SFパロディ人形作品「スケルトンウォーズ」の監督を務めた、ジョージホネルカス監督にインタビューを試みた取材記事です。
そんな二部作の魅力と裏側についてたっぷりと語ってもらいました。
(注:パロディ記事です)
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『スケルトン・ウォーズ』誕生秘話
ー本日は突然の訪問に関わらず、インタビューを受けて頂いて本当にありがとうございます。日本は初めてと聞いていますが、滞在中の印象は如何ですか?」
「お気遣いありがとう。東京に着いて2日目だけど、ずっと天気が良くて、とてもいい気分で過ごさせてもらっているよ。」
ーそれは何よりです。では早速質問させていただきます。現在監督は映画のプロモーションや公開後の取材などで非常にお忙しいと思いますが、今の心境は如何ですか?
「そうだね、ようやくここまできた、というのが実感だね。何しろ撮影には10年かかったから、喜びも愛しみもひとしおという感じだよ。」
ー撮影にそれだけかかったというのは、やはりそれだけ本家の作品への特別な思いがあったということも関係しているのでしょうか?
「それもあるかな。むしろ他の映画の撮影が重なっていたというのが、一番の理由だと思うね。僕は他にもいろいろな作品に関係していて、常時20本くらいの映画の脚本や撮影を手掛けているんだよ。だからこの作品にだけすべてを集中させるのは難しかった。でも、一番思いがあるのはこの「スケルトン・ウォーズ」だよ。」
ースターウォーズのオマージュ作品ということで、観客はやはりスターウォーズへの何らかの親和性を期待していると思いますが、こういった”スターウォーズ神話”を優先させることと、まったく異なる設定で新しい物語を生み出すこと、この2つのタスクをどうやって作品の中に内包させているのでしょうか?
「いい質問だね。実に鋭い切り口だよ。そうだね。それは実はあまり考えたことがないんだ。」
ーえっ?そうなんですか?
「まず一番初めに気にかけるのが、自分の中の「ノリ」と「勢い」だ。これが何よりも重要で、他の要素、配役やらロケ場所やら、スタッフとの関係性は二の次になる。もちろん公開した後の観客の反応も併せて」
ーそれは初めて聞きました。大抵の映画監督は、そういった自分の内部のこと以外のことにも細かく気を配るものというイメージがあるのですが、監督はそうではないんですね?
「残念ながらね。だから僕の作る作品の多くが「マニアック」だとか「分かりにくい」「客の反応を全く気にかけていない」という批判を受けるんだよ。ラジー賞も100回以上受賞したからね(笑)でも本当にそういうことはどうでもいいんだ。」
ーでは今回の「スケルトン・ウォーズ」の誕生も、監督のノリと勢いで生まれたということですか?
「それが何より大切だ。たとえ世界の誰もが受け入れてくれなかったとしても、自分だけが面白いと思えればそれでいい。試写室で出来上がった作品をたった一人で見て「これ最高!」といって手を叩いて大笑いしていられることが、何よりもの創作意欲につながるんだよ」
「ホネの帰還」というタイトルの意味
ーサブタイトルになっている「ホネの帰還」についてですが、これはやはり本家スターウォーズの6部作の最終作である「ジェダイの帰還」と何か関係があるのでしょうか。
「どうなんだろう?その質問はよく聞かれるんだけど、実はあまり深く考えたことがないんだ。確かにジェダイ=ホネダイととらえれば、そうなのかもしれないけど、このタイトルをつけた時はそこまで考えてなかったね。」
ーつまり監督の中ではホネダイとジェダイとは無関係ということに?
「無関係というほどではないけど、関係があるとまでは言えないと思う。僕の中ではジェダイは歴然たる力を持った超人的なキャラクターだから、今回の作品のホネたちと同列に並べるべきではないと思うんだ。ホネはあくまでホネであり、それ以上それ以下でもない。つまりホネの帰還というのは、言葉の響きがもつ母音的心地よさと聴覚的感覚から生み出されたホネ的造語であると考えているんだよ。」
ー哲学的ですね・・・
「そこまでは言っていない。しかしそれにかなり近い感覚で好いと思う。映画は中身が大切だと思うんだ。だからこの手の質問には毎回困ってしまうんだよね(苦笑)」
ータイトル付けにもノリと勢いが大切だと。
「そう。何よりそれが一番だよ。」
主人公の秘密とは?
