
腕元に巻かれた高級腕時計は、単なる時刻を知るツールを超え、身にまとう人のスタイルやステータスを語るラグジュアリーな存在です。
今回の記事では、
✅世界最高峰の機械式時計ブランド、
✅ファッション/宝飾ブランドが手がけるスタイル重視の腕時計、
✅女性への贈り物や自身へのご褒美としてふさわしいブランドモデル
という3つの視点から、「自分用・ギフト用に押さえておくべき高級腕時計ブランド」を紹介。
40~50代を中心とした大人の男性・女性それぞれに向けた選び方・魅力もあわせてお伝えしますので、ぜひ腕元の“格”を高める一品との出会いに活用してください。
本格派が選ぶ“世界トップクラス”の高級時計ブランド

高級腕時計の世界で「本物」を求めるなら、まず押さえておきたいのが長い歴史と高い技術力を持つ本格派ブランドです。
厳密な精度、卓越した仕上げ、複雑機構へのこだわり——どれも大量生産では決して実現できない職人技の結晶。
ここでは、世界三大時計ブランドを中心に、時計愛好家たちが“頂点”として認めるハイエンドブランドを紹介します。
一生に一本、究極の腕時計を求める方にふさわしいラインナップです。
パテック・フィリップ

1839年にポーランド人のアントニ・パテックとフランチシェック・チャペックによって創業されたブランドです。
高級腕時計ブランドとして世界最高レベルで、世界3大高級時計メーカーの中でも頭一つ飛びぬけた存在感を放っています。
1851年に英国のヴィクトリア女王が同社の懐中時計を購入したことから、その名声を一気に高めたとされています。
ブランドを表す高級志向の一つに「自社ブランドのものであれば、それがいつの時代の時計でも問わずに修理する」サービスがあり、「一生付き合うに値するブランド」として顧客から厚い信頼を集めているということ。
また多くの工程を熟練職人の手作業で行うことで、世界最高レベルのクオリティを保つ伝統のこだわり。
代表的なモデルはコンプリケーション、アクアノート、ノーチラス。
時計の外観はシンプルでエレガントさに満ちており、腕に巻いておくだけで優雅さをまとうことができます。
成功を果たした中高年世代にぴったりな空気感をもつブランドですね。
「パテック・フィリップ・ミュージアム」(時計博物館)をジュネーヴ市内に設立しており、私企業の範疇を越えた「スイス時計文化の継承者」としての誇りと責任感がブランドを更なる高みに引き上げています。
オーデマ・ピゲ

1875年にジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲによって設立された高級時計ブランドです。
高級時計ムーブメント製作会社としてスタートし、その後も着実に世界的ブランドとしての地歩を固めて、現在ではパテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンとともに世界三大高級時計メーカーの一つに数えられるブランドになっています。
そんなオーデマ・ピゲは海外セレブにも多くのファンが存在し、多くの俳優やミュージシャンの腕元を優雅に飾っています。
ステンレススチールを素材とした高級スポーツウォッチ「ロイヤルオーク」を代表格として、シンプルで落ち着いたデザインと優れた機能性を兼ね備えたクロノグラフシリーズが魅力。
身にまとうことで洗練された雰囲気を味わうことができる逸品ですね。
ヴァシュロン・コンスタンタン

1775年にスイスのジュネーブで創業した世界最古の高級腕時計ブランドです。
24歳の時計職人だったジャン・マルク・ヴァシュロンから始まり、ブランドを世界レベルに作り上げた経営者フランソワ・コンスタンタン、高度な技術力でブランドをさらに高みに挙げた職人ジョルジュ・オーギュスト・レショーの3人が同ブランドの立役者として、今でもその歴史に名を刻んでいます。
ブランドの特徴は「世界一複雑な時計」という称号を持つこと。
永久カレンダー、ミニッツリピーター(音で時刻を教えてくれる機構)、トゥールビヨン(姿勢差によるズレをキャンセルする機構)などの機構を美しいデザインで精巧に組み合わせています。
懐中時計で採用された複雑な機構を腕時計に組み入れているため、そのスタイルは優美でクラシック。
ブランドの代表モデルである「パトリモ二―」「トラディショナル」はまさにそのスタイルを体現しているコレクションになっています。
私が身につけるのであれば、私服にもスーツにも合う、以上の2つのモデルになると思います。
あまりカジュアルな服装は似合わないので、ちょっといい感じの場所に出かける時のジャケット、襟付きシャツとの組み合わせにGOOD!ですね。
さらに近年では愛好者からの注文を受けてオーダーメイドで時計を制作する「レ・キャビノティエ」も発足。
古き良き時計文化の継承だけではなく、ユーザーの細やかなニーズを捉えていくサービス精神も一流ですね。
A・ランゲ&ゾーネ

