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Gunsn Style

アクション

【ジョン・ウィック】犬好きは絶対に見るな!不死身の男の物語!

去年の10月に映画館で鑑賞した作品。

この少し前に別の作品を見に行ったときに、「ジョン・ウィック」の予告を見て「うぉー!アクションかっこええ!」と思ったのが、鑑賞を決めたきっかけですね。

銃をもったまま、流れるように敵を倒していくガンフー(ガンファイトとカンフーを融合した造語)と言われているアクションですが、これがかなり見ごたえがあります。

10年ほど前に、クリスチャン・ベール主演の「リベリオン」という映画がありましたが、これも銃とカンフーを織り交ぜた独特のアクションでしたね。

今回のキアヌが使うアクションも「リベリオン」のガンフーの流れを汲む動きをしていて、その意味では「ガンフーファイト第2弾!」的な作品になると思います。(アクションそのものは「リベリオン」の方が派手で面白かったですが)

内容的には、すべてを失った元殺し屋が組織に復讐を遂げるという、ありがちな展開なんですが、キアヌが演じるというところに新鮮さがあったし、「今度はいったいどんなキレのいいアクションを見せてくれるんだろう」とワクワクして見に行きました。

その結果はというと・・・

予想外にキレてる映画にビビった

でした(苦笑)

*続編の鑑賞レビューを記事の最後に紹介しています(2017年7月8日)

同行の女性にドン引きされた唯一の作品

男の僕的には全然オッケーな感じだったのですが、一緒に見に行った連れの女性が完全にドン引き状態で、劇場を出た後も「最悪のチョイスだね!」と散々なじられたという次第。

この原因ははっきり分かっています。(しかもこの女性は大の犬好きでした)

序盤に出てくるシーン。

そう。

鑑賞した皆さんならお分かりのはずのあのシーンです。

この子犬が・・・(涙)

あまり詳しく言うと、また読んでる人にドン引きされるので、控えめに言いますが、まあ要は、

元殺し屋のジョン・ウィックの亡き最愛の妻が残した子犬が偶然出会ったロシアンマフィアのクソガキに〇〇された上に愛車まで盗まれてしまうという哀しみのストーリー

なわけです。

可愛いですね~

こんなかわいいピーグル犬の子供なら、冷酷な殺し屋ならずともメロメロになって、一生懸命育ててしまいますね~

こいつらが

そんな幸せな日々を滅茶苦茶にしてしまった挙句に、元殺し屋の心の奥深くに封印されていた血も涙もない冷酷な殺人マシーンの本能を揺さぶり起こしてしまったわけですがな。

まずは奪われた車を取り戻しに行こうか

ということで、目覚めたジョンが最初に行った先が、街の車修理工場。

ここは昔ジョンも世話になっただろう工場で、扱う車もおそらくマフィア絡みのものが大半の訳ありな場所。

そんなところに向かった理由が、おそらく盗まれた自分の車がここに運ばれて、いろんな意味でクリーニングされるだろうことを予測してたから。

当然、ロシアンマフィアのクソガキどもも利用してましたとも。

しかし、そこはそれ。

その筋の稼業との商売がメインとはいえ、車屋の主人もバカじゃありません。

持ち込まれた車を見てすぐにジョンのものだと気づきます。

かつて伝説ともいわれた主人公ジョンのキラーマシーンぶりを知っていた主人は、即座にクソガキどもの「この車の持ち主変更その他の手続とかよろしく」な依頼を断ります。

さらにクソガキのリーダーの顔面を思い切り殴りつけて、

「ふざけんな!この車が誰のものか知ってるのか?さっさと帰れ、馬鹿ガキども!!」

と啖呵を切って追い返したのでした。

かくしてジョンが車屋に到着したときは、すでにクソガキどもはすごすごと帰ったあとで、肝心の車こそなかったものの、代わりに一杯ごちそうになって、代車を一台借り受けたのです。