ー本作では監督は主人公のホネカー役を演じていますね。映画監督が主役を演じるなどあまり聞いたことがないのですが、その思いや、きっかけというのを聞かせてください。
「もともとはマーク・ホネルトンにホネカー役を打診してたんだ。でもスケジュールの都合で難しくなった。それでほかにも色々探したんだけど、なかなかイメージが合う演じ手がいなくてね。夜中に家のトレイに閉じこもって悩んでるときに「あなたがやれば?」って、扉の向こうで誰かが声をかけてきたんだ。」
ー奥様ですか?
「ペットのオウムだよ。すぐに人まねするんだ。たぶん妻の家での口癖だと思う。あの一言で閃いたね」
ーなるほど・・・周囲の反対や批判というのはありませんでしたか?
「もちろんあったさ。だって監督が俳優も兼業するんだよ?そんなのヒッチコックやナイト・シャラマン以外に聞いたこともない。しかも主役だからね。でもそんなこと関係ない。なぜかって、それは結果に何も責任を取ってくれない、他人様の意見だからさ」
スターウォーズへの深い憧憬
ー演技するうえで心がけたことは?
「やはり過去のスターウォーズ作品を見込んだことに尽きるね。オマージュ作品を作るのだから、恥ずかしい真似はできない。だからありとあらゆるフォームを研究して自分のものにしたんだよ。ほら、見てごらん。」
ーまるで本物のジェダイのような構えですね。
「これは自分で編み出した新しいホネジェダイの型なんだ。名付けて「ホネリス」。守りと攻撃を一つに備えた完璧なフォームなんだよ。」
ーそれはすごい。
「で、これがもう一つのフォーム。」
ーずいぶん力が抜けた姿勢ですね。
「これは「ユニバース」という型で、全ての力をだし切った後に意識と肉体を宇宙に預けることで敵の攻撃を無力化するフォームさ。またの名を「ゴースト」ともいう。」
ー悟りのようなものですね。
「そのとおり。映画では採用されなかったけど、撮影では何度もこれでホネダ―役のスタントマンと渡り合ったものさ。」
ダーク・ホネダ―との対決シーン
ー恐らくファンが最も知りたい部分だと思うのですが、最後のダーク・ホネダ―との対決シーンで何か特別なお話とかはありますか?
「あの一連のシーンはまさにこの映画のコアの部分といえるから、本当に気合を入れて演技をしたよ。僕は監督であり主演俳優でもあるから、色んな意味で難しい立場にあるんだけど、このシーンの撮影に関しては助監督に全てを任せて、自分の演技に集中した。たとえば、トゥースピックソールドを使って戦う場面だけど、あれだって5年かけてフェンシングと日本の剣道と中国の太極剣を修行して身に着けた技なんだ。
ーそれが先ほどのフォースの型に表れているんですね。
「その通り。あれは単にスターウォーズマニアのお遊戯じゃないんだよ。きちんとした流儀に学んで消化したうえで、物語の背景にある哲学を動きに取り入れて型にしたんだ。」
ー敵役のダーク・ホネダ―については?
「主人公の父親であり、皇帝の片腕ともいえる存在、さらに伝説のホネダイマスターでもあるから、それはもう僕の演出以上に気を配ったつもりだよ。それこそホネダ―の衣装は特注だし、毎朝撮影のたびに僕自らが心を込めて綺麗な布で丹念に磨いたんだ。」
ーそれもマーシャルアーツで学んだ心得ですか?