旧ザクセン公国の宮廷時計師の技術を継承したアドルフ・ランゲが1845年に創業したブランドです。
ドイツのエルツ山地に工房を開き、当時鉱山の廃坑で困窮していた地元の人々を雇ったことで、同地で時計文化が花開きます。
その後もアドルフの技術は子や孫に継承されていきますが、1948年に冷戦の影響で東ドイツが共産化したことで、ブランドは一時停止に。
しかしそれが幸いし、地道ですが共産諸国をマーケットにして、古くからの時計技術と後継者が継承されていきます。
冷戦後に再びブランドは復活し、市場経済のうねりに流れ去れることなく、綿々と受け継がれてきた古くからの時計文化が花開き、伝統と格式を保ったクラシカルな同ブランドの持ち味が現在のA・ランゲ&ゾーネの持ち味に繋がっていくのです。
そんなA・ランゲ&ゾーネの最大の特徴は「熟練職人の徹底した手作業」。
ザクセン公国以来の伝統の技術を継承し、全てを丁寧に精密に仕上げ、全ムーブメントを「一度バラして」二度組みする精巧さが他ブランドの追随を許しません。
代表するモデルは「ランゲ1」「サクソニア」「1815」「ツァイトヴェルグ」「リヒャルト・ランゲ」「オデュッセウス」「複雑時計」の7種。
ブランド唯一のスポーツモデル「オデュッセウス」以外は全てレザーのバンドを使用しており、それがまた歴史あるドイツブランドの格式を感じさせてくれますね。
実直でクラシカルなスタイルが古く良きドイツの伝統を感じさせてくれる「時の流れを感じさせてくれる腕時計」になっています。
ブレゲ

スイス出身の時計師アブラアン・ルイ・ブレゲが、1775年にパリのシテ島で創業したブランドです。
不世出の天才時計師として名高かったブレゲは、それまでになかった新しい時計の技術を生み出していきます。
トゥールビヨン、自動巻き機構のペルペチュアル、テンプの耐衝撃装置パラシュート、先端にリングを備えるブレゲ針、アラビックのブレゲ数字、ダイヤルのギョシェなど、時計機構からデザインまで素晴らしい発明を次々と成し遂げてきました。
そんな天才時計師の顧客には王侯貴族が多く存在し、フランス国王の従兄弟であったオルレアン侯爵、史上有名なフランス国王のルイ16世と王妃マリーアントワネット、ナポレオン、ナポリ王妃のカトリーヌ・ミュラなど、綺羅星のごとくの大富豪及び権力者が名を連ねています。
現在も創業時からの顧客名簿がミュージアムで大切に保管されており、歴史を重んじるブレゲの企業姿勢を垣間見ることができますよ。
そんなブレゲのブランドはまさに「貴族のための腕時計」。
代表されるモデルは「マリーン」「トラディション」「クラシック」「グランド・コンプリケーション」「ヘリテージ」「タイプXX」の6種です。
優雅なドレスウォッチがコレクションの多くを占めていますが、タイプXXのようにフランス海軍航空隊のために制作された航空クロノグラフもあり、機能性とタフさを兼ね備えた腕時計モデルも追求しています。
私も体を動かすことが好きですし、マリンスポーツも好みですので、海の波をデザインした「マリーン」「タイプXX」をぜひいつか手に入れたいと思いますね!
スタイルで選ぶ!ラグジュアリー・ファッションブランドの腕時計

高級腕時計は必ずしも機械式の本格志向だけではありません。
ファッションブランドやジュエラーが手がける一本は、ドレススタイルからカジュアルまで、コーディネートに「品」と「華」を添える存在として人気を集めています。
デザイン性の高さはもちろん、ブランドの世界観がそのまま腕元に宿るのも魅力。
ここでは、美しさ・ファッション性・アイコン性を重視する大人におすすめのラグジュアリーブランドを紹介します。
ブルガリ

