往年の香港映画が誇る「カンフームービーおすすめランキング」です。
70年代から80年代初頭にかけて時代を熱く彩ってくれた、歴戦のカンフームービーたち・・・
80年代に小学生だった自分にとっては、水野晴男さんの「金曜ロードショー」や高島忠夫さんの「ゴールデン土曜洋画劇場」、淀川長治さんの「日曜洋画劇場」で繰り返し再放送されたジャッキーチェンの「モンキーシリーズ」はまさに「憧れのアイコン」そのものでしたよ。
もうこの時点でランキングの答えを明かしているようなものですが(笑)、もちろん上に挙げた作品以外でも私の心を熱く燃え上がらせてくれたカンフー映画はありますよ。
ということで、70・80年代に公開されたカンフー映画マイベストランキングを紹介していきましょう!
Check!!ジェームス・ボンドのファッションブランド
Check!!ロック&バイクファッションブランド
*本サイトの記事内に広告が含まれる場合があります
香港カンフー映画ベストランキング
1位「クレージーモンキー笑拳」(1979年)
ジャッキー・チェン主演の「モンキーシリーズ」最終章です。
このシリーズの定番ワードは「努力」「修行」「勝利」。
まさに当時流行った少年ジャンプのノリですよね。
そしてこういう単純なストーリーのほうが少年の心に響くんですよ。
笑拳の主人公が師匠を倒した敵と戦うために修行をして、最後は復讐を遂げるというストーリー。
当時のカンフー映画ではありがちな展開ですが、ジャッキー好きな少年の目にはそれが熱く映って仕方がなかったという。
しかも笑いながら敵と戦うというコミカルな展開がなかなかに心掴まれましたね~
何より音楽がいい!
敵に圧倒されそうになって「もうこれまでか!」という時に突然見せる「笑み」。
それは「やぶれかぶれ」の諦め笑いではなくて、今まで鍛えに鍛えてきた笑拳を見せる合図だったのですよ。
そのときにかかるのが「クレイジーモンキー、フゥーウフー」という、やたらと陽気なあのBGMなのです。
この瞬間にスイッチが入ったジャッキーの強さ発揮のシーンがまさに「ヒーローの反撃!」という感じで、ものすごく興奮しました。
それから何度見ても、同じシーンでワクワクしたものです。
どんな攻撃を受けても、文字どおり「笑い」ながら「脱力」していなす描写は「あ~笑いで力を抜いて相手の攻撃を流すというのは、実はけっこう使える手なのかもしれないな」と納得しましたよ。
最後は笑わずに「えげつない」倒し方をしたのですが、それもすべて「師匠を倒した敵への憎しみ」から来るものだと、子供心に理解していました。
それでもあのとどめの仕方は男として「きっついな・・」と同情していましたよ(苦笑)
モンキーシリーズで最もカタルシスを感じた「笑拳」。
自分の中では一番好きなカンフー作品ですね!