ちなみにこの車屋の主人は、かつて「ランド・オブ・ザ・デッド (字幕版)」で警備隊長を演じていたコロンビア出身の俳優ジョン・レグイザモ。

この人のやんちゃな風貌はけっこう好きで、実際に若いころに相当の無茶をやってきたんだろうなあというのが、雰囲気から速攻で伺えます。

そんなレグイザモの演じる裏の車屋役は、まさにぴったりのハマリ役でした。

復讐の序章

こうしてめでたく代車を手に入れたジョン・ウィックは、さっそく自分の車と犬(の命)を奪った腐れ外道のチンピラガキどもを追って、街に繰り出します。

そこで出てくるのが、この街を仕切るロシアンマフィアのこの親父。

実はジョンの大事なものを奪ったクソガキの親父というのが、このマフィアのボスだったのです。

再び車修理工場にシーンを戻します。

ジョンが去った後、一本の電話が工場にかかってきました。

「俺だ」

ロシアンマフィアのボスからでした。

「今日お前は俺の息子を殴ったようだが、その説明をしてくれないか」

アウレリオ(レグイザモ。車屋の主人の名前)は一呼吸置きながら、静かに言葉をつなげます。

「はい、確かに殴りました。それはあなたの息子が奪った車の持ち主が問題だったからです」

「誰だ?」

「ジョン・ウィックです」

「・・・・・・」

実はこのボスはジョンのことをよく知っており、いや知っているどころか、かつて自分の元で働いていて、その凄腕ぶりと引き受けた仕事は必ずやり遂げる徹底した仕事人ぶりをまじかで見ていて「絶対に敵に回さんとこ!」と心に固く誓った過去があるのでした。

かくして組織のボスは言葉を失い、そのまま電話を切りました。

(これは”あかんやつ” やないか)

触れては絶対にいけないキラーマシーン。

その名を耳にするだけで、暗黒街の誰もが震えあがる恐怖の存在。

その男を激怒させてしまったのが、まさか自分の息子だとは・・・

さすがのボスも顔が青ざめます。

(どないしよ)

しばらくうろうろしますが、やがて部屋に入ってきたバカ息子とその護衛を見るや否や、

「あほぉ!ぼけぇ!!」

と息子を殴り飛ばしました。

「お、おやじ」

「お前が誰の車を奪おうが、そんなもん、どうでもええ話や!問題なんは、その車の持ち主や!」

「えっ?」

「そいつはジョン・ウイックといってな、組織の元幹部で、誰もが恐れる凄腕の殺し屋の男の名前なんや! 抗争で確実に敵を仕留めてきたハンターキラーで、 鉛筆一本で3人の男を瞬時に殺した闇の暗殺者なんや! そいつがある日「組織を脱退したい」言うたから、「ほな抗争相手の組織を潰したら認めたるわ」って軽い冗談で言うたら、たった一人で実行してあっさり全員消しおったんや。そやから今の俺らがあるんは、こいつのおかげなんや。その組織の恩人である男の家を襲って、愛犬を殺した上に、車を奪ったのが、お前とお前のアホの護衛どもいうわけや!!!」

ガッシャーン!と親父からウィスキーグラスを足元に投げつけられたバカ息子は、さすがのバカ度胸も鳴りを潜めて、事態の深刻さがガクブルに骨身にしみてくるのでした。

「お、おれっち、どうすればいい?」

「とりあえず隠れとけ!こっちで何とかするわい!」

息子を怒鳴りつけて下がらせましたが、何とかするといってもなんともしようがありません。なにせ相手はあのジョンウィックなのです。

狙った獲物は必ずしとめる暗黒のハンターなのです。

(まいったなー)

しかし組織のボスであり、バカ息子の父親である以上、たとえ無駄だとわかっていても、なんらかの行動に出ざるをえません。

(しゃあないわ。ここはひとつ、真正面からぶつかってみるか)

心を落ち着かせて、深呼吸して、ラジオ体操をしてから椅子に腰かけて、ピッポッパッと机の上の電話のプッシュホンを震える指で押しました。

「あっ、ジョン・ウィック? 久しぶり~!元気にしてた?ちょっと話があるんやけど、いまええかな?」

「・・・・」

「え~っとぉ、なんかさぁ、俺のバカ息子がえらいことしてくれたようやけど、ほ~んと、ごめんな。俺も謝るし、慰謝料払うから、なんとか丸く収めてくれへんやろかなぁ」

「・・・・」

「ヘロー、聞いてる?ヘロー、もしもし?」

「絶対に〇〇す」

地の底から湧き出たようなバリトンボイス。

「へっ、ヘロー?!もしもし?いまなんて言った?ころ、なんとかって聞こえたけど、まさかあの「ころ」の文頭句じゃないよね?」

「ガチャリ、ツーッ、ツーッ」

「・・・・・」

ボスは覚悟しました。

(こりゃ、生きるか、死ぬかやな)

かくして復讐の宴は始まった

こうしていよいよ本格的にジョンウィックの復讐大作戦が開始されます。

その描写はまさに予告編で見たようなクールさと残酷さが組み合わさったような感じで、いかにジョンという男が強くて賢くて、恨み骨髄憎さ千倍!必ずお返ししますこのお気持ち!な覚悟を持っていたかということが、いやというほど画面上に激リアルに描写されていくのです。(もうこの時点で横の女性は意識を消してました)