イタリアを代表する高級ジュエリーブランドです。
宝飾をベースとしてファッションにもブランドのレンジを伸ばしており、腕時計は1977年に発売した「ブルガリ・ブルガリ」でデビューしています。
ブルガリのブランドとしての特徴は「華やか」「ラグジュアリー」ですが、腕時計にももちろんそれが採用されています。
伝統の宝飾業で培われてきたデザイン性を生かして、華美になりすぎす、それでいて高級さと気品を残した美しいフォルムは目にするだけで「ブルガリ」感を醸し出しています。
外観のラグジュアリー感だけでなく、腕時計としての機能やデザインの更新も併せて追求していて、毎年のように進化を続けています。
2014年には世界最薄の手巻きトゥールビヨン(重力分散装置)を搭載した「オクト・フィニッシモ・オートマティック」を発売していますし、2018年にはケース厚が僅か3.95mmの「オクトフィニッシモ・トゥールビヨン・オートマティック」を発表、そして2022年の最新作では、さらに世界最薄モデルの「オクト フィニッシモ ウルトラ」がリリースされています(厚さ1.80mm!)
デザインの優美さと合わせながら進化し続けてきたブルガリの「最薄」へのこだわりは、恥ずかしながらそこまで腕時計に造詣が深くない自分からすれば「なぜ?」な思いなのですが、世界的ブランドが追い求めて続けているとなれば、そこにはきっと顧客からの支持やライバルブランドとの競争に打ち勝つ目的というのもあるのでしょう。
個人的には「最薄」は横に置いて置いて、単純にデザイン性だけでいえば「オクトフィニッシモオートマティック」が最も美しいと感じます。
価格的にも167万円と、一般人でも無理をすれば購入できそうなレンジであるところが嬉しいですね。
カルティエ

世界屈指の宝飾ブランドです。
1847年に宝石細工師ルイ=フランソワ・カルティエが創業した歴史ある高級宝飾ブランドとなっており、パリから始まったブランドの歴史は進化を続け、現在ではレザー、腕時計、筆記用具、ライターまで幅広い商材を誇るに至っています。
そんなカルティエは実は腕時計のパイオニアとしても有名です。
1904年に飛行家のアルベルト・サントス・デュモンから「操縦桿から手を放さないで時計を見られるように」と依頼を受けて、世界初の男性用腕時計「サントス」を開発したのが「メンズ腕時計」の始まりだとされているからです。
さらには1917年に第一次世界大戦の勝利を受けて「戦車」をモチーフにした「タンク」モデルが発表されています。

両モデルとも現在までカルティエの代表作として歴史が受け継がれており、「タンク マスト」(価格:361,900円)、「サントス デュモン」の限定モデル(価格:748,000円~2,336,400円)が発表されています。
時計の機構としては、「サントス」「タンク」ともにはシンプルなムーブメントや優れた防水加工がありますが、それ以上にスマートなデザイン性が特筆されるべきだと思います。
優美なフォルム、高級感を醸し出す革ベルト、クラシカルな時計の針、主張しすぎないミニマムなサイズなど、さすがは世界屈指のファッションブランドが手掛けたモデルだけあって、身につける側のスタイルを想定したデザインに仕立て上げられていますね。
特にスーツすごく似合うと思いますので、海外の顧客との商談の際に身につけておくと話が弾むきっかけになるかもしれませんよ。
ルイ・ヴィトン

世界的なファッションブランドの一つです。
創業は1854年と古く、当初は旅行用鞄の専門店としてスタートしました。
扱う商材はブランドの起点である「バッグ」「トランク」を始め、財布や小物、アクセサリー、シューズ、服、腕時計、香水など、ファッションに関するものは幅広くあります。
その中でも腕時計は比較的に新しく、2002年に発表した「タンブール」でデビューしました。
タンブールの名前の由来はフランス語で「太鼓」のことで、その名の通りに太鼓のような独特のケースを模したモデルになっています。
円形の美しいフォルムとすっきりした時計表面のデザインは、ルイ・ヴィトンのロゴと相まって「シンプルな美学」を感じさせてくれます。
正統派のタンブールが「シンプルさ」を前面に押し出す一方で、次々に出される新作モデルでは従来のモデルにはない斬新なデザインを導入して、ブランドの飽くなき挑戦を見せてくれています。
腕時計の機能的な特徴は「自動手巻き」「GMT針による第2時刻帯を表示」などが挙げられます。
とはいえ、他のファッション系ブランドと同様に、これらのブランドの腕時計モデルの真の価値は腕時計の機能にあらず。
ブランドの真骨頂である「デザインへの飽くなきこだわり」「ブランドが代々伝えてきた美学の継承」こそが最大の魅力であり、見るべきポイントだと思いますね。
女性へ贈る“間違いない”高級腕時計ブランド

大切な女性に贈る腕時計は、デザイン性だけでなく、毎日の装いに自然に馴染む“上品さ”が求められます。
特に40〜50代の男性から女性へ贈る場合は、ブランドの格、普遍的な美しさ、そして長く愛用できる品質が重要なポイントです。
ここでは、ジュエリーとしての魅力も備え、年代を問わず喜ばれるラグジュアリーブランドをセレクトしました。
パートナーや家族へのプレゼント、自分へのご褒美にも最適なラインナップです。
カルティエ

