DXという言葉をたびたび耳にするようになった昨今。
曲がりなりにも「ブログ」というデジタルコンテンツ界隈の端の端の端くれで活動している自分としても「いまいちよく分からないけど、何か無視してはいけない存在のような気がする」となりまして、加入しているkindle unlimitedで本を色々と漁ったわけです。
で、その中で「これが一番」と適当に当たりをつけて購入したのが「いちばんやさしいDXの教本」ということ。
自分もけっこうデジタル関連についてはそれなりに知ってるつもりでしたが、読み進むにつれて「全然わかってなかった」ことが徐々に判明していきまして(苦笑)
ただ本のコアな部分である「DXとは何ぞや?」については、本中で何度も繰り返し説明されており、それによって漠然とながらも、およそのことは理解できるようになりました。
ということで、今回はそんな私の「DX」理解を助けてくれた書籍の紹介と感想を述べていきたいと思います。
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DXとはデジタルを使って新しいビジネス価値を生み出すこと
まず最初に述べられたのが「DX」の言葉の意味です。
英語の「Digital transformation」(デジタルによる変容)を略した言葉。
transformationの「trans」の部分が「cross」と同じ意味で「X」になり、Digitalの頭文字と合わせて「DX」になったと言われています。
日本でDXが注目されるようになったきっかけは、経済産業省が発表したレポート。
そこでは「2025年までにDXが進まなければ、最大で年間12兆円の経済損失が生まれる可能性がある」と書かれています。
12兆円とはかなりの金額。
DXにはそれだけの価値とリスクを同時に含んでいるといえます。
そんなDXの正体は・・・
「デジタルを活用して、売り上げを伸ばす仕組みを作ることor新たなビジネスを作ること」
仕組みやビジネスを「価値を体現したもの」とすれば「顧客に提供する新たな価値観」になるともいえますね。
DXに至るまでには段階がある
「デジタルを使った仕組みやビジネス作り」がDXですが、単純な「IT化」とは少し違います。
DXには順番があり「①デジタイゼーション⇒②デジタライゼーション⇒③デジタルトランスフォーメーション(DX)」の流れで発展していきます。
①の「デジタイゼーション」は最も基本的な部分。
いわゆる「アナログな部分をデジタル化」する作業ですね。
具体的にいえば「紙媒体をデジタル化する”ペーパーレス化"」「データを共有化する」など。
ワードやエクセル文書を印刷せずにそのまま使う、PDF化する、メールやSNSで連絡を取り合う、各自がデスクトップに保存しているデータをクラウドで保存する(皆と共有できる)などが挙げられるでしょうか。
そして次の②デジタライゼーションは「デジタルを活用して新しいビジネスモデルを作ること」。
具体的にはアマゾンの通販サービスや、Uberの配車サービス、Airbnbの宿泊サービスなどが挙げられます。
実はこの部分は本書では「デジタライゼーションとDXには明確な区分がない。DXを新しいビジネスモデルの創造とするならば、デジタライゼーションによってDXを成し遂げたともいえる」としているんですよね。
でも他のメディア媒体で調べてみると「ビジネスモデルの確立だけではなく、業務の進め方や組織体制、企業の社風や文化の変革にまで進めるのがDXの形」と定義づけているものもあり、「うーむ、どちらが正しいのだろう」と少し悩みました。
今回の本では「基本的なDXの教本」と銘打っているので、おそらくかなりざっくりと「DX」についての定義を分かりやすく説明しているのだと思います。
加えてデジタライゼーションのプロセスでAIや機械学習、データ分析、QCD(品質、コスト、納期)など、より詳しい技術面の説明にページが割かれていて、その流れで「デジタライゼーションとDXとの線引き」が曖昧になっているのかなとも感じましたし、もっとシンプルに「自分の理解が追い付いていないだけ」といえるのかなとも思いました(たぶんこっちです)
ともあれ、一般的にはDXはデジタライゼーションの先にあり、ビジネスの実務部分の変革にとどまらず、企業文化や組織体制の変革に至るものとされており、一方で本書では「2つの間に明確な線引きはない」としているということ(そう私は解釈しています)
あえて本書の見解の代弁をするならば「新しいビジネスを創造していく過程で、自然と組織内の文化や体制は変革していく」「ビジネスの進化につられて組織も変容する(DX)」になるのかなと感じました。
少子高齢化が社会のDX化を進める
本書の最後で日本は少子高齢化によって経済や雇用の先行きが不透明になる、それと同時に日本だけができることもあると述べていました。
逆に言うと、世界に先がけて少子高齢化の道を進んでいるということは、どの国よりも先に問題を解決できる可能性を秘めているということ。
人口減少を補うために作り出された効率化や自動化、新しいビジネスモデル(DX)の構築は日本の貴重な財産となり、他国が同じ状況に追い込まれたときに日本が手を差し伸べられるチャンスにもなります。
それを輸出することで新たなビジネスチャンスにもなり得ます。
ここはもう逆転の発想で「今ある危機よ!どんとこい!」と受け止め、粛々とデジタイゼーション⇒デジタライゼーション⇒DXへの道のりを歩み続けることが大事だと思います。
結論:DXは分かりやすく、理解が難しい部分もあった
本書で書かれた「DX」とは、デジタルを使った「新しいビジネスモデルの創造」であり、そこで生まれた新たな価値や体験はビジネスだけでなく、企業や社会全体を変えうる力をもっています。
デジタル化によるメリットがビジネスの効率化やコストカットから、人々の生活の利便性、一国の経済の分野まで大きな影響を与える可能性をもっていることも理解できたと思います。
その一方で、DXの前段階にあるデジタライゼーションの各技術が素人の自分には致命的に意味が不明すぎて「途中放棄」(理解の)をしたものがいくつもありました。
おそらくこの本はタイトルからもわかるように、デジタル関連書籍でも入門書レベルだと思います。
それでも多くの専門用語が「????」だったことから、私のような一般人と界隈に属する人の知識や理解力の溝は相当に深いんだなと実感させられた部分もあります。
ただDXに関する幅広い知識を網羅するという意味では、この本は十分にその役割を果たしていると思います。
その意味で「DXの教本」というタイトル付はまさにうってつけだなあと感心しました。
決して「やさしく」はないですが、読む価値はある本だとは思いますし、何かのときに読み返して理解を深めるにも向いている本だと思います。
DXの知見を深めたい方はぜひ。