ソロアーティストとして活躍しながら、スーツスタイルを通して独自の個性や音楽性を際立たせてきたロックスターの方々を5名紹介します。
彼らのスーツ姿には、色気、知性、そして時代を超えて支持されるスタイルの力が感じられます。
代表的なビジュアルやエピソードとともに、その魅力をじっくりとお楽しみを!
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スーツが似合う洋楽ミュージシャン
🎸 デヴィッド・ボウイ(David Bowie)
音楽性とキャラクター
ロックという枠を超えて音楽・演劇・アート・ファッションを融合させた革新的なアーティスト。
20世紀のカルチャーに絶大な影響を与えた存在です。グラムロック、ソウル、エレクトロニカ、インダストリアル……彼の作品は時代とともに常に変化し、音楽的なカメレオンとも称されました。
“Ziggy Stardust”をはじめ、“Thin White Duke”、“Aladdin Sane”など、アルターエゴ(別人格)を通じて自らを演出するスタイルは、ボウイの最大の魅力のひとつに。
作品ごとに人格や美意識を変幻自在に切り替えながら、常に“時代の一歩先”を提示し続けました。
スーツスタイル
ボウイのスーツスタイルは、“単なる衣服”ではなく表現の一部です。
70年代にはグラムなサテンやベルベットのスーツ、80年代にはパワーショルダーの洗練されたテーラード、90年代にはモノトーンでミニマルなルックへと進化。「スーツ=均質」という常識を覆し、“スーツで異端を装う”スタイルを体現した存在でした。
特に有名なのが“Thin White Duke”期のスタイル。白シャツに黒いベスト、ワイドなパンツ、そして鋭い眼差し。
まるで冷徹な貴族のような出で立ちは、退廃と洗練が同居するボウイならではのモード。
この時期のボウイは、あらゆる意味で“危険な美”を纏っていました。
象徴的なシーン
「モダン・ラブ」のボウイで見せるイエロー(もしくはクリーム色)のスーツジャケットも印象的ですね。
コンサートの様子を映像化したものですが、ネクタイを崩したスタイルが何ともいえずカッコいい。
ボウイの端正な顔立ちと金髪に明るい色彩のジャケットがひどく似合いますし、ネクタイを緩めた遊び心が大人の余裕を感じさせてくれる映像です。
スーツ選びのポイント
- 控えめなスーツ×派手なシャツ/タイなどで「一点突破」がおすすめ。
- 姿勢・立ち方・目線にも「演じる感覚」を持つことで、着こなしの説得力がアップ。
- サイズ感は命。 体型に沿ったカッティングを選ぶと、どんな派手な服でも“似合ってしまう”。
🎩 ブライアン・フェリー(Bryan Ferry)
音楽性とキャラクター
グラムロックの美学と、ジャズやボサノヴァに通じるエレガンスを兼ね備えた存在――それがブライアン・フェリーです。
ロキシー・ミュージックのフロントマンとして70年代に登場し、アートロック、エレガントなポップ、そして退廃的なロマンスを楽曲に落とし込んできました。
その音楽には常に都会的な洗練とナイトクラブの煙のようなムードが漂い、スタイリッシュでありながらもどこかメランコリック。
ソロ活動ではさらにジャズやスタンダードの要素を取り入れ、「紳士が囁くように歌う」という独自の美学を確立しました。
スーツスタイル
ブライアン・フェリーといえば、“スーツを着たロックスター”の代名詞ともいえる存在。
彼にとってスーツは、単なる衣装ではなくアティチュード。
ロックがジーンズとTシャツの象徴だった時代に、敢えてクラシックなテーラードスーツを身にまとい、ロックスター像を再定義しました。
白のディナージャケットに黒の蝶ネクタイ、洗練されたヘアスタイル。
まるで“アール・デコ時代の映画スター”が現代に蘇ったような姿は、当時のロンドン・シーンの中でも異彩を放っていました。
フェリーは「退廃と上品さ」「危険と優雅さ」という両極をスーツで表現した、稀有なアーティスト。
ジャケットの質感、ネクタイの幅、色のトーンまで、彼の装いには一貫した美意識が通っています。
象徴的なシーン
