from daikin official site
ヨーロッパで売れ行きを伸ばしている、日本の電機メーカー「ダイキン」のヒートポン式暖房に関する英語紹介です。
冬の寒さが厳しいヨーロッパでは、ボイラーでガスや石油などを燃やして水を温め、それを各部屋に暖気を送る「セントラルヒーティング」が主流でした。
しかしウクライナ危機で電気代が高騰したため、各家庭はその支払いを頭を抱えています。
そこで出てきたのが、環境にも電気代にも優しいといわれる「ヒートポンプ暖房」。
なかでも日本のダイキンが人気で、売り上げも好調、いくつかの国に新たな実験設備や工場の投資を行うとしています。
今回はダイキンの公式サイトと、同社のヒートポンプを取り上げた欧州メディアから、英語表現を学んでいきたいと思います。
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ヨーロッパでのヒートポンプの需要に関する英語表現
from daikin official site
ダイキンの公式英語サイトからヨーロッパ販売副社長さんの記述です。
Rising energy prices and ever more stringent regulation are driving both our residential and industrial customers to heating and cooling systems that help them reduce their environmental footprint.
エネルギー価格の上昇と規制の強化により、家庭用・産業用ともに環境負荷の少ない冷暖房システムを求めるお客様が増えています。
英文を理解しやすいように分解してみましょう。
Rising energy prices and ever more stringent regulation(エネルギー価格の上昇と規制の強化により)
are driving(押しやる、動機になる)
both our residential and industrial customers(家庭用・産業用の消費者/お客様を)
to heating and cooling systems(冷暖房システムに)
that(~という)
help them reduce(軽減することを助ける)
their environmental footprint(環境負荷を)
まとめてみると、
エネルギー価格の上昇と規制の強化が押しやった⇒家庭用・産業用の消費者を⇒冷暖房システムに⇒~という⇒軽減することを助ける⇒環境負荷を
という流れになります。
これをこなれた和訳にすると冒頭の
エネルギー価格の上昇と規制の強化により、家庭用・産業用ともに環境負荷の少ない冷暖房システムを求めるお客様が増えています。
になるわけです。
ではそれぞれの語句を見ていきましょう。
「上昇する」はRising。
「エネルギー価格」はenergy proiceです。
「これまで以上に」はever more。
「厳しい規制」はstringent regulation。
「押しやる、向かわせる」は are driving~toです。
車を運転するイメージです。
方向性を定めて、そこ(to)に向かわせるみたいなイメージ。
toの部分は後で出てきます。
「両方とも」はboth。
「家庭用・産業用のお客様」はresidential and industrial customers。
「冷暖房システム」はheating and cooling systems。
この前に「to」がつくので、少し前の「are drinving to(向かわせる)」フレーズの一部ですね。
「~という」はthat。
直前の語句や文書を、次の流れで説明するための「つなぎ」の言葉です。
「軽減を助ける」はhelp them reduce。
直訳風になるので、こなれた言い回しで「少なくする、減らす」でも良いです。
「環境負荷」はenvironmental footprintです。
そのままの日本語の意味で訳すと不自然になるので、少しアレンジして訳すことがポイントですね。
ヨーロッパでの実証実験と設備投資に関する英語表現
from daikin official site
続いて、イギリスのマンチェスターでダイキンが行うと発表した「ヒートポンプの実証実験」に関する英語になります。
Daikin picks Manchester for heat pump trials
ダイキン、ヒートポンプの実証実験にマンチェスターを選定
語句のチェックです。
「選定」はpicks。
「~に」はfor。
「ヒートポンプ」はheat pump。
「実証実験」はtrialになります。
こちらはタイトルになるので、以下で詳細を説明していきます。
The agreement, which is the first of its kind between a UK city-region and a Japanese firm, will see up to 1,000 homes benefit from heat pump retrofit trials.
