スターウォーズの英語セリフで英語を勉強するシリーズ第3弾です。
今回は3作目の「シスの復讐」からの英語フレーズ・語句チェックになります。
「選ばれもの」として師匠のオビワンと共に銀河系を駆け巡ってきたアナキン・スカイウォーカー。
今作ではその「選ばれもの」アナキンが邪悪なパルパティーン議長の策に引っかかり、ダークサイドへと転じる衝撃のターンになっています。
それに対して気づくことも、なすすべもなく、アナキンの堕落と銀河共和国の崩壊を招いてしまったジェダイ騎士団。
そんな両者の葛藤と決意を込めた英語セリフを取り上げて勉強していきたいと思います。
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アナキンとオビワンの英語表現
Anakin: Coming, Master?
Obi-Wan: Oh, no. I'm not brave enough for politics. I have to report to the Council. Besides, someone needs to be the poster boy.
Anakin: Hold on. This whole operation was your idea.
Obi-Wan: Let us not forget, Anakin, that you rescued me from the buzz droids. And you killed Count Dooku, and you rescued the Chancellor...carrying me unconscious on your back.
Anakin: All because of your training.
【語句チェック】
enoughは「十分な」という意味です。
ここでは「not ~enough」で「~に対して~ほど十分じゃない」というニュアンス。
poster boyは「象徴、広告塔」になります。
Hold onは「引き留める、ちょっと待つ」。
Wholeは「全体の」。
unconsiousは「無意識の」。
because ofは「~という理由」。
ではそれぞれを訳していきましょう。
【全訳】
アナキン:来ないのですか、マスター?
オビワン:いや、やめておこう。政治家はいまいち苦手だ。評議会に報告する必要があるしな。今回の主役はおまえだよ。
アナキン:待ってくださいよ、今回の作戦は全部あなたのアイデアですよ。
オビワン:忘れないでくれ、アナキン。私をバズ・ドロイドから救ってくれたのはおまえだし、ドゥークー伯爵を倒したのも、議長を救ったのも、気を失った私を背負ってくれたのもお前なんだから。
アナキン:すべてはマスターの訓練の賜物です。
序盤の師弟コンビの会話です。
このころは二人の関係は平穏で、お互いを思いやる気持ちがありました。
しかし時が経つにつれて、その信頼に満ちた関係は崩壊していくのです。
パルパティーン議長とアナキンの英語表現
Palpatine: Did you ever hear the tragedy of Darth Plagueis the Wise?
Anakin: No.
Palpatine: I thought not. It's not a story the Jedi would tell you. It's a Sith legend. Darth Plagueis was a dark lord of the Sith...so powerful and so wise...he could use the Force to influence the midi-chlorians to create life. He had such a knowledge of the dark side. He could even keep the ones he cared about from dying.
Anakin: He could actually save people from death?
Palpatine: The dark side of the Force is a pathway to many abilities some consider to be unnatural.
Anakin: What happened to him?
Palpatine: He became so powerful. The only thing he was afraid of was losing his power.
【語句チェック】
tragedyは「悲劇」。
wiseは「賢明、賢い」です。
influenceは「影響」。
suchは「そのような」。
knowledgeは「知識」。
evenは「~でさえ」という意味と「さらに」という強調の意味をもっています。
keep fromは「~から遠ざける」。
cared aboutは「気にかける」。
pathwayは「通路」。ここでは「通じている」の意味になります。
abilitiesは「能力」。
considerは「~と考える」。
happened toは「~が発生する」。
was afraid ofは「~を恐れる」。
では全文を訳していきましょう。
【全訳】
パルパティーン:賢者ダース・プレイガスの悲劇を聞いたことがあるかな?
アナキン:いいえ。
パルパティーン:そう思ったよ。ジェダイが君に話すような話ではないからな。シスの伝説だよ。ダース・プレイガスはシスの暗黒卿だった。とても強く、とても聡明だった。彼はフォースを使ってミディ=クロリアンを感化させ、生命を作り出すことができた。彼はそんなダークサイドの知識を持っていたのだよ。彼は気にかけている者を死から遠ざけることさえできたのだ。
アナキン:実際に人々を死から救うことができたのですか?
パルパティーン:フォースのダークサイドは超常的とも考えられる多くの能力に通じているのだよ。
アナキン:彼はどうなったんですか?