「Don't Stop the Dance」のミュージックビデオでは、Vゾーンの深いスーツをノータイで着こなし、静かに佇む彼の姿が印象的。
光と影を巧みに使った映像の中で、控えめながらも色気と気品が漂い、音楽と完璧に調和しています。
過剰な演出はなく、彼のスタイルそのものが語りかけてくるようなこの映像は、スーツが似合うミュージシャンとしての彼の存在感をより際立たせているでしょう。
フェリーのスーツは、ロックンロールにラウンジの気品を持ち込んだ最初の成功例とも言えるでしょう。
スーツ選びのポイント
- 上質なスーツ×シルクシャツや光沢小物で「エレガンス」を一点強調
- 無駄のない立ち姿や控えめな仕草が、スタイル全体の品格を底上げ
- フィット感の精度が命。仕立ての良いジャケットは、静かな色気を引き出してくれる
👔 ロバート・パーマー(Robert Palmer)
音楽性とキャラクター
ソウル、ファンク、ロック、レゲエまでを自在に横断するスタイルで知られるロバート・パーマーは、まさにジャンルレスの洒落者ロッカー。
1970年代の初期から活動をスタートさせ、ソロ転向後は洗練されたアーバン・ファンクやダンサブルなロックを武器に、一味違う存在感を発揮しました。
1980年代に入ると「Addicted to Love」や「Simply Irresistible」などのヒットで世界的にブレイクし、音楽だけでなくビジュアルとファッションにおいても“完璧主義者”としてのスタンスを確立。
常に知的でクールな表情を崩さず、“大人の色気”を音と映像で体現するアーティストでした。
スーツスタイル
ロバート・パーマーといえば、スーツとネクタイのロックスターというイメージが強く根付いています。
クラシックなテーラードスーツをピシッと着こなし、ポマードで整えた髪、鋭い視線・・・
その姿は、まるで「ブリティッシュ・ジェームズ・ボンド meets アーバン・ロック」。
ステージやミュージックビデオでもカジュアルに崩すことはほとんどなく、「ロック=ラフ」ではなく「ロック=ドレッシー」という新たな解釈を提示。
イタリアンスタイルを思わせる細身のスーツや、艶のあるネクタイ、シルエットの美しさにこだわったジャケットなど、常に“エレガントの一歩先”を行くファッションセンスが光ります。
象徴的なシーン
1986年の「Addicted to Love」MVで見せた、黒のスーツに白シャツ、ノータイというシンプルかつ完璧なスタイルは、今でも語り継がれるアイコン的ビジュアル。
無表情な女性バンドを従えて無機質に歌う姿は、80年代のクールさとエロスの象徴とも言えるでしょう。
1990年代以降も一貫してスーツスタイルを貫き、年齢を重ねても洗練とセクシーさを失わないその佇まいは、まさに“ロック界のジェントルマン”そのもの。
彼のスーツスタイルは、ロックとファッションの関係性に“品格”を与えた、稀有な存在感を放っています。
スーツ選びのポイント
- 端正なスーツ×完璧に整えたヘア&メイクで「完璧主義の色気」を演出
- 直立した姿勢と無駄のない所作が、クラシックな装いをモダンに
- シルエットは常にスマートに。モノトーンやネイビーなど、男の色気が引き立つ色選びも重要。
🎩 ポール・ウェラー(Paul Weller)
音楽性とキャラクター
1970年代後半にザ・ジャム(The Jam)でパンク/モッズ・リバイバルを牽引し、続くスタイル・カウンシルではソウルやジャズ、ボサノヴァを取り入れた洒脱な音楽性へと舵を切り、90年代以降はソロとして英国ロックの重鎮へ。
音楽的変遷を遂げながらも、一貫して“英国的スタイル”を貫く男――それがポール・ウェラー。
社会性と詩情、クラシカルと革新。相反するものを音楽に落とし込む手腕と、ロンドンの街角から飛び出してきたようなスタイルは、UKロックの中でも特異な輝きを放っています。
スーツスタイル
ポール・ウェラーのスーツスタイルは、“ブリットポップの父”にして“リアル・モッズの末裔”。
ザ・ジャム時代の若き彼は、細身のスーツに細いネクタイ、クリーンなシャツという、60sモッズの正統を体現したファッションで若者のアイコンに。