この協定は、英国の都市部と日本企業との間で初めて結ばれたもので、最大1,000戸の住宅でヒートポンプの改修試験を実施する予定です。
では語句のチェックです。
「協定」はagreement。
「その~は」は, whichです。
~, whichは前の文章を一呼吸おいて説明するときに使います。
日本語で言うなら「~は~であり、その~は」という感じですね。
「~の間で初めてのもの」は、is the first of its kind between~and~です。
「実施する予定」はwill set up to~。
「恩恵を被る、利益を得る」はbenefit from~。
上記の訳文ではあえて入れませんでしたが、正確に訳すのであれば「ヒートポンプの実証実験から利益を得る最大1000戸の住宅」のようになります。
「改修試験」はretrofit trialです。
この実証実験によって得られるのは、具体的に以下のものになります。
The five-year partnership is expected to contribute to Greater Manchester’s goal of achieving carbon neutrality by 2038, while and boosting investment and job creation in the-region.
この5年間のパートナーシップは、2038年までにカーボンニュートラルを達成するというグレーターマンチェスターの目標に貢献すると同時に、同地域への投資と雇用創出を促進することが期待されています。
語句チェックです。
「が期待されている」はis expected to。
「~に貢献する」はcontribute to。
「~という目標」はgoal of~。
「~を達成する」はachieving~。
「カーボンニュートラル」はcarbon neutrality。
「~という時期まで」はby。
「~の一方で、同時に」がwhile。
「~を促進する」がboosting。
「投資と雇用の創出」が、 investment and job creationになります。
こうしてみると、ヒートポンプの実証実験は決してラボの狭い場所だけでなく、地域全体を巻き込んだ大規模なものになることが分かる記述ですね。
では最後にチェコで行われたダイキンの設備投資の英文ニュースを取り上げてみます。
Daikin, a Japanese manufacturing company, has decided to invest €50 ($49.87) million to expand the manufacturing capacity of its heat pump facility in Brno, Czechia.
The investment will go into the construction of an additional factory building and new production lines.
日本の製造業であるダイキンは、チェコのブルノにあるヒートポンプ工場の生産能力を拡大するため、5000万ユーロ(4987万ドル)の投資を決定しました。
この投資は工場の建物の増設と新しい生産ラインの建設に充てられる予定です。
語句のチェックです。
「~を決定した」はdecided to~。
「投資する」はinvest。
「拡充するために」はto expand。
「~という生産能力を」は、the manufacturing capacity of~。
「ヒートポンプ工場」はheat pump facility。
「この投資は~に当てられる予定です」は、The investment will go into~。
「~の建設」はthe construction of~。
「追加の工場の建物⇒工場の建物の増設」は、an additional factory building。
「新しい生産ライン」はnew production linesになります。
どれも難しい語法もなく、シンプルに訳せるのがポイントです。
産業関連の英文は経済や金融と同じく、専門用語さえクリアすれば、文法は素直なものが多いので日本人にも分かりやすいのが特徴ですね。
まとめ
ヨーロッパで人気が高いダイキンのヒートポンプについての英文解説でした。
実際には「人気」などではなく「爆発的な」という表現が正解なくらいに、2月現在の寒い今の時期では人気が高まっているようです。
ヒートポンプは少ないエネルギーで空気中などから熱をかき集めて、大きな熱エネルギーとして利用する技術になり、エアコンや冷蔵庫、エコキュートなどにも利用されています。
省エネ技術になるので、ロシアからの天然ガスの供給に頼っていた欧州各国にとっては、電気代の節約になるために人気が高まっていると思います。
ダイキンのエアコンは我が家でも使っているので、その名前がヨーロッパでも聞くことができるのは、なんだか我が子の成功を見ているようで嬉しいですね。
こうした産業関連の英語は、昔に企業翻訳を学んでいた頃によく接していたので、それも懐かしく感じました。
ダイキン以外の日本のメーカーも参入しているようですので、また機会があれば、そちらの英文記事も取り上げていきたいと思います。
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