今回取り上げる英文記事は「アマゾンの森林破壊」についてです。
CNBCが伝えるところによると、南米の国の中でアマゾンの森林地帯が最も多く分布しているのがブラジルとなっており、現在のボルソナロ大統領の代で森林開発が急ピッチに進められているということです。
Why deforestation in Brazil’s Amazon has soared to its highest level in 15 years
それに対してグリーンピースやブラジル国内の科学者が「環境汚染につながる」と批判しており、それに対して大統領も反論するという記事の流れになっていました。
今回はその中で気になった英文記事を取り上げ、その英語表現を学んでいきたいと思います。
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アマゾンの森林破壊に関する英語表現
アマゾンで行われている森林開発と、それに伴う森林の環境悪化に関する英文になります。
The Amazon rainforest covers land in nine countries, but around 60% lies in Brazil.
【単語&フレーズ】
The Amazon rainforest covers:アマゾンの熱帯雨林はカバーしている
land in nine countries:9か国の土地を
around 60%:約60%
lies in Brazil:約60%がブラジルにある
熱帯雨林は「rainforest」というのは有名ですよね。
それがカバー「cover」しているのが、land「土地」であるということ。
約~%というのは「around~%」になります。
では訳してみましょう。
アマゾンの熱帯雨林は9か国の土地をカバーしているが、約60%がブラジルにある
アマゾンの面積の6割がブラジルにあるということ。
つまりブラジルの行動が周辺国の環境にも大きく影響するということなんですね。
では実際にブラジルで行われていることは何でしょうか?
one-third of deforestation in Brazil’s Amazon is mainly driven by meat producers clearing space for cattle ranches
【単語&フレーズ】
one-third of:3分の一は
deforestation:森林破壊
in Brazil’s Amazon:ブラジルのアマゾン
mainly:大部分は
is driven by:~によって引き起こされる
meat producers:肉の生産者
clearing space:スペースを開けること
for cattle ranches:牛の牧場のための
「~分の1」という数値表現は「one ~ of」となります。
森林破壊は「deforestation」。
forest(森林)をde(否定する)というつながりですね。
生産者は「producer」。テレビのプロデューサーと同じです。
牛の牧場は「cattle ranches」。rancheが牧場になります。
訳してみましょう。
ブラジルのアマゾンでの森林破壊の3分の1は、主に牛の牧場のためのスペースを空ける肉生産者によって引き起こされる
森林破壊が行われる目的は「牛の牧場を作るため」「肉の生産者」ということになります。
牛そのものに罪はないのですが、牛を育てるための場所を確保するために広大な場所「アマゾンの森林」を開発していることが、「環境破壊」として問題になっているという流れです。
では実際にどれくらいの森林が開発され、伐採されているのでしょうか?
ブラジル国立宇宙研究所(INPE)が推定したのが、以下のデータになります。
13,235 square kilometers of the forest was cleared between August 2020 and July 2021
【単語&フレーズ】
13,235 square kilometers of the forest:13,235平方キロメートルの森林
was cleared:伐採された
between August 2020 and July 2021:2020年8月から2021年7月までの間に
squareは平方を指します。
キロメートルはそのままで「kilometers 」ですね。
伐採は意訳した形で「was cleared」(キレイにされた)で訳されているのもポイントです。
訳は以下です。
2020年8月から2021年7月までの間に13,235平方キロメートルの森林が伐採された
1万3千235平方キロというのは、かなり広大な広さですね。
日本でいうと四国が1万8千ほどなので、それに近い面積の森林が消失しているということになります。
これは確かにひどいですね・・・
その結果、CO2排出に影響を及ぼし始めているとしています。
Deforestation in Brazil’s Amazon rainforest surged in 2021, reaching a 15-year high as it emerged that the forest has begun emitting more carbon than it can absorb
【単語&フレーズ】
Deforestation in Brazil’s Amazon rainforest:ブラジルのアマゾンの熱帯雨林の森林破壊
surged in 2021:2021年に急増した
, reaching:そして達している
a 15-year high:15年ぶりの高さに
as:~ので(理由)
it emerged that:~が明らかになった
the forest has begun:森林が~をし始めた
emitting:排出する
more carbon than:より多くの炭素を
it can absorb:それ(森林が)吸収できる
surgedは急増するという意味になります。
数値表現としては「a ~-year high」で「~年ぶりの高さで」となるということ。
これが「15年ぶりの低さ」となると「a 15 year low」となりますね。
排出は「emitting」、炭素は「carbon」です。
訳していきます。
ブラジルのアマゾンの熱帯雨林の森林破壊は2021年に急増し、森林が吸収できるよりも多くの炭素を放出し始めたことが明らかになったため、15年ぶりの高さに達した
ブラジルの森林破壊が進む理由は「牛の牧場」が主に取り上げられており、これは牛肉の需要が世界的に増えているということを意味します。
その新たな顧客はどこになるのでしょうか?