「そうともいえる。しかしそれ以上にやはりダーク・ホネダ―に対する敬意の現れなんだと思う。これはもう監督とか撮影とか別にして、一人のSWファンとしての本能とでもいうべきかな。もちろん演出には力を入れたよ。ホネダ―役のホネデンには僕がどれだけスターウォーズシリーズが好きで、このオマージュ作品に命をかけているかとか、その中でも特にダース・ホネダ―の役割には自分の親以上の愛着を感じてるから、失敗してもらったら困るとか、ホネダ―の身長にあと5センチ足りないから、撮影までに毎日カルシウムを飲んで背を伸ばしておくようにとか、雰囲気が明るめだから、ホネダ―のダークな正確に合わすように毎日黒づくめで生活しろとか、スターウォーズファンにとっては、その程度のことだけど、少し指導させてもらったんだよ。」
ーそれは・・・なかなか大変ですね。ホネデンさんは大丈夫でしたか?
「何が?」
ーいえ、その、撮影中のプレッシャーとか・・・監督や周りのスタッフとのコミュニケーションとか・・
「ああ、そういえば、何度か入退院を繰り返してたかな?なんでも気持ちに余裕がなくなったとか、そんなことを言ってようだが。」
ーお察しいたします。
「そんなことはこの世界ではよくあることだよ。特に僕の関わる映画製作の現場ではね。だからそういうのは軽く流すようにしてるんだ。」
ーなるほど。その後、ホネデンさんは順調に撮影を終えられたんですか?
「完ぺきだったね。撮影が終わるまでは日本から「救心」を取り寄せて飲んでたみたいだけど、僕の圧力が効いたのか、それはもうまるでダーク・ホネダ―が服を着て歩いているのかと思わせるくらい、ダークで、陰鬱で、死にゆく罪人のような雰囲気を撮影終盤には漂わせていたよ。それだけの雰囲気があったからこそ、あの最後の感動のシーンが可能になったんだ。」
ー確かにあのシーンには感動させられました。
「あれこそが僕が最も撮りたかった場面だった。スターウォーズの究極のオマージュとは何たるかを表す象徴的なシーンだからね。あの場面を再現するためだけのホネデンには苦労してもらったんだ。他のマーシャルアーツの部分なんか、僕の動きで余裕でカバーできるから問題じゃなかったよ。」
撮影現場での苦労
ー撮影は10年という長きに渡りましたが、その間に苦労されたことはあったでしょうか?
「いろいろあった。出演俳優のスケジュール調整や、ギャラの問題、映画の世界観を表現するのに必要なデザインの選定・・・数えればキリがないね。」
ーその中で最も大変だったのは何でしょう?
「一番大きかったのは機材の確保だね。この映画の撮影には、実はあまりCGは使っていなくて、ほぼ実寸大のモデルや機材を使っていたんだ。たとえば、シャクレ―ルの砂漠で嵐が巻き起こるシーンがあったんだけど、ちょうどロケ場所だったアリゾナでは無風状態が何日も続いていて、決められた撮影の期限までには間に合いそうになかった。それで仕方なく超大型の工事用送風機をレンタルして風を人工的に作り出したんだ。」
ー写真を見せて頂きましたが、かなり大型の送風機でしたね。
「大きさに見合ったパワーも相当でね。実際に風を起こすと目の前が見えなくなるくらいに砂塵が巻き起こるんだよ。あんまり風がすごいんで、スタッフの何人かが行方不明になったくらいだ。」
ーえっ!それは大変な事故ですね!
「うん。結局見つかったのは、撮影現場から数百キロ離れた人家の煙突の中とか、上空を飛んでいたボーイング旅客機の翼に乗っかっていたりで、本当に事後処理が大変だったんだよ。」
ー皆さん、無事でしたか?
「幸い全員命に別状はなかった。全撮影期間を通じて、それが一番嬉しかったことだよ。」
ーほかに苦労されたことは?
「ロケ場所の確保も厳しいものがあった。特にシャクレ―ルの荒涼とした雰囲気を表現できる場所がなかなかなくて、そういった環境を探すのにコーディネーターには相当苦労をさせたと思う。」
ーコアラルの住んでいる山は雰囲気がありましたね。
「あれはチベットのラマで撮影した。国家間の問題があるので、かなタフな交渉になったけど、結果的にイメージ通りの映像が撮れてとても満足している。お礼にコアラル役のシャクレコアラを親善大使と称してホテルに置いてきたんだ。」
ー人形だったんですか?
