディによる直感的なハンドリング性能が高く評価されています。
彼の愛車となったモデルは、ブラックを基調としたカラーリングに、センターを走る“スティンガー”ストライプ入りのボンネット(通称スティンガーフード)、そしてヴィンテージ感あふれるラリーホイールを装備したカスタム仕様。
どこかダークで官能的な佇まいは、まさにスラッシュ自身のステージパフォーマンスと通じるものがあり、「ロックギタリストの愛車」として、これ以上ふさわしい存在はないとさえ言われます。
スラッシュがガンズ・アンド・ローゼズで世界的なブレイクを果たす直前から長年にわたって所有されており、30年以上ものあいだ大切に維持されてきました。
そのガレージカーとしての存在感は非常に大きく、ロックファンやアメリカン・マッスルカー愛好家の間では“スラッシュのコルベット”として語り継がれる一台となっています。
ギターと同じく、車に対しても強いこだわりを持つスラッシュにとって、このスティングレイは単なる移動手段ではなく、ロックンロールな生き様の延長線上にある存在といえるでしょう
爆音で鳴らすV8サウンドと、ギターアンプから響くチューブドライブのような歪みが、スラッシュの哀愁ギターリフにリンクして感じられるかもしれません。
【4】 ビリー・ギボンズ × カスタムキャデラック「CadZZilla」
テキサス出身のブルースロック・トリオ、ZZ Top。
その象徴とも言えるギタリスト、ビリー・ギボンズは、音楽界屈指の車好きとしても知られています。
そんな彼の愛車として最も有名なのが、“CadZZilla(キャッズィラ)”と呼ばれる圧倒的な存在感を放つカスタム・キャデラック。
“CadZZilla”は、もともと1950年代のアメリカ車をベースにしたカスタムカーの中でも伝説的存在で、1959年型キャデラックの要素を取り入れつつ、全体の設計には1948年型 Cadillac Series 62 Sedanetteのボディラインがベースとして採用されました。
ビリー・ギボンズの要望を受けて、カスタムカー界の巨匠ボイド・コディントン(Boyd Coddington)と、デトロイト出身の著名なオートモーティブデザイナー、ラリー・エリクソン(Larry Erickson)がタッグを組み、1989年に製作された特注モデルです。
そのスタイルはまさにアメリカン・カスタム文化の極致。
巨大なボディは大胆にローダウンされ、リアフェンダーやフロントグリルなどには独自設計の空力パーツが融合。
ブラックパープルのメタリック塗装が妖艶な輝きを放ち、見る者すべてに強烈なインパクトを与えます。
エンジンは500立方インチ(約8.2リットル)のビッグブロックV8を搭載し、Holley製のカスタム・フューエル・インジェクションシステムによりパフォーマンスを最適化。
トルク重視のセッティングにより、巨体でありながら機敏な加速を実現しています。
リアにはCurrie製の9インチアクスル、前後に独立サスペンション、ディスクブレーキなど、当時の最先端技術が惜しみなく投入されました。
この車の制作費は当時の金額で約90万ドル(現在の価値で1億円超)にのぼったとされ、単なる趣味の域を超えたアート作品として位置づけられています。
その後、“CadZZilla”は数々のカーショーやメディアに登場し、まさにカスタムカー界の“モナリザ”とも呼ばれる存在に。
ビリー・ギボンズは、自らの音楽と同様に、車にも独自の美学と哲学を持っており、このCadZZillaはその象徴ともいえる存在。
ZZ TopのMVやステージでもしばしば愛車が登場しており、彼のロック・スピリットと融合した“走るロックンロール”とも言える1台。
0:58ごろに出現
ワイルドで個性的、なおかつどこか品格を感じさせるスタイルは、まさにブルースロックのパイオニアらしいセンスの結晶といえますね。
【5】レニー・クラヴィッツ × キャデラック セレスティック EV
