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ミッション・インポッシブル「デッドレコニング」鑑賞レビュー

劇場鑑賞してきました!

今作「デッド・レコニング」はトム・クルーズの引退作ということで、かなり期待して観に行きましたとも。

今回はその感想とみどころを紹介していきますね。

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AIを取り入れたラスボス設定

映画はロシア海軍の潜水艦のシーンで始まります。

今回のサブタイトル「デッドレコニング(推測航法)」はこの潜水艦からつけられています。

そしてこのロシア原潜ですが、AIを駆使した最新性の仕様にも関わらず、なぜかアメリカ海軍の潜水艦に遭遇し、一触即発の危機に陥ります。

いったん難を潜り抜けるものの、自艦から発射した魚雷がUターンして爆発する惨事を招くことに。

その原因は「AIが自我を得て攻撃をした」ということ!

おおおと思いましたね。

さすがはその時々の流行を取り入れるミッションシリーズならではの設定だなと。

CHATGPTのようなAI技術があらゆる分野の最先端になっている昨今、この流れをプロットにはめ込まないわけにはいかないのでしょうね。

今作では「自我をもったAI」がかつてのイーサンの因縁の敵を代役に押し出して「何か」を果たそうとするという流れになっているわけですね。

とはいえ、途中から過去の因縁やらCIAやら、前作で登場したレディーガガ似の武器商人やらが入り組んでくんずほぐれつの大接戦を繰り広げるので、実はそんなプロットがどうたらとかはどうでもよくなってきます。

ミッションシリーズは回を重ねるごとに「ラスボスの意図が良く分らない」欠点をもつと思うので、今回もまさにそれだなと。

まあ今回に限っては次回作パート2に続く流れのストーリーなので、あえてラスボスがなんなのかはぼやかしていると思うのですがね。

とはいえ、毎回思うのが、ミッションの魅力はどとのつまりたった一つ「トム・クルーズをいかにカッコよく見せるか」が最大命題ということ。

そしてそれは見事に発揮されておりましたのです!

アクションが凄かった!

全体の感想は「トム・クルーズ、まだまだ若いな!」ということ。

前作・前々作では「老けたな~」と感じましたが、それから加齢したトムはなぜか以前よりも若さを増していたような印象を受けました。

その大きな理由が「体を張ったアクションが凄い!」ということかと。

これまでの同シリーズと比べても、格段に高いトム本人のアクションにかける「熱量」がスクリーンから迸っているんです。

まずもって「走るシーン」の凄さ。

空港の巨大な屋上を走り込む場面では俯瞰でかなりの長距離を駆け抜けていましたし、後半でグレイスを追って追手と戦いながら路地をすごいスピードを駆けるシーンは、まるで自分がトムと一緒に走っているかのような同調感すら感じました。

今作では他シリーズにはないレベルのランニングが展開されるので、トムの走る姿が好きなファンにはたまらんと思いますよ。

背中をまっすぐに伸ばして姿勢の良いスタイルで長距離を走り抜ける姿からは「一生懸命感」がハンパなく伝わってきますからね。

そりゃあ、応援したくなるってものですよ。

ほかにも追手をかわすために激しいカーチェイスを繰り広げるシーンは手に汗握る大スペクタクルでしたし、素手の格闘アクションもジャッキーチェン顔負けの迫力ある近接戦闘を見せてくれましたしね。

疾走する列車に飛び乗るために、山の崖からバイクでジャンプしてパラシュート落下する流れも最高でした。

バイク姿がこれまら爽やかでカッコいいですからね~

とにかくですね、60過ぎのおじんの動きにはまったく見えないのですよ、すべての動きが。

もちろん要所でスタントマンを使っているのでしょうけど、以前読んだトムのインタビュー記事では「できるだけ全てのアクションをスタント無しで演じるようにしている」と語っていたように、可能な限りのシーンは彼本人が実際に体を貼っているのだと思いますし、その必死の感覚も伝わってきますしね。