パルパティーン:強力になった。恐れるものは力を失うことだけだった。
オペラを見ながらアナキンをダークサイドに引きずりこむ言葉を放つパルパティーン。
その穏やかな口調と眼差しは、目の前にいる世間知らずの青年を悪の道に引き付けるには十分な魅力を持っていました。
アナキンが欲しかったのは決して暗黒の力だったのではなく、愛するものを失わずに済む手段だったのです。
そこを上手く利用したパルパティーンの策略が見事にハマるシーンでした。
ダースベイダーとパルパティーンの英語表現
Anakin: What have I done?
Palpatine: You're fulfilling your destiny, Anakin. Become my apprentice. Learn to use the dark side of the Force.
Anakin: I will do whatever you ask.
Palpatine: Good.
Anakin: Just help me save Padme's life. I can't live without her.
Palpatine: To cheat death is a power only one has achieved. But if we work together, I know we can discover the secret.
Anakin: I pledge myself to your teachings.
Palpatine: Good. Good.
【語句チェック】
What have I doneは、What(何を)+ I have done(私は~してしまった)を疑問形に替えた形です。
つまり「僕は何てことをしてしまったんだ?」という意味。
fullfilは「果たす」、destinyは「運命」。
2つ合わせて「運命を果たす、宿命を成し遂げる」という意味になります。
learn toは「~を学ぶ」。
whateverは「何でも」。
よく使われる表現は「whatever yo say(君は何でも言う)」「whatever I do(私は何でもする)」で、劇中では「私は何でもします、貴方の言うとおりに」という意味になります。
can't live withoutは「~なしでは生きられない」。
cheatは「だます」、achieveは「成し遂げる」。
discoverは「発見する」です。
pledge ~self toで「誓いを立てる」ということ。
では全訳しましょう。
【全訳】
アナキン:僕は何てことをしてしまったんだ?
パルパティーン:お前は自分の宿命を果たしたのだ、アナキン。我が弟子となるがよい。フォースのダークサイドの使い方を学ぶのだ。
アナキン:仰せに従います。
パルパティーン:よろしい。
アナキン:どうかパドメの命を助けてください。彼女なしでは生きていけません。
パルパティーン:死を騙す力を手にした者はただ一人のみ。だが私とお前が力を合わせれば、その秘密を明かすこともできるだろう。
アナキン:あなたの教えに従うことを誓います。
パルパティーンがシス暗黒卿であることが判明し、メイス率いるジェダイ騎士団がパルパティーンを追い詰めますが、最後の瞬間にアナキンが裏切り、メイスらを抹殺に追い込んだ後のシーンです。
まさか自らがジェダイを倒してしまうことになるとは思わなかったアナキンは、狼狽しながらも、自分の犯した事の重さを理解し、ダークサイドに入ることしかないと悟ります。
死んでしまったものを救い出すことができると約束したパルパティーンの言葉が本当のことになるか否かは、その先にあったアナキンの運命を見れば明白になるのです。
オビワンとアナキンの戦いの前の英語表現
Obi-Wan: Your anger and your lust for power have already done that. You have allowed this dark lord to twist your mind, until now you have become the very thing you swore to destroy.
Anakin: Don't lecture me, Obi-Wan. I see through the lies of the Jedi. I do not fear the dark side as you do. I have brought peace, freedom, justice and security to my new Empire.
Obi-Wan:Your new Empire?
Anakin: Don't make me kill you.
【語句チェック】
angerは「怒り」、lustは「渇望」です。
allow~toで「~を許す」。
twistは「捻じ曲げる」です。
until nowは「今まで」。
sworeはswear「誓う」の過去形になります。
see throughは「見通す」。
fearは「恐れる」。
asは「~のように」。
makeは「~させる」になります。
では訳していきましょう。
【全訳】
オビワン:おまえの怒りと力への渇望のせいだ。シス暗黒卿のために心変わりし、壊滅させると誓った存在になり果ててしまっったんだ。
アナキン:僕に講義しないでくれ、オビ=ワン。ジェダイのウソはお見通しだ。僕はあなたのようにダークサイドを恐れない。僕は新しい帝国に平和と自由、正義、安全をもたらしたんだ。
オビワン:新しい帝国だと?