クレージーモンキー笑拳レビューとジャッキー映画で学んだ修行法の紹介
続きを見る
2位「ヤングマスター」
ジャッキー・チェンのカンフー映画の集大成といえる作品です。
ジャッキーは若い頃から多くのカンフー映画に出演してきましたが、この作品で時代劇的なカンフー映画を卒業することになります。
そんな彼の卒業作品ともいえるヤングマスターはとにかく「戦い方が物凄い」に尽きます。
というか、敵ボスの無双ぶりが圧倒的で、正直まともにやっても絶対に勝てない強さを誇っていたんですよね。
でもそれを「タバコ入りの酒を飲む」という荒業で肉体を麻痺させ(痛みを感じなくなった)、敵ボスを超える無双ぶりでついに倒すという流れでございました。
正直、それまでのストーリーとかは全く覚えていません。
印象に残っているのは「捕らえられていた敵ボスが脱出するシーン」「ジャッキーとの一騎打ちのシーン」の2つ。
この敵ボスの武術はそれまでのジャッキーの敵と違って「関節技」を多用するというところ。
なので子供の頃はそこまで面白いと思わなかったのですが、武道を習い始めた学生時代に急激に興味をもって、最後の戦いで敵ボスが使う技をストップモーションで何度も研究したものですよ。
敵ボスの武術の技が凄い!ということ、それを超える禁断の技で打ち勝ったジャッキーが面白かったということで、この映画は今でも心に残る名作でありますよ。
3位「燃えよドラゴン」
ブルース・リー主演のカンフー映画です。
もうこれは伝説というか、カンフー映画の金字塔というほかはありませんね。
ブルース・リーという人がいなければ、ジャッキーは出てこなかったでしょうし、その後に作られたカンフーアクションが全く違ったものになっていただろうことが想像できますよね。
それくらい香港映画の「それ以前・それ以降」の分け目となった名作でありますが、実は私は子供時代はまったく関心はありませんでした。
私が育った80年代にはすでにブルースリーは亡くなっていましたし、時代はすでにジャッキーチェン一色だったことも大きいですね。
それ以上に作られる作品の色あいが「シリアスすぎた」ことも魅力を感じなかった原因だと思います。
ジャッキーのカンフー映画は基本「コミカル」ですからね(初期作品を除く)
でもですね、ある程度大人になってみて見ると、これはすごい「引き込まれる」んですよ。
ブルースリーの超人的な肉体美とキレのあるアクション、そしてあのヌンチャクのシーン!
ジャッキーの「抜け感」とは真逆の「ガチ感」が、少年期を終えて武道を習い始めていた10代の自分の「マーシャル・アーツ心」を思い切り掴んでくれたのですよ。
音楽も良いですね。
ジャッキーのモンキーシリーズのBGMもすごく良いですが、燃えよドラゴンの劇中BGMには今でも心を熱く燃え滾らせてくれます。
伝説の男と伝説のアクション、そして伝説の映画音楽!
すべてがレジェンド級の作品ということで、トップ3に入れさせてもらいました!
永遠のカリスマヒーロー!ブルース・リーの「燃えよドラゴン- テーマソング」
続きを見る
4位「ドランクモンキー酔拳」
ジャッキー黄金期のカンフー映画です。
モンキーシリーズの中では最も人気の高い作品ですね。
人気の秘密はジャッキーに修行をつけた師匠にあると思います。
蘇化子と呼ばれる伝説の使い手が実はかなりの酔いどれジジイで、酒を欠かすと手が震えるアル中であることも子供心にも笑わせてくれましたっけ。
そんなどうしようもない師匠なんですが、これがめちゃくちゃ強いという設定。
実在の人物をモデルにしたということですが、こんなお爺ちゃんがいたら、ぜひ自分も一献交わして技を教えて欲しいですよ。
この師匠と名コンビを組む主人公のジャッキーは「ドラ息子」で、調子に乗って暴れ回っているうちに「リアルな使い手」に目を付けられてシバかれます。
そしてこの使い手が後に自分の親父の経営する道場を乗っ取ろうとするライバルに雇われて、御家存亡の危機に瀕するというストーリーになっています。
もちろん最後は師匠の修業に耐えきった成果が発揮されて勝利。
敵ボスのキャラクターはクールでなかなかにカッコ良かったのですが、無影拳にはさすがに「それはないやろ!」と小学生ながらにツッコミをいれてましたね笑(両手を振り回すだけやないかと)
個人的に一番良いなと思うシーンは修行の場面。
