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中国とロシアの緊密な協力関係についての英語表現

2021年12月27日

国際ニュースからの英語学習です。

今回とりあげるのは「中国とロシアの緊密な協力関係について」

国連でも常に共同歩調をとる両国ですが、その目的は「欧米などの西側諸国から国益を守るため」とされています。

ロシアにおける国益とは「ヨーロッパ方面での西側の勢力範囲の拡大を防ぐ」ことにあります。

具体的には、ロシアの隣国であるウクライナが西側の軍事同盟であるNATOに加入することを断固として防ぐこと。

一方の中国の「国益」は自国の領土と見なす台湾の独立を断固として防ぐことにあります。

近年、ウクライナがNATOへの加入の動きを加速させていることを受け、ロシア軍が国境付近に大軍を駐留させていることで、国際的な緊張を生んでいます。

中国も台湾の防空識別圏内への戦闘機の侵入を繰り返すようになっており、両国の動きがある意味「リンク」していると考えることも可能でしょう。

こうした両国の動きは究極的には「ロシアと中国の軍事同盟」にまで発展するのか?ということを、以下の英文ニュースで分析していました。

China and Russia show solidarity, but likely won’t support each other militarily, analysts say

今回はその中から特に「重要」と感じた英文を取り上げつつ「生きた国際英語」を勉強していきたいと思います。

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中国とロシアの緊密な関係についての英語表現

まずは中国とロシアが緊密な協力関係を続けている理由や、その実態についての英文です。

International pressure may have pushed China and Russia closer together

英文の分解と解説です。

International pressure:国際的な圧力

may:~かもしれない(推測)

have pushed:後押してきた

China and Russia:中国とロシアを

closer together:より近づける

記者による「推測」の文章なので「may」という助動詞をつけています。

その推測とは「国際的な圧力」が「中国とロシア」を近づけさせたのではないか、ということです。

和訳です。

国際的な圧力が中国とロシアを近づけたかもしれない

追い詰められた末の「ties(結びつき)」と言えるかもしれませんね。

続いて、

but not enough for the two countries to send military support to each other

という英文になります。

解説です。

but:しかし

not enough:十分でない

for:~という理由で

the two countries:両国が

to send:送ること

military support:軍事支援

to each other:お互いに

国際的な圧力によって「近づいた」両国の協力関係ですが、それでもまだ十分ではないとしています。

というのも、さらに一歩踏み込んで「軍事支援」を送るまでの関係ではないということです。

和訳してみます。

両国が互いに軍事的支援を送るには十分ではない

はっきり言ってしまえば「軍事同盟はしない」ということになりますね。

二国間以上の軍事同盟は「加盟国が軍事的な攻撃を受ければ、自動的に他の加盟国も参戦する義務がある」とされています。

代表的なものはNATOですし、日米同盟も条件つきながらも、近年はその方向に向かいつつあるように思います。

だからこそロシアにとって自己の勢力圏に置いて置きたいウクライナがNATOに加入することを危険視し、これを防ごうとして軍事行動を起こしていますし、米国へのけん制という意味で中国との結びつきを強めているのかもしれません。

ではなぜロシアと中国は「軍事同盟」を結ぶまでに至っていないのでしょうか?

中国とロシアの対米戦略についての英語表現

この部分もインタビューを受けた専門家による推測になります。

ではそれぞれを順を追って取り上げていきます。

China and Russia would rather divide Washington’s political attention between strategic hotspots in Europe and the Indo-Pacific

解説していきます。

China and Russia:中国とロシアが

would rather:むしろ~するだろう

divide:分割する

Washington’s political attention:ワシントンの政治的な関心を

between:~の間の

strategic hotspots in Europe and the Indo-Pacific:ヨーロッパとインド太平洋における戦略的ホットスポット

wouldは「~すると思われる」「~するだろう」という予測だったり、推測の意味をもっています。

ratherは「~より~だ」という選択的な指向。

後は英文通りの意味をつなげていくと、和訳は完成します。

両国はヨーロッパとインド太平洋間における「戦略的ホットスポット」へのワシントンの政治的関心を分割するつもりだと思われる

両国間における協力関係の目的の一つは「直接的な」軍事同盟ではなく、アメリカの政治力を割くということにあるのかもしれないという分析ですね。

軍事同盟の役割についての英語表現

直接的な軍事同盟のメリットは「加盟国が他国からの軍事攻撃を受けると、同盟国が参戦して軍事的に協力し合える」ことにあります。

NATOの多国籍間軍事同盟はまさにそれにあります。

An attack on one member of NATO is considered an attack on all member countries

解説します。

An attack on:~への攻撃

one member of NATO:NATOの一員への

is considered:~と見なされる

an attack on all member countries:全ての加盟国への攻撃

まさにこの一文に「軍事同盟」の本質が詰まっていますね。

英語的にも平易で、しかも他の文章にも応用できる形になっています。

~on~ is considered ~on all member ~(~への~は、~全員への~と見なされる)