スタイル・カウンシル期には、より洒落たヨーロピアンな装いにシフトし、リネン素材やダブルのスーツ、ボートネックのニットやジャズマン風のストールなど、大人の“ユーロ・モッド”へと進化。
ソロ以降もそのスーツ愛は変わらず、テーラードジャケット×ジーンズやトラウザーズ×ブローグシューズといった、カジュアルとドレッシーの“狭間”を巧みに操る達人として君臨し続けています。
象徴的なシーン
「The Changingman」ミュージックビデオでは、クラシックかつモッズ的な美学を反映したスーツスタイルが際立っています。
広めのラペルが特徴的なダークカラーのジャケットに、鮮やかなブルーのシャツ、サイケな柄ネクタイを合わせたスタイル。
映像美と音楽性の両面で“変化”を象徴している感じですね。
彼の音楽テーマと完璧にリンクしたヴィジュアル表現となっているのが印象的です。
スーツ選びのポイント
- シンプルなスーツ×洗練されたディテールで「反骨精神を感じさせるエレガンス」を演出
- クラシックなスーツをベースに、フィット感やカットにこだわり、シルエットは常にシャープに
- 色はブラックやグレーが多く、大人の男性らしさを引き立てるが、そこに少しの遊び心を加えることで、上品さと個性を見事に融合させる
🎙️ ブライアン・セッツァー(Brian Setzer)
音楽性とキャラクター
1980年代にストレイ・キャッツでロカビリー・リバイバルを牽引し、90年代にはブライアン・セッツァー・オーケストラとしてスウィング・ロックを再びメインストリームに引き上げた、まさに“ヴィンテージの申し子”。
ギャリッと歪んだグレッチのギター、跳ねるビート、そして熱量高めのグッド・タイム・ボイス。古き良きアメリカン・サウンドを21世紀に蘇らせた立役者であり、そのルーツへのリスペクトと現代的アレンジのセンスで、唯一無二の立ち位置を築いています。
スーツスタイル
ブライアン・セッツァーにとってのスーツは、“演奏と同じくらい派手で、品がある”という美学の結晶。
ストレイ・キャッツ時代から彼は、ギャバジン素材の2ボタンスーツ、シャークスキンのセットアップ、ドレイピーな肩回りと絞られたウエストといった、1950年代のアメリカン・スタイルを現代的に再解釈して着こなしてきました。
加えて、ヒョウ柄のジャケット、鮮やかな色合い、ボウタイやポマードヘアといったディテールが、“ロカビリー=反骨と色気の両立”を体現。まるで演奏と一体化したようなファッションは、まさにロックンロールのショーマンそのものです。
象徴的なシーン
ブライアン・セッツァー・オーケストラとしての活動期では、赤や金のラメ入りスーツ、グリッタージャケットにフリルシャツといった華美な衣装でステージを彩り、スウィング時代のラスベガスとモダン・ロカビリーが融合したような唯一無二の世界観を築きました。
タイトなスーツとグレッチのオレンジ・ギター、グルーヴ感たっぷりのアンサンブルが炸裂し、ファッションも音楽も“全身でリズムを刻む男”。
彼のスーツは、単なるステージ衣装ではなく、“音楽ジャンルそのもの”を着ているような存在感。
ロカビリーもスウィングも、セッツァーの手にかかれば現代のロックンロールに昇華されるのです。
スーツ選びのポイント
- ヴィンテージスタイル×ロカビリーのエッジを効かせたスーツで「自由な個性」を表現
- クラシックなスーツをベースに、ジャケットの肩幅やパンツのシルエットに遊びを加え、少しタイトに仕上げることで独特のスタイルを作り出す
- カラーはブラックやホワイト、チェック柄などが主流で、どこか反逆的でエネルギッシュな印象を与える。
まとめ
ロックとスーツ。
反逆と伝統の相反するイメージの2つが合わさった時、そこに生まれるのは「セクシー&クール」。
保守的な折り目正しさの中に包まれた「ソリッドなクールさ」が、逆にすごくカッコよく映えるんですよね。
洋楽スターのルックスやスタイルの良さも相まって、彼らの醸し出す色気に惹きこまれる自分がいます。
そんなロックミュージシャンのイメージを身にまといたい人のために、今回の記事でぜひ自分だけのスーツを手に入れてくださいね!
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