「いや、彼は本物の人語が話せるコアラだよ。もちろん顎の部分はメイクでつけたんだけどね。最初は嫌がってたけど、ユーカリの葉をたんまり渡したらニヤリと笑って「ラジャーコアラ」と納得してた。撮影中は皆、苦労させられたからね。その罰の意味も込めてさ。」
ーユーカリの葉でよく納得しましたね。
「普段から素行の良くないやつだったから、そのへんの対応は「蛇の道は蛇」というやつでね。まあ、お礼の”ブツ”みたいなものさ。」
ーう~ん、なんだか意味ありげなユーカリの”ブツ”ですね。
「うん、これ以上は聞かないほうがいい(笑)」
出演俳優との交流
ー本作品では、主演を演じられた監督ご本人の他に、ダーク・ホネダ―役のホネデン・クリスティンさん、ヒロイン役のキャリー・ホネッシャーさん、ホネロ役のホネソン・フォードさん、ホネバッカ役のピーター・ホネヒューさん、人型アンドロイド役のアンソニー・ホネルズさんなど、錚々たるホネ映画界の面々が出演されていますね。
「とても光栄なことだよ。彼らの中には私の過去の作品にも出演してくれた人もいて、その意味では今回の撮影はすごくやりやすかったと思う。」
ー脚本にはあの名匠フェデリコ・ホネリーニ監督も参加なさっているとお聞きしています。
「そうなんだよ。ホネリーニとは40年以上の付き合いのある古い友人でね。同じホネ映画業界の古株として彼にもこのオマージュにぜひ参加してほしかったんだ。」
ー作品の端々に感じるノワールな雰囲気はホネリーニ監督の脚本が生きていたのですね。
「そう感じてもらえると嬉しいね。」
インタビューの最後に
ー最後になりますが、撮影現場での雰囲気を教えてください。
みんな気のいい連中ばかりだったから、本当に和気あいあいと過ごせた。素晴らしい撮影現場だったよ。あっ、アールイエローじゃないか(部屋に入ってくる)
ー本物のアールイエローですか?
「もちろんだよ。僕の隣の部屋で待機してもらってるんだ。アールイエローは人間ではなくて機械だから、メンテナンスが必要なんだよ。」
ー今作でも活躍していました。
「僕と一緒に逃げるシーンがあったりね(笑)彼にはいろんな場面で助けてもらって、人間の出演者以上に恩に感じているよ。このプロモーションが終わったら、特注のシェールオイルを整備ピットに贈るよ。」
ーでは最後に。これから「スケルトン・ウォーズ」をご覧になるファンの方々に一言あればお願いします。
「スターウォーズの公開がもうすぐですが、この作品もそれに負けないくらいにエキサイティングなものになっています。日本の皆さんにはうちの出演者が救心でお世話になっているので、その恩返しを作品でさせてください。」
(インタビュアー:イジ―ル)
【ジョージ・ホネルカス】
1944年生まれ。米カリフォルニア州ホネランド出身の映画監督、プロデューサー、俳優、武道家、脚本家。『ホネ・ジョーンズ』シリーズや『ホネ・マックス』などの世界的大ヒットシリーズの製作で名を挙げる。スティーヴン・ホネバーグ、ジェームズ・ホネロン、フェデリコ・ホネリーニと並んで、最も商業的に成功したホネ映画界の立役者である。
「Skelton Wars: The Return of Hone」
2019年・アメリカ・上映時間未定・監督:ジョージ・ホネルカス、製作総指揮:G・G・ホネブラムス、音楽ジョン・ホネリアムス、出演:ジョージ・ホネルカス、キャリー・ホネッシャー、ホネデン、クリスチャン、ホネソン・フォード、ピーター・ホネヒュー、アンソニー・ホネソン、ジョン・ホネエガ、ホネガ―・アイザック、アンディ・ホネキス、ホネラ・ダーン、ベニチオ・デル・ホネほか
配給:ホネマックス・ジャパン
◎1月12日より 全世界同時公開
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