そんなときに登場するのが、この男。

ウィレム・デフォーです。

デフォーはジョンの同業者ながら、その良き友にして、唯一の理解者。

しかしボスに依頼されてその友の抹殺を引き受けざるを得なくなるのです。

だが一応、狙いはするのですが、実はひそかに援護射撃をしたりして、ジョンの危機を幾度となく救います。

結局はこれがボスにバレて、無残な殺され方をしますが、最後の死に際まで男らしい散り方を見せてくれました。

さすがは「プラトーン」以来の歴戦の勇者です。乾杯です。

あとはもうジョンの独壇場。

ボスの息子を追う中で、もう徹底的に組織のメンバーをのきなみ消していく様は、まさに暴れ狂う悪魔そのものでした。

冷酷にして執拗なキラーマシーンぶりは、かのイコライザーでデンゼル・ワシントン演じる元殺し屋の主人公をほうふつとさせるか、もしくはそれ以上というべきか。

途中で一度捕まりますが、友であるデフォーの援護によって窮地を脱します。

この捕まった時にボスに語ったセリフがとてもいい。

この映画のコアを成している言葉だと感じます。

「お前の息子が殺した子犬は、ただの子犬じゃない。生きる意欲を失っていた俺のもとに、亡くなった妻が届けてくれた ”新しい人生の希望" そのものだったんだ!それをお前の息子は俺から奪った!」 

まさに魂の雄たけび。

ジョンがなぜここまで執拗に復讐を遂げようとするかが、この言葉にすべて詰まっているといっても過言ではありません。

結局は獲物は仕留めますが、すごくあっさりとした感じで、恨み骨髄な最期を与えるまでには至りませんでした。

そしてそのまま街から逃げようとするボスを港で補足して一騎打ちを演じる様子なんかは、ちょっと東映の任侠映画を想像してしまって、なんだか妙にノスタルジーな雰囲気を感じてしまいましたね。

あと面白かったのが、港で逃げる車の中で、部下が「銃を!銃を!」と必死になって叫んでる横で、ボスが「これか?これが欲しいんか?」鶴光師匠ばりにいやらしい笑みを浮かべて、銃を渡そうとしたり渡さないようにしてふざけてるくだり。

「もう絶対助からへんわ。ええねん、もうどうでもええねんでー」

という、あきらめの境地に達した突き抜けぶりが顔に出てて、かなり笑えました。

そりゃあ、あそこまで追い込まれてたら、あんな突き抜けた笑顔になるわなー(笑)

そして感動のフィナーレへ

ボスとの凄惨な戦いの後、満身創痍で死にかけたジョンがたどり着いた場所・・・

それはまさに”新しい希望”そのものでした。

そこは妻が自分に託してくれたあの子犬と同じ希望が集まる場所。

ここでジョンは傷を癒し、再び新たな生きる意欲を取り戻すのでした。

そのシーンは映画の冒頭で描かれていたシーンで、映画は時系列が逆戻りするスタイルをとっています。

映画全般としては、最後までジョンの殺し屋としての過去や、妻とのなれそめなどプライベートの過去は断片的な映像以外ははっきりと示されておらず、それでいて作中の言葉や表情で十分に察せられるところは非常に良かったです。

まさにハードボイルド映画そのものというべきでしょうか。

デンゼル・ワシントン主演のイコライザーでも同様の描写がされていましたが、こういう俳優の演技と数少ない言葉だけで観客に背景を想像する余地を与えてくれる手法というのは、最近の洋画の主流なんでしょうかね。

邦画も昔はこういう手法をよく見ましたが、近年の作品はやたらと説明臭い描写が多いように思えて、個人的にはこちらの描き方のほうが好ましいです。

追記(続編情報!)

本国でも好評だったようで、続編の制作が決定していると聞きます。

この追記を書いている時点で(2017年2月20日)で、すでに本国アメリカでは公開が始まったようですが、驚いたことにさらにその続編(つまりパート3)の制作も決定したとか!

キアヌ・リーブス主演「ジョン・ウィック」第3弾が早くも始動

アメリカ人、こういうの好きなんですねえ。意外に。

日本の任侠映画的なノリだと思うのですが、この手のハードボイルドアクションは国境を問わず男の心を掴むものがあるのかもしれません。(もちろん女性も)

キアヌはこうしたダウナー系の配役が本当によく似合う俳優で、かつての出演作品「コンスタンティン」(2005)でも、自殺希望の悪魔バスターの役がハマりまくってましたね。

本人も多少陰気なところがありそうなので、地で行ける部分が相当あるのでは?

そんな感じで、それぞれの続編にも強く期待したいと思います。

そしてもちろん!

今度のパート2は一人で観に行きます(笑)

パート2の感想↓

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