酒樽から小さな椀で中の水を腹筋しながら入れ替えていく鍛え方は、是非今でも一度実現したいと思いますね。
5位「死亡遊戯」
ブルース・リーの遺作となった作品です。
敵を倒しながら塔を上がっていき、最後に敵ボスを倒すという、ゲームにも使われる「クリア式アクション」の走りともいえるかなと思います。
この映画のブルース・リーはすでに大スターで、立ち姿もアクションもまさにカリスマそのものでした。
とくに圧巻だったのは、身長2メートルを超す大男の黒人とのバトル。
ブルースの身長は170㎝あるかないかなので、普通に戦っていてはリーチが違い過ぎるので攻撃が届きません。
しかしそれを跳ねのけるかのようなハイキックで相手を圧倒していく様は、同じような身長の自分的にもすごく勇気を与えてくれたことを記憶しています(なんの勇気だ笑)
ただブルースはこの映画の撮影中に亡くなっているんですよね。
なので途中からスタントマンが戦っていたということを後で知って、ちょっとがっかりしたことを覚えています。
それでも序盤までは本人のアクションが入っているので、それはそれである意味「伝説」かなと。
戦いの場と敵キャラの設定感がアニメや漫画、ゲームに多大な影響を与えたと思うので、その意味でも心の残るカンフー映画だと思いますね。
6位「スネーキーモンキー蛇拳」
ジャッキーチェン主演の「モンキーシリーズ」第一弾です。
コミカルさが売りのモンキーシリーズですが、他の2作品に比べるとちょっぴりシリアスで地味な印象がありますね。
冴えない主人公が武術の達人に鍛え上げられて、最後は敵に打ち勝つという王道ストーリー。
この映画を記憶に残らせているのは、ジャッキーの魅力というよりも、使っている武術の面白さです。
カンフーなんてまったく知らなかった子供時代に初めて「蛇」をモチーフにした武術を目にしたこと、その鍛え方がユニークだったこと(指立て伏せ、卵を指で掴むなど)などなど。
師匠役が酔拳の師匠役だった俳優さんで、この人が実に味わい深いんですよね。
スターウォーズシリーズのヨーダのモデルになったんじゃないかなと秘かににらんでいるんですが、ミニマムでユーモラスで毬のような動きが特徴的なんですよ。
小さいけど実はめちゃくちゃ強い。
あらゆるアクション系エンタメの定番ともいえる基礎を作ったのは、まさにこの師匠ではないでしょうか。
この作品が他の2作(モンキーシリーズ)と比べて地味だなと思う理由の一つは、敵役の鷹爪拳の使い手が真面目系だったこと。
酔拳はワイルドでクールでしたし、笑拳は悪徳そのものというワルな雰囲気を醸し出していたのに対し、蛇拳の敵は正統派なスタイルなんですよね。
なのでジャッキーの魅力はさておいて、やっぱり映画というのは良き敵キャラの存在が大きいのかなと感じてしまいます。
そんなあれこれを考えて、モンキーシリーズの中で最も低評価な作品となりました。
もちろん単体の作品としては優れた娯楽カンフー作品だと思いますよ。
7位「拳精」
ジャッキー主演のカンフー映画です。
他のカンフーものと違って「妖精が武術を教える」という設定がユニークな作品。
妖精のシーンで鳴るピコパコというデジタルサウンドが、当時流行っていた音楽シーンを意識していて時代を感じますよ。
武術の観点で言うと「五獣拳」が面白かった。
もともと拳法は色々なものをモチーフにしていて、なかでも動物はもっともよく武術の動きに取り入れられています。
映画で使われている5つの獣は「龍・蛇・虎・鶴・豹」。
それぞれの技を使う妖精が主人公に技を教えていく流れですが、このへんもマンガチックで子供心に親しみやすかったですね。
ただあのビジュアルは最初は不気味でしたよ?
白塗りで色とりどりのカツラを被っていて、その様が妖精というよりも「妖怪」に近いというか笑
後の洋楽にハマるようになって、この妖精と同じものを見たのが、ドクター&メディックスの「スピリット・イン・ザ・スカイ」という歌のMV。
ダンサーの見た目が拳精に出てくる妖精を思い起こさせてくれて、見た瞬間に「ピコパコ」というデジタルサウンドが頭の中で鳴り響きましたよ。
このあたりのくだりは歌のレビューにも書いているので、よければこちらもご覧くださいね。
【ドクター・アンド・ザ・メディックス】サイケなルックスに目を奪われた不思議なバンド!