ソウル、ロック、ファンク、R&Bといった多様なジャンルを自在に行き来し、ヴィンテージとモダンを融合させる唯一無二のアーティスト、レニー・クラヴィッツ。
そのスタイルは音楽だけでなく、ファッションや建築、そしてクルマにも反映されており、まさに“ライフスタイルそのものがアート”と呼ぶにふさわしい存在です。
そんな彼が注目を集めたのが、ゼネラルモーターズが誇る次世代ラグジュアリーEV「キャデラック・セレスティック(Celestiq)」。
クラヴィッツはこの革新的モデルの世界に1台だけのカスタム仕様“1-of-1 Celestiq”を、キャデラックと共同で開発していることが報じられ、大きな話題となりました。
セレスティックは、GMの最先端EVプラットフォーム「Ultium(アルティウム)」を採用し、ツインモーターによるAWD(全輪駆動)システムから約600馬力の出力を実現。
0-100km/h加速は約4秒台とされ、重量級ボディでありながら卓越したダイナミズムを発揮します。
その一方で、電気駆動ならではの高い静粛性と滑らかなトルクデリバリーにより、まるで高級サロンを移動するかのような、極めてラグジュアリーな乗り心地を提供。
レニー・クラヴィッツはこの車両のカスタマイズに深く関わり、「クラシックなキャデラックのDNAを尊重しながら、現代的かつ未来的な表現を取り入れたかった」と語っています。
特に“静かな夜のパリ”にマッチする一台として、自身のライフスタイルや美意識を反映したデザインになるようプロジェクトを進行。
内装には上質な素材を惜しみなく使い、照明やテクスチャー、カラートーンに至るまで、レニー自身のディレクションが細部に行き届いているとされています。
この「1-of-1 Celestiq」は、単なるセレブのカスタムカーという枠を超え、音楽、ファッション、アート、そして未来のモビリティが交差する“移動するアートピース”として注目されました。
洗練された流線形のフォルムは、クラヴィッツのミニマルかつ情熱的な音楽スタイルを思わせ、彼の人生哲学や美学そのものを体現しているかのよう。
まさしくレニーにとって車とは、ただの移動手段ではなく、自己表現の延長であり、芸術のキャンバスなのでしょう。
このセレスティックは、彼のアイデンティティを映し出したモダンアイコンといえますね!
【6】サミー・ヘイガー × フェラーリ 599 GTB フィオラノ
かつてヴァン・ヘイレンのフロントマンとして強烈な存在感を放ち、ソロアーティストとしても絶大な人気を誇るパワーボーカリスト、サミー・ヘイガー。
そのハイトーン・シャウトと同様に、彼のプライベートライフも情熱とスピード感に満ちています。
特に知られているのが、彼の“無類の車好き”としての顔。
ガレージにはアメリカンマッスルからヨーロピアン・スーパーカーまで、さまざまな名車が並ぶ中、ひときわ彼のお気に入りとして名高いのが、フェラーリ599 GTB フィオラノです。
この599 GTBは、フェラーリが2006年に発表したV12フロントエンジンのグランドツアラー。
名前の「GTB」は“Gran Turismo Berlinetta”を意味し、「Fiorano」はフェラーリの自社テストコースに由来する名付けになっています。
日常での快適性と本格的なサーキット性能を両立した、まさに“旅するスーパーカー”というコンセプトのもと誕生したモデル。
搭載されるのは、あの伝説的スーパーカー「エンツォ・フェラーリ」と同系統の6.0L V12自然吸気エンジンで、最高出力は620馬力。0-100km/h加速はわずか3.7秒、最高速度は330km/h超とも言われ、音楽と同様“瞬間で「空気を変えるようなパワー」を誇ります。
F1の技術を応用したセミオートマチックトランスミッション(F1 SuperFast)により、シフトチェンジのタイムラグを最小限に抑え、スムーズかつ鋭い加速を可能に。
