ヨーロッパのオートバイが登場する映画の紹介です。
バイクと言えばアメリカをイメージしがちですが、もともとはヨーロッパが本場。
1800年代にフランスの発明家が開発したのを皮切りに、ヨーロッパやアメリカで普及していくんですね。
アメリカでは広大な国土を車のように移動するために「ゆったりシート式」のバイクが発展する一方で、国土がそこまで広くなく、石畳が多い欧州では「前傾姿勢」のスピード重視バイクが普及していく流れに。
日本でもアメリカンバイクと共に「ヨーロピアンバイク」として「トライアンフ」が流行してましたよね。
もちろんトライアンフはヨーロッパのブランドです。
ヨーロッパのバイクと言えば「ドゥカティ、ピアジオ、アプリリア、トライアンフ、BMW、KTM、ノートン」が有名。
今回はこの中から5つのブランドが登場する映画とバイクを紹介していきましょう。
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ヨーロッパのバイクが活躍する映画5選
大脱走
1963年に公開されたアクション作品です。
第二次世界大戦のドイツ占領下の収容所で、収容された連合国軍の兵士が脱走を企てるという名作です。
主役は名優スティーブ・マックィーン。
自身もカーレースやバイクに情熱をもっていた人物で、映画の撮影でもバイクや車のシーンの多くをスタント無しでこなしていたといいます。
映画ではイギリスの老舗ブランド「トライアンフ」社のバイクが脱走シーンに使われていました。
「ボンネビルT100」というバイクで、歴史的な名車として名高いモデルです。
クラシカルなボディとともに2気筒のドルルルという力強いサウンドが心地よいですね。
ヨーロピアンバイクに代表されるフラットでクラシカルなスタイルが特徴的で、ハーレーのような「大陸的な」ワイルドさとはまた違った「都会的なワイルドさ」と感じさせてくれますね!
モーター・サイクル・ダイアリーズ
2004年に公開された作品です。
アルゼンチン生まれの革命家で、キューバ革命のゲリラ指導者として有名なチェ・ゲバラの若き日の旅記録を描いています。
南米を友人二人とバイクで旅をしていくのですが、序盤に使われていたバイクがノートン500というモデルです。
ノートンは1800年代に創立したイギリス最古のバイクメーカーの一つで、レースモデルのバイクを多く製造しています。
バイク産業の栄枯盛衰により、ノートンブランドは何度も様々な企業に買収されていきながらも継続し、現在はインドのTVSモーターが保有しています。
映画はいかにもロードムービー的な宣伝効果がありましたが、実際には序盤ですぐにバイクが壊れてしまい、後はヒッチハイクをしたりバスに乗ったりして、ゲバラが旅を続けるという内容。
「なんじゃ!」と思いましたが、内容自体は良かったので、映画自体は面白かったです。
バイクムービーとしては少し残念な結果になりましたが、それでもゲバラがノートンのクラシカルなヨーロピアンバイクに乗って走る姿はカッコよかったですよ。
トライアンフと似た外見とスペックで、T字型のハンドルと大きな目玉のようなライトがいい感じでレトロ感を出していますよね。
国産モデルで言えばヤマハの「SR」がこの系譜に属していて、私のバイク時代の友人にも乗っている人がけっこういましたね。
シュポポポ、ドルゥゥゥという乾いたエンジン音が印象的ですね。
マトリックス:リローデッド
2003年に公開された「マトリックス」シリーズ2作目の作品です。
映画ではヒロイン役になるトリニティ(キャリー・アン・モス)が高速道路で乗り回すカッコいいバイクがドゥカティ。
イタリアのバイクブランドで、親会社はランボルギーニになっています。
レース仕様のバイクとして有名ブランドですが、一般向けにも発売されていますね。
ボディはレプリカ仕様のものが多い印象ですが、どれも見た感じは「スタイリッシュでクール」というところ。
さすがは美と芸術の国イタリアのバイクという感じですね。
同じヨーロピアンバイクでもイギリスの無骨なスタイルと比べれば、ドゥカティのそれは人とロードの一体感を重視したスタイリッシュさが強めですね。