「王の宝石商であり、宝石商の王」と称されたフランスはパリの名門ジュエリーブランドです。
腕時計の製造は19世紀中ごろから開始し、その美しいデザインとジュエリーを散りばめた機構により、王侯貴族から絶大な支持をえてきました。
近代に入ってからは紳士用腕時計のパイオニアとして「トーチェ」「タンク」「パシャ」などの名作を発表し、腕時計の歴史に名を残すほどの偉業を成し遂げています。

そんなカルティエが贈る女性用の腕時計は伝統の「美学」に則った「エレガント」かつ「スタイリッシュ」なデザインが魅力です。
「パンテール ドゥ カルティエ」、「ベニュワール」、「タンク」など、気品と美しさと伝統を感じ取ることができる名品には目を奪われます。
価格は40万円前後から300・400万円まで幅広いレンジになっています。
「カルティエ」ならではの最高級のエレガントさが魅力ですね。
ブルガリ

ギリシャ系のイタリア人、ソティリオ・ブルガリが1884年にイタリア・ローマでスタートした高級宝飾品ブランドです。
腕時計の歴史は比較的最近で1977年に「ブルガリ・ブルガリ」でデビュー。
1980年代にはスイスに時計専門ブランド「ブルガリタイムス」を設立し、本格的に腕時計の製造に取り組み始めます。
ブルガリの最大の特徴は「世界最薄」と呼ばれる「薄い時計」のデザイン。
さらに手巻き式トゥールビヨン、ミニッツリピーター、自動巻き、自動巻き式トゥールビヨン、自動巻きクロノグラフ、トゥールビヨン・クロノグラフなど6つの薄型で世界記録を達成しています。
そんな技術力の高さもさることながら、ブルガリをブルガリたらしめているのは、なんといってもそのシンプルな「美しさ」でしょう。
美しい宝石のように無駄のない、洗練されたデザインの美しさは、メンズ・レディース共に目を奪われます。
美と技の究極の融合体であるブルガリのレディースモデルは「セルペンティ」「ディーヴァ・ドリーム」「ブルガリ・ブルガリ」の3つ。
セルペンティはまるで蛇のような妖艶な美しさ、ディーヴァ・ドリームは豪華な宝石のような美しさ、ブルガリ・ブルガリはシンプルで無駄のないブルガリ伝統の機能美など、それぞれの魅力が際立っています。
価格帯は30万円前後から300万円まで幅広くあり。
ブルガリならではの「宝石のような美しさ」が似合う女性にぜひ。
シャネル

1909年にフランス人ファッションデザイナー、ココ・シャネルが創立したフランスのファッションブランドです。
女性向けのファッションデザインを中心に手掛けているため、そのデザインはかなりブティック風。
カルティエやブルガリのようなラグジュアリー寄りではなく、より「ウーマンリブ」的な「自由」「革新」な気風をブランドのコンセプに感じます。
1987年に「プミエール」で腕時計界に参入したシャネルは、2000年に発表した「J12」でレディースブランドの域を越えた普遍的なデザインを披露します。
スポーツウォッチとしてデビューを飾ったJ12は、男性がつけても違和感がまったくないモデルで、漆黒のカラーリングに自動巻き、高耐性セラミックケースといった機能性を持ち合わせています。
そのデザインは20年を経過した現在も変わっておらず、今でもシャネルの代表的腕時計モデルとしてブランドに君臨。
まさに「現代の強く自立した女性」を具現化したような、硬質なデザイン性が魅力ですね。
シャネルは他にも革新的なデザインのレディース腕時計を発表しており、デビュー作の「プルミエール」や「ボーイ・フレンド」など、シャネルのシグネチャーカラーである「白と黒」をあしらったモードなデザインが、多くのセレブの支持を受けています。
価格帯は40万円前後から100万円前後と、前述の高級ブランドに比べて比較的に割安になっていますね。
シャネル独特のスマートな魅力が似合う女性にぜひ。
まとめ
高級腕時計ブランドは、技術力・デザイン・歴史・所有する喜びなど、選ぶポイントがブランドごとに大きく異なります。
今回紹介した3つのスタイルは、世界のだれもが認める正統派のブランドとして、その価値は世界に等しく認められていると思います。
その分、お値段はなかなかのものになりますが、文中で提示した「一覧を見る」リンクの先の腕時計ショップでは、中古販売も行っていますので、良ければそちらをチェックしてみてください。
腕時計は“時間”ではなく“人生”を刻むもの。
ぜひ長く愛せる一本を選び、日々の相棒として育ててくださいな^^
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