続きを見る
ともあれ、この映画は数あるジャッキーカンフー映画の中でも、かなり異色のゴーストカンフー映画だと思います。
8位「龍拳」
ジャッキー主演の武侠映画です。
モンキーシリーズと並行して作られた作品だと思いますが、同シリーズとは正反対の「シリアスさ」に彩られていますね。
モンキーシリーズでジャッキーにハマった頃に、レンタルビデオか何かで借りてきて見た思い出。
道場に雇われて道場破りを倒していくというストーリーだったと思いますが、とにかく強いジャッキーが眩しかったですね。
それまでのコミカルさはすっかり影を潜めて、ひたすら真面目に敵と戦い続ける描写は普通に引き込まれてしまいましたから。
向かってくる敵のバラエティも豊かで飽きさせませんでした。
一番記憶に残っているのは、白い服に身を包んで鉄トンファーで向かってくる相手。
結構男前な俳優さんで、ちょっと氷室京介に似ていたので、鑑賞した当時から気に入っていた記憶がありますよ。
ジャッキーの二枚目ぶりとカッコよさがすごく良く出ている作品だと思いますね。
9位「燃えよデブゴン」
ジャッキーの兄貴分サモ・ハン・キンポ―が主演するカンフー映画です。
太っているけどやたらと動きにキレがある主人公が、敵をバッタバッタと倒していくストーリー。
これも子供の頃にテレビで見たのですが、とにかくサモハンの動きが凄かったという思い出があります。
それまでは体を鍛え上げたジャッキーにカンフーアクションを見慣れていたのに、ジャッキーとは比べるべくもない「太った体」なのに、体の切れと動きはジャッキーにも負けるとも劣らないという衝撃。
いやむしろ脂肪がある分だけ、動きが滑らかという印象すらありますね。
もともとブルースリーに敬意を表して作られた作品ということで、内容にもブルース作品のどれかにオマージュをかけているのかもしれませんね。
自分的には初めてサモハンの存在を知った名作だと思いますよ。
10位「カンニングモンキー天中拳」
モンキーシリーズの番外編という立ち位置の作品です。
正直この映画のストーリーはまったく覚えていません(こういうの多いですが)
唯一覚えているのは天中拳の技。
両手を後ろ横に突き出しつつ、片足を同じ方向に後ろで突き出す、あの独特のポーズは、実は相手の虚をつく動きだということ。
これが実際に使えるのかどうかは別にして(たぶんダメでしょうが笑)、コミカルな動きにみえて実は理にかなった風の技の流れに実に「心奪われた」のですね。
初めて見たのが小学生3年生の頃だったと思いますが、何度もこの技を練習してけっこうな練度に至った記憶がありますよ。
体を鍛え上げて実際の戦いで使うと以外に使えるのかも・・・
と、成人してから今なお妄想させてくれる、時を超えた名作であります。
まとめ
70年代・80年代に出てきた香港カンフー映画のお気に入りベスト10を紹介しました。
どの映画も自分にとっては思い出深くて、小学生時代の娯楽の大きな一つだったと思います。
とくにジャッキーの映画は、ものすごく自分の人生に大きな影響を与えてくれてですね。
ジャッキーのカンフー映画に触発されて体の鍛え方を覚えたり、ジャッキーのカンフー大百科を買ってそこに載っていた「ハイキックができるようになる足のストレッチ」を覚えて、その後実際にハイキックができるようになりましたよ。
武道を習い始めると、子供の頃に見よう見まねで覚えたカンフーの動きと鍛え方がすごく役に立って、他の練習生よりも早く技や体の使い方を覚えることができたのも、これ全てジャッキーのおかげかなと思っています。
そんなこんなで今でも心に残るカンフー映画たち。
今はもう見る影もない香港カンフー映画界ですが、ぜひともまた復活して、かつてのような面白くて笑えて心が熱くなるカンフー映画を世に送り出して欲しいと思いますよ!