ちなみにこの映画で使われているバイクは「DUCATI 996」です。
実際に販売されたモデルは「Ducati 998 Matrix Edition」になっています。
ミッション・インポッシブル(ローグネイション/フォールアウト)
バイク好きのトム・クルーズ主演の人気シリーズです。
トムといえばトップガンのカワサキ「NINJA」が有名ですが、ミッションシリーズではBMWがよく使われています。
BMWが映画のスポンサーだった「ローグネイション」(2015)と、次作の「フォールアウト」でBMWバイクがカーチェイスのシーンでカッコよく使われていますよね。
ローグネイションでは「S1000RR」が、フォールアウトでは「Rナインティ スクランブラー」が縦横無尽に活躍しています。
BMWバイクの最大の特徴は「長時間のライディングでも疲れにくい設計」がされているところ。
ワイドな車体から生み出される安定感、安定した座り心地のシート、走行時に体に当たる風を極力抑えるウインドシールドなど、「長距離でも疲れない」仕様が光っています。
ネット上のレビュアーの間でも「走行性や取り回しの良さは抜群」ということで、さすがは精密機械の母国ドイツのブランドだけのことはありますね。
BMWはもともと航空機のエンジンを製造していたメーカーだったこともあり、エンジン部分の工夫も「安定性」を重視した取り付けになっているようです。
映画での走行もスタントマンの優れた技術もさることながら、BMWバイクの抜群の安定感がそれを可能にしていたということですな!
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ローマの休日
1953年に公開されたオードリー・ヘップバーン主演の恋愛映画です。
ご存知の通りにロードムービーでは全くないのですが、ローマの街をお洒落なスクーターで走り抜けるシーンは有名ですよね。
そう。
このスクーターこそがピアッジオ社の代表モデル「ベスパ」です。
ピアッジオはイタリアのバイク・自動車メーカーで、オートバイブランド7つ保有しており、ヨーロッパでは最大のオートバイ産業で世界でも4位のシェア率を誇ります。
その代表モデルがベスパなのですが、ピアッジオ社はあまり耳にしたことがありませんよね。
もともとは船舶パーツのメーカーで、その後、鉄道や航空機のエンジンを製造するようになっています。
同社の代表モデルであるベスパの歴史は意外に古く、1946年に最初の販売が行われています。
映画ではヘップバーンが新聞記者役のグレゴリーペックを後ろに乗せて走るシーンが有名ですよね。
お洒落なバイクで華のある女優さんを載せても存在感が褪せることのない「キュート」さを併せ持っています。
映画以外では1970年代後半の日本のテレビドラマ「探偵物語」でも、松田優作さんが乗っていて、むしろそのほうが自分的に印象が強いという(笑)
なのでベスパといえば「マッシティ、マッ、マッ、シティ、マッシティマーッド」という主題歌のフレーズが頭に浮かんできちゃいます。
ちなみにベスパを製造するピアッジオ社は日本と関係性が深く、経営危機に陥った2003年頃に日本式の生産ライン体制を導入し、経営内容も改善して収支を改善、さらに2021年にはホンダ、ヤマハ、KTMの3社と共同で電動二輪車のUNECE規格に沿った互換性のある「交換式バッテリー」の共同開発事業を立ち上げると発表しています(「ピアッジオ」より)
まとめ
ヨーロッパのバイクブランドが登場する映画を5つ紹介してみました。
ヨーロッパのバイクはアメリカンタイプと違って味があってお洒落ですよね。
どちらかというと日本のスタイルに近いですし、イタリアのブランドになるとさらに「スマートさ」が際立つように思いますね。
今回取り上げたイギリス、ドイツ、イタリアのブランドはどれも歴史と伝統をもつ由緒正しいメーカーであり、そのブランドクオリティと走行時の安定性が映画でも愛用される理由なのかなと思っています。
私個人はアウトドア好きなのでアメリカンバイク派なのですが、街中を乗る分には小回りの利くヨーロッパバイクがおすすめかもしれませんね!