バイクのエンジンオイルは、快適な走行とエンジン寿命を左右する重要なアイテムの一つ。
ただ粘度や規格、4スト・2ストの違いなど、車以上に選び方が難しいと感じるライダーも多いかもしれません。
今回はそんなバイクビギナーに向けた「バイク用エンジンオイルの基本知識から用途別の選び方、おすすめ製品10選」までを紹介します。
愛車の性能を最大限に引き出し、気持ちのよいライディングをサポートするために、ぜひ最後までご覧くだされ。
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バイク用エンジンオイルの役割と重要性
バイクのエンジンオイルには、潤滑・冷却・洗浄・防錆・密封という5つの重要な役割があります。
これらはエンジン内部の部品同士の摩耗を防ぎ、熱を逃がし、不純物を洗い流し、金属部品の腐食を防ぎ、適切な圧縮を保つために不可欠な役割。
特に高回転・高出力が要求されるスポーツバイクやツーリングモデルでは、エンジンにかかる負荷が大きく、高品質なオイルが不可欠です。
オイルが劣化すると、エンジンパワーの低下や燃費の悪化、最悪の場合エンジン焼き付きなどのトラブルを招く可能性もあるので、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
バイク用オイルの種類と規格
バイクの種類によって使われるエンジンオイルは異なります。
以下に違いをまとめておきますので、それぞれに適応したオイルを選ぶようにしてください。
▶️4ストローク/2ストローク
4スト用オイルはエンジン内部を潤滑しながら燃焼せずに循環し続けるのに対し、2スト用オイルは燃料と一緒に燃焼されます。
これにより、潤滑性能に加えて燃焼性・煙の出にくさも重要な選定基準となります。
▶️MA
一般的な湿式クラッチ車両に対応。
▶️MA2
MAよりも高摩擦特性が求められ、スポーツ走行にも最適。
▶️MB
摩擦が少なく、主にスクーターなど乾式クラッチ車両に使用されます。
▶️粘度(SAE)
オイルの粘度は"10W-40"のように表記され、前半の数字は低温時の粘度、後半は高温時の粘度を示します。
気温の変化やエンジンの構造に応じて適切な粘度を選ぶことで、始動性・保護性能のバランスを取ることができます。
バイク用エンジンオイルの選び方
エンジンオイルの選び方になります。
排気量、用途、季節などで使うべきオイルの種類が異なってくるので、自分の愛車に合ったものを選ぶようにしましょう。
✅排気量別
▶️原付〜125cc
空冷エンジンが多く、低価格な鉱物油や部分合成油でも性能を発揮します。
▶️250〜400ccクラス
やや高回転域を多用するため、部分合成〜全合成が安心。
▶️600cc以上の大型バイクやリッタークラス
高温高回転に強い全合成油(フルシンセティック)が推奨されます。
✅用途別
▶️街乗り・通勤通学
燃費やコストパフォーマンス重視。部分合成油で十分。
▶️ツーリング・高速走行
熱ダレしにくく、耐久性に優れたフルシンセティックが理想。
▶️サーキット・スポーツ走行
高回転・高負荷に対応したエステル系高性能オイルが最適です。
✅季節別
冬場は低温でも流動性のある"5W"や"0W"などを選ぶと、始動性が向上。
夏場は油膜が切れにくい"40"や"50"などの、高温粘度の強いものがおすすめです。
バイク用エンジンオイルおすすめ10選
ではここからエンジンオイルの紹介です。
おすすめのものを10点チョイスしたので、購入する際の参考にしてください。
MOTUL 7100 4T 10W-40
高性能フルシンセティックで、JASO MA2、API SN規格。
熱安定性と清浄性が高く、スポーツ走行にも安心。
リッターバイクや長距離ライダーに絶大な人気です。
YAMAHA Yamalube スタンダードプラス 10W-40
YAMAHA純正で信頼性抜群。
コストパフォーマンスに優れ、原付から中型スクーターまで幅広く対応できます。
普段使いにおすすめですね。
Honda ULTRA G3 10W-30
ホンダ推奨の定番オイルで、低粘度設計により燃費と冷却性に優れています。
街乗り〜ツーリングまで幅広く対応可能。
エンジンの始動性も高く、特に通勤・通学用バイクにおすすめです。