外観はフェラーリらしい優雅かつアグレッシブなフォルム。
空力性能を考慮しつつ、曲線美と精緻なディテールが融合したデザインは、まさに“走る芸術品”。
車体後部の「フライングバットレス」と呼ばれる独特のピラー形状が空気の流れを最適化し、スタイルと機能を同時に成立させている点も特筆に値します。
サミー・ヘイガーはこの599 GTBを、自身の誕生日に購入したと語っており、単なる“高級車”ではなく、個人的な節目や記念に紐づく“思い入れの強い一台”であることがわかります。
フェラーリの伝統と革新が共存するこの599 GTB フィオラノは、サミー・ヘイガーの生き方そのもの。
彼の情熱的な音楽、そして自由を愛するライフスタイルに見事にマッチしたスーパーカーであり、まさに“ロックレジェンドのガレージにこそふさわしい存在”といえるでしょう。
【7】レディー・ガガ × フォード・ブロンコ
世界的なポップアイコン、レディー・ガガは、ロールス・ロイスをはじめとする数々の豪華車を所有することでも知られていますが、その中でも特に注目を集めたのが、アウトドア志向を反映した「フォード・ブロンコ」です。
このブロンコは伝統的なSUVの力強さと、モダンな快適性を兼ね備えたモデル。
パワフルな5.0リッターCobra HD V8エンジンに加えて、信頼性の高いFord C4トランスミッション、制動性能に優れたブレーキシステム、そして音響にこだわったサウンドシステムなどが備わっており、オフロードから都会の街中まで幅広いシチュエーションでの走行を可能にしています。
ワイルドで大胆、かつ個性的なガガのパーソナリティにぴったりマッチするこのSUVは、都会のコンクリートジャングルでも存在感を放ち、自然豊かなアウトドアシーンにおいても力強く活躍。
ガガのミュージックビデオにも登場し、そのビジュアル面でのインパクトも抜群でした。
数多くのラグジュアリーカーに加え、アウトドア志向のSUVも所有することで、レディー・ガガの多面的な魅力と自由奔放なスタイルが際立つというもの。
彼女の多様なライフスタイルを象徴する1台と言えますね。
何事にもアクティブなスタイルと、彼女なりにアメリカを愛する心象を象徴した名車として「クール!」の一言でありますよ。
【8】Jay Kay(ジャミロクワイ) × フェラーリ・エンゾ
ジャミロクワイのカリスマ的リーダーであり、世界的なファンク・ジャズの旗手、ジェイ・ケイ(Jay Kay)。
彼は音楽のみならず、自動車コレクターとしても広く知られています。
そのコレクションの中でも特に注目を集めるのが、フェラーリの名車「Enzo」です。
フェラーリEnzoは、フェラーリ創設者エンツォ・フェラーリへの敬意を込めて2002年から2004年にかけて生産されたスーパーカーで、世界でわずか約399台しか製造されていません。
ミッドシップに搭載される6.0リッター自然吸気V12エンジンは約660馬力を発揮し、0-100km/h加速は約3.3秒、最高速度は350km/h級の圧倒的なパフォーマンスを誇ります。
この車はF1からフィードバックされた技術をふんだんに盛り込み、カーボンファイバー製シャシーやF1譲りのセミオートマチックトランスミッション、アクティブエアロダイナミクス、さらにはカーボンセラミック製ブレーキなどを装備。
公道を走る“F1マシン”とも称されるその走行性能は、まさに「走る芸術作品」と言えるでしょう。
ジェイ・ケイはこのEnzoをシックなブラックで所有し、その姿は自身の代表曲「Black Devil Car」の歌詞にも登場。
音楽で表現する洗練されたファッション性やクールなスタイルと、フェラーリの高性能かつエレガントなデザインが見事に調和していますよね。
またフェラーリ330 GT Shooting Brakeといったクラシカルなモデルもコレクションに含まれており、彼の自動車趣味がただの所有ではなく、歴史的価値や美的感覚を重視した厳選されたラインナップであることがうかがえます。