アナキン:僕に殺させるな。
ついにダースベイダーとなってしまったアナキンとオビワンの対決です。
パドメが説得のために降り立った宇宙船に隠れていたオビワンを見て、てっきり彼女が自分を倒すために連れてきたのだと勘違いし、怒りのあまりにフォースの力でパドメの首を絞めて気絶させてしまったアナキン。
その後のセリフになりますが、これまでのダークサイド化への流れとこのアナキンの言葉を改めてみてみると「中二病」というワードがぴったりのよう気がします。
情緒不安定でトラウマがあって自信過剰で愛情に飢えた「思春期の少年」。
それこそがアナキンの真の姿なのでしょう。
対決後のオビワンとアナキンの英語表現
Obi-Wan: You were the chosen one! It was said that you would destroy the Sith, not join them! Bring balance to the Force, not leave it in darkness!
Anakin: I hate you!
Obi-Wan: You were my brother, Anakin. I loved you.
【語句チェック】
the chosen oneは「選ばれし者」。
It was said thatは「~と言われていた、伝説の」というニュアンスです。
wouldは「~していただろう」という仮定形。
joinは「加わる」。
Bringは「もたらす」。
leave itは「それを残す」。it(それ)は「フォースにバランスをもたらすもの」というアナキンの存在そのものについて指すものだと思われます。
hateは「憎む」。
では訳していきましょう。
【全訳】
オビワン:おまえは選ばれし者だった!シスを滅ぼすなのに、それに加わるなんて!フォースに均衡をもたらす存在だったのに、暗黒面に落ちてしまうなんて!
アナキン:お前が憎い!
オビワン:おまえは弟同然だったよ、アナキン。愛していたよ。
一進一退の戦いを進めていたオビワンとアナキンでしたが、ついに一瞬のスキをついてオビワンがアナキンの手足を切り取って、溶岩の河口近くに落とすという残酷な結末を迎えてしまいました。
溶岩の流れに体を焼かれつつあったアナキンを見て、オビワンが投げかける言葉・・
助けてやることはできないにしても、せめてとどめをさしてやれよと思ったのですが、最後の言葉にあるように「弟同然に愛していた」というオビワンの想いと優しさが、それをさせなかったのでしょう。
それが結局、後の新しいダースベイダーを生みだし、多くの犠牲と戦いを巻き起こすとは思いもよらなかったのでした。
ヨーダとオビワンの英語表現
Yoda: Until the time is right, disappear we will. In your solitude on Tatooine, training I have for you.
Obi-Wan: Training?
Yoda: An old friend has learned the path to immortality. One who has returned from the netherworld of the Force. Your old Master.
Obi-Wan: Qui-Gon?
Yoda: How to commune with him I will teach you.
【語句チェック】
Untilは「~するまで」。
disappearは「姿を消す」。
solitudeは「孤独」。
pathは「道」。ここでは「~の世界への道」という概念的に使われています。
immortalityは「不老不死」。
netherworldは「死者の世界」。
commune withは「~と通信する、会話する」になります。
では全訳にいきましょう。
【全訳】
ヨーダ:時が来るまで姿を消すとしよう。タトゥイーンで孤独な時があろうが、そこでの修行を用意しておる。
オビワン:修行ですか?
ヨーダ:古い友人が不死の法を得たのじゃ。フォースの死の世界から戻ってきおった。お前のかつての師匠じゃ。
オビワン:クワイ=ガンですか?
ヨーダ:あやつと心を交わす方法を教えよう。
オビワンはアナキンを倒したものの、ヨーダはパルパティーンを倒すことは叶わず、協力者オーガナと共にいったんは隠れることにします。
そのときにヨーダがフォースの幽体となって生還したクワイガンとの通信手段をオビワンに伝える会話です。
体は滅してもなお、永遠に生き続けるジェダイの伝説の始まりになったのです。
まとめ
スターウォーズ史上、最大の悲劇の場面となったアナキンのダースベイダー転落。
後に全銀河を恐怖に陥れる暗黒の騎士ですが、実は心の迷いの多い、繊細で大胆、劣等感と自信という相反する心をもった一人の青年に過ぎなかったのです。
シリーズ1から3を見て思ったのは、人を育てることは難しいということ。
師匠の資質はもちろん大事ですし、本人の生い立ちもその後の成長に大きく影響します。
その意味では、オビワンのようなまっすぐなジェダイよりも、クワイガンジンのような人生の酸いも甘いもかみ分けたジェダイマスターのほうが、複雑な生い立ちと心持ちをもったアナキンの指導には向いていたのだと改めて思いますね。
ここからいよいよ伝説のダースベイダーの悪の道が始まるのです・・・・
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