他の何よりもトム本人のアクションがこのシリーズの最大の魅力だと思うので、それだけ見ても十分満足だと思いますよ。

オリジナル回帰の描写にちょっと感動した

第一作目を思い出させるかのようなシーンがいくつかあったので、そこもちょっと感動しました。

まずはキトリッジの再登場。

この人は1作目の序盤に出てきたCIAの高官でしたが、今作では長官になっています。

相変わらず「腹に一物」もっているような策略じみた人物ですが、1作目のような序盤退場はなく、ラストシーンまで登場し続けます。

どちらかというと、上司の国家情報長官のほうが悪玉だったので(政府内の守旧派を一掃して自分が権力を握ろうとした)、キトリッジが実は真の愛国者なのかもしれません。

そして列車の上での格闘シーン。

猛スピードで疾走する列車の屋根で、天井にぶつからないように体を低くして格闘する流れはまさにオリジナルの1そのものなんですよ。

あのときは確かジャン・レノが相手でしたが、今回はかつての因縁の相手ガブリエル。

相変わらずの疾走感とスペクタクル感でハラハラドキドキさせられたシーンでした。

できたらこの流れでミッションのテーマソングをかけて欲しかったなあ。

女性の配役がヒューマニズムたっぷりだった

今回は女性陣の登場がたっぷりという感じです。

まずは前作から引き続いてのイルサ・ファウスト。

元MI6のスパイで、今作でもイーサンらと協力してラスボスを追い詰めようとします。

しかしその過程で敵に倒されてしまい、あえなく途中退場。

代わりに出てきたのが、女スリのグレースです。

アブダビの空港で今回のラスボスの秘密を握る「鍵」を盗んだことで、イーサンらの作戦にいやおうなく巻き込まれて行きます。

途中でイーサンらに誘われて仲間に加わるのですが、その作戦時に見せた「大金を得る代わりに自分の大事な”何か”を失うところだった」シーンにはひどく共感してしまいました。

それははっきりと映画の中では表現されていませんでしたが、おそらく「良心」だったと思います。

色んな悪いことに身を染めてきたけれども、イーサンと交わした約束、人類の未来を賭けたAIとの戦いを前にして、自分だけが大金を得てそこから逃げ出すのは間違えていると考えたのではないでしょうか?

ラストではイーサンと協力して鍵を取り返し、キトリッジと交渉してIMF入りを希望するところで登場シーンは終わっていました。

きっとパート2では新たなメンバーとして正式に作戦に参加するのでしょうね。

そしてもう一人がイーサンらが追うAIの代理人ガブリエルの部下、パリスです。

東洋系の風貌をもつフランス人の女性暗殺者は、類まれな格闘能力と執拗な追跡力でイーサンらを追い詰めます。

ただラストで上司のガブリエルに裏切られ、重傷を受けます。

その少し前にイーサンに命を助けられたことに恩を着たのか、はたまた上司に裏切られたことで吹っ切れたのか、イーサンとグレースが絶体絶命のピンチに陥っている時に助けの手を差し伸べることに。

その後イーサンらに鍵の秘密を明かしていたりと、実は今回の作戦で最もイーサンに貢献しているのではないかと思うくらいです。

涙を流しながら「上司は私が彼を裏切ることを知っていたの」ということを告白していましたが、正直、この辺りの流れはよく意味が分かりませんでしたね。

彼女がAIの脅威に気づいたことで裏切ることを上司であるガブリエルは予測していたのか、涙を流すのは良心の呵責からなのか・・

命は助かっていたようなので、グレースともどもパート2でも登場しそうですね。

このキャラの深堀りは、ぜひ次回作で詳しくしてほしいものです。

そんな彼女らに共通しているのは、自己犠牲を問わない行動を行っていたということ。

イルサはグレースを助けるためにガブリエルと戦って倒されてしまいましたし、グレースは自分のために命を失ったイルサに深い同情をもち、それがチームへの参加の動機にもなりました。

パリスは列車から落下しそうになるイーサンとグレースを重傷にもかかわらず助けたこと、敵だった2人を救ったことになります。

誰も信用できない腹黒い世界に生きてきた3人は、自分の全てをかけて守ろうとしてくれるイーサンに心を動かされ、その生き方を変えたとも言えます。

それがゆえに、彼女たちの存在は「ヒューマニズム」そのものだなと感じた理由になります。

イーサン・ハントの胸熱な言葉がズシンと響いた!