ジェイ・ケイの車コレクションは、まさに彼の音楽とファッション、そして生き方を反映した「動くアート」。
一つ一つのクルマが、彼のクリエイティビティを刺激してやまないのかもしれません。
【9】エルトン・ジョン × 1959 ベントレー S1コンチネンタル
英国の音楽界を代表するレジェンド、エルトン・ジョンが1976年から2001年まで長期間愛用したのが、クラシックなベントレー S1 コンチネンタルです。
このモデルは1950年代の英国車の中でも屈指のラグジュアリーと高性能を誇り、その格式ある存在感で多くのエグゼクティブや富裕層に愛されました。
搭載される4.9リッター直列6気筒エンジンは約190km/hの最高速度を実現し、当時の技術水準を超えた滑らかな走りが最大の特徴。
しばしば「モダン・マジックカーペット(現代の魔法の絨毯)」と称されるその乗り心地は、路面の凹凸を感じさせず、まるで空中を漂うかのような優雅さをドライバーと乗員に提供します。
エルトンが1976年に購入してからの25年間、このベントレーは彼のライフスタイルに寄り添い続けることに。
オリジナルのクラシカルな魅力を残しつつも、エアコンやパワーステアリングなどの近代的な快適装備が後年に施されたレストア仕様にアップグレードされており、まさにロック界の審美眼を反映した名車といえるべき存在。
英国ブランドならではの落ち着きと品格は、エルトン・ジョンの華やかでありながらもどこか気品漂うパーソナリティと見事に調和していますよね。
エルトン・ジョンの奔放な私生活やミュージシャンとしての華やかさとは裏腹の「シンプルで洗練されたクラシックカー」としてのベントレーは、お互いを補い合う無二の親友だったのかもしれません。
情報ソース
【10】ハービー・ハンコック × 1963 AC シェルビー・コブラ CSX2006
ジャズ・フュージョンの先駆者として、半世紀以上にわたり音楽シーンの最前線に立ち続ける巨匠ハービー・ハンコック。
彼の革新性と自由な表現力は、ステージの上にとどまらず、プライベートのライフスタイルにも色濃く表れています。
その象徴とも言えるのが、彼が長年にわたって所有し続けている伝説のスポーツカー、ACシェルビー・コブラです。
このモデルは1960年代初頭、英国の小型軽量スポーツカー「AC Ace」にアメリカ・フォード製のV8エンジンを搭載するという、異文化融合の大胆なアイデアから生まれたモンスター・マシン。
設計とプロデュースを手掛けたのは、名エンジニアでありレーサーでもあったキャロル・シェルビー。
彼の名が車名に冠される通り、情熱と野心が注ぎ込まれた1台です。
ハンコックが所有しているとされるのは、初期型の中でも特に貴重な「289(4.7L)」モデル。
約900kgという驚異的な軽量ボディに、300馬力超のフォード製V8エンジンを詰め込んだこのクルマは、わずか数秒で100km/hに達する爆発的な加速力と、ドライバーの意志に忠実なステアリングレスポンスを誇ります。
その走りは、即興性とダイナミクスを重んじるジャズの本質にも通じ、まさにハンコックにとって理想的な「音楽的マシン」といえるでしょう。
その存在感は路上でもスタジオでも際立っており、60年以上にわたってハンコックが大切に所有し続けているというエピソードは複数の音楽誌や自動車専門メディアでもたびたび取り上げられています。
ハービーにとって、このコブラは単なるヴィンテージカーではなく、自身の創造性や精神性を映し出す相棒のようなもの。
芸術とスピード、伝統と革新、そしてアメリカとヨーロッパの文化を融合させた「走るジャズ」のような存在がシャルビーコブラなのです。
まとめ
音楽とクルマ、どちらも感性を刺激するカルチャーの象徴。
今回紹介した10台をきっかけに、自身のライフスタイルに新たなインスピレーションが加われば嬉しく思います。