そのあたりも英文も取り上げられているので、次の章で紹介していきます。
「ブラジル産の牛肉の最大輸出国は中国」の英語表現
アマゾンの森林破壊は、必ずしも当事国のブラジルだけに責任があるとはいえない、ということを述べている英文です。
many countries are participating in the destruction of the rainforest by importing certain products, like wood and beef, from Brazil
【単語&フレーズ】
many countries are participating in:多くの国が参加している
the destruction of the rainforest:熱帯雨林の破壊に
by importing certain product:特定の製品を輸入することで
like wood and beef, from Brazil:ブラジルから木材や牛肉などの
participate inで「~に参加する」という意味になります。
destructionは「破壊」ですね。
byは「~によって」という理由、輸入が「import」となります。
特定の製品は「certain product」ですね。
訳してみます。
多くの国がブラジルから木材や牛肉などの特定の製品を輸入することで、熱帯雨林の破壊に参加している
多くの国という中に日本が含まれるかどうかは分かりませんが、もしそうであれば、その肉を自分も食べていることになるので、かなり考えさせられます。
そしてその肉はブラジルというだけでなく「アマゾンの原生林を伐採してできた牧場から」という事実もまた重くのしかかります。
If you’re importing beef from Brazil, 40% of it comes from the Amazon
【単語&フレーズ】
If you’re:もし~だとしたら
importing beef from Brazil:ブラジルから肉を輸入している
40% of it:そのうちの40%
comes from the Amazon:アマゾンからきている
輸入するは「import」になります。
「~の~%」と表現する時は「~% of~」となる感じですね。
訳してみましょう。
ブラジルから牛肉を輸入している場合、その40%はアマゾンからのものだ
アマゾンに限らず、ブラジルの生産物はある理由で儲かるようになっています。
それは何かということを以下の英文で述べられています。
The problem in the last few years is that Brazil’s money has become very cheap, so for producers to export beef or corn or soybeans it’s much more lucrative
【単語&フレーズ】
The problem in the last few years:ここ数年の問題は
is that:~だ
Brazil’s money has become very cheap:ブラジルのお金が非常に安くなったこと
so:そのため
for producers:生産者にとって
to export beef or corn or soybeans:牛肉もしくはトウモロコシ、大豆を輸出すること
it’s much more lucrativeより儲かるようになっている
Brazil’s moneyというのは「ブラジルのお金」と訳しましたが、正確にはブラジルの通貨「レアル」の価値が安くなったということになると思います。
日本でも円が安くなると輸出に強くなり、円が高くなると輸入に強くなる仕組みと同じですね。
輸出するは「export」、儲かるは「lucrative」となります。
では訳してみます。
ここ数年の問題はブラジルのお金が非常に安くなったことだ。そのため生産者が牛肉、トウモロコシ、大豆を輸出すると、はるかに儲かることになる
そしてその輸出先の最も大きな国はどこになるのでしょうか?
以下の英文で示されています。
the country’s biggest export market is currently China, the world’s biggest polluter
【単語&フレーズ】
the country’s biggest export market is:国内最大の輸出市場は
currently:現在のところ
China:中国
, the world’s biggest polluter:それは世界最大の汚染国
最大は「the biggest」、輸出市場は「export market」になります。
現在は「now」よりも「currently」を使った方が文語的ですね。
最後のpolluterは「pollution(汚染)」の擬人型で「汚染するもの」ということです。
訳してみます。
国内最大の輸出市場は現在、世界最大の汚染国である中国である
豊かになった中国では牛肉の需要が急激に高まっているというニュースを耳にすることがあります。
もともと豚肉の需要が高い国だったのですが、時代が変われば食文化も変化していくものなのですね。
そして同時に中国は「世界の工場」として国内の環境汚染がすごいことになっている、というのも昔からよく聞くことです。
そのどちらもがここで鋭く指摘されているということですね。
そんな牛肉を得るための森林伐採は、現地の生活環境にまで影響を及ぼしているといいます。
mining in the rainforest was poisoning the water that indigenous people and wildlife rely on to survive
【単語&フレーズ】
mining in the rainforest:熱帯雨林での採掘
was poisoning the water:水を汚染している
that:~という
indigenous people and wildlife:先住民や野生生物が
rely on:頼る、依存する
to survive:生き残るため
miningは「採掘する」ということですので、アマゾンでは森林伐採に伴う鉱物資源の採掘も行われていることになるのかもしれません。
汚染するは「poison」でwas poisoningで「汚染が進んでいた」というニュアンスになりますかね。
訳してみましょう。
熱帯雨林での採掘は、先住民や野生生物が生き残るために依存している水を汚染している
森林伐採の被害は牧場を作るための「土地」だけではなく、そこにある「環境」にも悪影響を与えているということ。
経済のために命を維持するための自然環境を失っていいのか?という命題。
これはブラジルだけでなく、世界中のあらゆる場所で起こり得る問題ではないでしょうか。
まとめ
アマゾンの森林伐採に関する情報は以前から様々なメディアで取り上げられてきました。
森林面積が地球上に占める割合が非常に高いこともあり、地球温暖化への影響も甚大と言えます。
今回の英文記事では、主にブラジル国内の政治力が開発の方向に舵を切っていること(現在のボルソナロ大統領が推進)、コロナによって経済が停滞し、それがさらに農業生産物への依存につながっているということ、そして最大の輸出先が急速に発展を遂げた中国だということがクローズアップされています。
実際の環境問題もそうですが、そこに中国が関係しているとなると、米中覇権争いがこうした経済案件にも影響しているのではと想像してしまいますね(CNBCは米国の経済メディア)
とはいえ、温暖化が実際に地球環境に悪影響を与えているのは確かですし、それを解決するために様々な技術が開発・発展してきているのも事実です(脱炭素化、代替エネルギー、電気自動車など)
以前に取り上げたESGやSDGSもその方向性に沿ったものですし、今後は産業界や経済界全体がその流れに沿わない組織を淘汰していくこともあり得るのではないでしょうか。
そうした環境問題をけん引しているのが欧米諸国ということもあり、英語メディアのチェックは個人が生き残るための手段として今後も欠かさないようにしたいですね。
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