WAKO'S トリプルアール(TR)10W-40
モータースポーツ由来の高性能オイル。
シフトフィーリングが滑らかで、サーキットでも耐久性が高くなっています。
高回転を多用するライダーおすすめ。
Castrol POWER1 4T 10W-40
優れた加速性能と耐久性を両立。
通勤・通学・ツーリングすべてに万能な設計。
清浄分散性も高く、エンジン内部の汚れを抑えます。
LIQUI MOLY MOTORBIKE 4T SYNTH 10W-40
ドイツ製の高性能全合成油。
静かなエンジン音とスムーズなギアチェンジが魅力。
欧州車ユーザーからも支持が厚いです。
elf Moto4 Tech 10W-50
高温環境下でも安定した油膜を形成し、スポーツ走行に適応。
排気量の大きいバイクや夏場の走行にも強いです。
サーキット走行や峠道を攻めるライダーにも高評価を得ています。
スズキ純正 エクスター R9000 10W-40
スズキが開発したフルシンセティック。
GSX-RやVストロームなどに最適化された信頼の純正オイル。
シフトフィーリングが向上し、長距離ツーリングでも快適です。
A.S.H. PSE 10W-40
エステル系合成油で熱ダレに強く、長時間の高速走行や高温条件下でも安心。
スロットルレスポンスの向上を感じやすい。
カスタムバイクや旧車オーナーからも支持されています。
AZ MEG-018 10W-40(高性能全合成油)
リーズナブルながらJASO MA規格に準拠。コスパに優れ、ネット通販でも手軽に手に入るタイプです。
街乗りユーザーに人気。
初めてのオイル交換やセルフメンテナンスにも最適です。
オイル周りのセルフメンテナンスについて
エンジンオイルを交換したり、オイル部位のメンテに必要な豆知識になります。
自分で行う場合の基本的な内容を紹介していきますね。
オイル交換の目安と注意点
基本的な交換サイクルは3,000〜5,000km、または6カ月ごとになります。
高回転走行・サーキット走行・空冷エンジンなどは、より短いサイクルでの交換が望ましいです。
オイルフィルターも1〜2回に1度は同時交換を推奨。
ドレンボルトの締めすぎによる「ネジ山潰れ」には注意です。
2スト車ではオイルが燃焼されるため、残量のこまめな確認と補充が必要です。
古くなったエンジンオイルの処理方法
使い終わったエンジンオイルは、環境や法律に配慮して適切に処理する必要があります。
以下の手順を参考にして行ってください。
✅廃油処理ボックスの利用
▶️ホームセンターやカー用品店で販売されている「廃油処理箱」を使えば、自宅でも安全に処理できます。
吸収剤入りの箱にオイルを流し込むだけで、家庭ごみとして処分可能になります(自治体のルールに準ずる)。
✅バイク用品店・整備工場での引き取り
▶️オイル交換を依頼したショップで処理してもらうのが最も安心です。
DIY交換の場合でも、処理だけを受け付けてくれるお店もあります(有料または無料)。
✅不法投棄は厳禁
▶️古いオイルを排水溝や土に流す行為は法律で禁止されており、環境にも悪影響を与えます。
絶対に避けましょう。
よくある疑問と回答
最後に初心者の方が抱きがちな「素朴な疑問」についての回答です。
こちらもぜひ参考にしてください。
✅Q1:クルマ用オイルをバイクに使ってもいいか?
▶️A1:基本的におすすめできません。
特に湿式クラッチ搭載車は滑りの原因になるため、必ずバイク専用オイル(JASO MAやMA2)を選びましょう。
✅Q2:古いバイクにはどんなオイルがいい?
▶️A2:油膜保持性の高い粘度「15W-50」などがおすすめ。
鉱物油ベースも適しているケースがあります。
✅Q3:オイル交換を自分でやる場合の注意点は?
▶️A3:車種ごとのドレン位置、オイル量、フィルターの有無を事前確認しましょう。
廃油は専用ボックスで処理し、環境にも配慮を。
まとめ
バイクのエンジンオイルは、快適なライディングとエンジン寿命に直結する重要なパートです。
排気量や走行スタイル、季節に応じた適切なオイル選びで、愛車の性能を最大限に引き出すことができます。
今回紹介したおすすめ製品を参考に、愛車にベストな1本を見つけ、定期的な交換で快調な走りを維持していきましょう!