イーサンと長年チームを組んできたルーサーとベンジーは、ともにイーサンを仕事の相棒以上の「親友」「友人」として考えています。

もちろんイーサンもそうでしょう。

それはお互いに命を懸けた作戦の中で培った深い信頼に根差していると思います。

もちろんイルサともそうです。

それ以上にイーサンの「言ったことは必ず実行する」生き様が、仲間を引き寄せる磁力になっているとも感じます。

それがよく表れていたのが、仲間入りを躊躇するグレースに向かってイーサンが放った言葉です。

「君を守れるかどうかは分からない。そんなことは誰にも保証できないんだ。でもこれだけは約束する。僕は必ず君のところに行くよ」

武器商人ホワイト・ウィドウに化けて鍵の秘密を得る作戦に参加したグレースは、機械上のトラブルでイーサンらとは単独行動せざるを得なくなりました。

ウィドウに化けて交渉の場に出る時は、グレースたった一人。

その間チームの支援はありません。

それまでスパイの訓練をしたことのないグレースには難しい選択でした。

唯一の希望はイーサンがパラシュートで列車に乗り込んでくること。

そのことをイーサンは言ったのです。「必ず向かう」と。

助けるとか、守るとか、簡単に言えることではありません。

でも「そこに必ず行く」というのは、それ以上の覚悟がいるのではないかと。

長年「誰も信用できない世界」で生きてきたグレースだからこそ、この言葉が響いたのでしょう。

そしてそれはイーサンのチームメンバーも感じていることだと思います。

だからこそルーサーやベンジーは、イーサンと行動を共にしているのでしょう。

イーサンのスパイとは思えない「まっすぐ」な気持ちが、ダークサイドを歩んできた裏世界の人間たちを強烈に引き付ける「希望の光」になっているのだと私は思います。

トム・クルーズファンは必見です

プロットの複雑さと登場する組織や人間の多さで、いまいち目的がはっきしりなくなる欠点がありますが、トム・クルーズのスパイアクション映画としては非常に満足した作品でした。

イーサン・ハントの「まっすぐさ」は、トム・クルーズ氏のキャラクターと被る部分が多いと思うのですよね。

コロナがまだ流行している時にこの映画の撮影は行われたそうですが、その際にウィルス対策を十分にとらずに製作現場で仕事をしていたスタッフを叱責したことからも伺えます(以下、引用記事より)

激しい罵声を浴びたのはスタッフ2人で、セット内のモニターを見ている最中に、相互の間隔が180センチを割っていたと言われている。ただし、この2人はちゃんとマクスを着用していた。

流出音声では「もう一度同じことをしたらお前らはクビだ。スタッフの誰でも、これをやったら辞めてもらう。お前も、お前もな。そして、お前。二度とやるんじゃないぞ」と、クルーズが50人以上のスタッフに警告の怒号を浴びせている。

「俺たちのおかげで、今みんなハリウッドに戻って映画を作っている。俺たちがたくさん仕事を作ってやっているっていうのに、お前らはまったく」と言い、次のように続けている。「以上。詫びはいい。俺らの業界が閉鎖されてホームレスになった連中にも俺の言葉を話してもいい。このままじゃ食べるものにも困るし、大学の学費だって払えない。この映画は絶対に完成させる。わかったか? もう一度同じことをしたらお前らはクビだ」

トム・クルーズ、撮影中にコロナ対策を巡りスタッフに怒号「クビだ」

かなりキツい言葉ですが、この発言がコロナ真っ最中の2020年12月に起こったことを考慮しないといけません。

映画業界の未来が見えないタフな状況の中、少しでも早く良い作品を世に送り出して、関係者を食わせていく。

それが成功者である自分の義務であると、本人は考えているのではないでしょうか?(実際は分かりませんが)

皮肉にも今作で取り上げたAIが実際に映画業界の仕事を奪っていくことになり、それがもとで大規模ストが発生、トム自身がこの映画のプロモーションのために来日できなくなったことを考えると、色々と考えさせられる状況ではありますね。

俳優ストで、トム・クルーズ来日も急遽中止に…「ミッション」新作の大ヒットに影響は? 今後の可能性は?

そのためか映画の始まりの前に監督とトム本人が、映画館のファンに向かって語り掛ける映像が出てきて「おお、プロモーションの代わりかな」と。

確かにこの映画は映画館のドでかいスクリーンと大音響で見ると、よりその面白さが体感で伝わりますしね。

皆さんもぜひ劇場に足を運んでみてくださいね。

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