和訳をしてみます。

NATOの1つの加盟国への攻撃はすべての加盟国への攻撃と見なされる

ということは、これにウクライナが参加するとなると、当然ながらウクライナを自国の影響下に置いておきたいロシアとしてみれば、自国への重大な脅威と見なされるわけです。

未来永劫、西側諸国がロシアと戦争状態にならないとは限りませんし、ウクライナとの間で紛争が起きた場合に、NATO加盟国(ヨーロッパ諸国とアメリカ)が介入してくることを意味しますから。

それだけ軍事同盟の意味は重いですし、その条約を自分の隣国が敵対する勢力(西側諸国)と結ぶことの恐ろしさをロシアは理解しているということです。

それについての英語表現は以下です。

Russia has objected on grounds that such a move would be a direct threat to its borders

解説していきます。

Russia has objected:ロシアは反対してきた

on grounds that:~という理由で

such a move:そのような動きは

would be:~になるだろう

a direct threat to:~への直接的な脅威に

its borders:国境

ここでの英語的なポイントは「on grounds that」(~という理由で)です。

会話文であれば「because」であるところを、公式の表現だったり、少し知的な表現にしています。

では和訳をしてみます。

ロシアはそのような動きが国境への直接の脅威になるという理由で反対している

まさに「ウクライナは我が国の核心的利益である!」というところですね。

中国がロシアと軍事同盟を結ばない理由についての英語表現

ではなぜ中国とロシアが「圧迫を受けている」と感じるアメリカを中心としたNATOや同盟軍のような「軍事同盟」を互いに結ばないのでしょうか?

それについての理由を英文記事では以下のように推測しています。

・China does not want a formal military alliance with Russia

・because it wants to avoid direct involvement in the messy international politics of Moscow’s destabilizing moves in Eastern Europe

それぞれの英文を簡単に解説しつつ、順を追って見ていきます。

China does not want(中国は望んでいない) a formal military alliance(正式な同盟を) with Russia(ロシアとの)

中国はロシアとの正式な軍事同盟を望んでいない

ということです。

その理由は、

because(なぜなら) it wants to avoid(避けたいからだ) direct involvement(直接的な関与を) in the messy international politics(乱雑な国際政治への) of Moscow’s(モスクワの) destabilizing moves(不安的な動き) in Eastern Europe(東ヨーロッパにおける)

訳してみますと、

なぜなら東ヨーロッパにおけるモスクワの不安定な動きの乱雑な国際政治への直接の関与を避けたいから

want to(望む)という表現が多用されていることから、中国の率直な気持ちが推し量れる内容になっています。

続く英文で「軍事紛争に反対し、対話の重要性を強調する「独立した外交政策」を持っているからだ」と論評していますが、そこはあくまで中国側の建前だと私は思います。

本音としては「ロシアが東欧で行わおうとしている軍事侵攻で自国の軍事力を振り分けるつもりはないし、むしろ巻き込まれたくない。逆にそれをすると台湾をめぐる駆け引きでアメリカに利用される恐れがある」とみているからではないでしょうか。

似たような例では、日本が第二次世界大戦でドイツとイタリアと軍事同盟を結んだ結果、日本が真珠湾を攻撃したことでアメリカのヨーロッパへの参戦が決まったことを思い出します。

それまでドイツはヨーロッパ大陸をほぼ制覇し、ロシアとイギリスに攻勢を仕掛けているさなかで有利な戦いを進めていました。

国力が圧倒的なアメリカの参戦さえなければ、そのまま勝利する可能性もあったとも言われています。

しかし同盟を結んでいた日本が対米に宣戦布告をしたことで、アメリカがヨーロッパ戦線に参加できる口実ができ、一気に連合国の攻勢が始まったという流れがあります。

こうした歴史的な経緯を中国が研究していないはずはありません。

ロシアと同盟を結ぶことで逆に自分たちの手足が縛られてしまうということ、つまり「ロシアとの軍事同盟は外交の自由度を無くす」と考えた結果が、今の協力関係に落ち着いているのではないでしょうか。

まとめ

中国とロシアの協力関係について「軍事的な観点」で分析した英文記事を取り上げてみました。

両国ともに国境付近で火種を抱えており、事の成り行き次第では戦争に発展する恐れが高まっています。

日本でもNHKが中国や台湾についての特集を組んでいたりと、他人ごとではない状況になりつつあります。

こうした中で海外の英文情報が役立つのは、日本国内のメディアでは見られない世界的な視点を学べる点にあるということ。

視野を複数もつことで情報の精度もあがりますし、海外ニュースのチェックは英語学習以外の助けにもなると感じています。

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