久しぶりの映画記事である。しかもよりによって取り上げるのは、史上最もお下劣なカルト映画と悪評名高い「ピンク・フラミンゴ」(Pink framingos)だ。
この作品についてあれこれ述べる前に、もし初めてこの映画を知った方がいるなら、一つご忠告を差し上げたい。
かなりの変態映画ですので、ご覚悟を持ってご覧下さい。
*ご覧下さいといっても、ここはあくまで文字上での映画記事であるので、もしレンタルDVDその他で作品を見る機会があるなら「ご覚悟を」ということである。(記事の最後に動画を貼り付けていたが、変態行為がはなはだしすぎてグーグル先生からシバかれそうな素敵な予感がしたので、あえて自主規制して削除させて頂いた。アグレッシブなものをご所望な勇者は、youtubeで「pink flamingo devine」と入力するべし!)
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ピンクフラミンゴとの出会い~そして別れ
僕が初めてこの映画を見たのは、中学生の頃だった。
当時我が家はVHSのビデオデッキを購入したばかりで、映画好きの母親が近所のレンタルビデオ屋で会員になり、よく洋画を借りて見ていたものだ。
僕もカードを時々借りては、面白そうなビデオを借りに行っていた。
そのとき物色して見つけたのが、この「ピンク・フラミンゴ」だ。
なぜこれを選んだのか、なぜこれを借りようと思ったのか、今もって分からない。(ただ単にパッケージの異様さに興味を引かれたという説もある)。
しかも借りるときに、店の親父が(脱サラで開いた個人経営の店だったらしい)、未成年の中学生に貸したことそのものもビッグサプライズなのだが。
今思えば、母親が他の作品を借りるときに、僕が「これも!」と混ぜてレジに出していたのかもしれない。
そうなれば、これはひとえにうちのオカンの重大な過失であろう。
このビデオを多感なティーンエイジャーに閲覧させた教育上の罪、そして人間として決して超えてはならない行為を見過ごした人類の一員としての道義的な罪の・・・・
とにかく僕は帰宅し、親が出かけた後の家でこれを見た。
しかも弟と一緒に。
この瞬間に僕は母親と同様の罪を弟に対して犯したといえる。
小学生高学年の瑞々しい感性で、これを見たトラウマは生涯残るはず・・・・・
そして鑑賞し始めて約30分後に放たれた弟の一言を、僕は一生忘れない。
「兄ちゃん、なに、この映画」
口を開け、ポカンとした表情で画面を眺める我が弟。
対する僕も彼の問いに答えることができず、ただただ唖然としていた。
「わ、わからん・・・・」
額に流れる冷たい汗を拭うこともせずに、僕達はただただ魅入られたようにブラウン管を凝視し続けるのであった・・・・
映画の内容と背景
以上が「未知との遭遇~衝撃の変態映像体験!IN 1986」であります。
いや~怖いです。
おどろおどろしいです。
無辜の少年の美的感覚をこんな幼児期の段階で恐ろしいほどに歪ませてしまったみたいで、肉親として一人の兄として非常に心苦しいです。(幸いその後は無事に育って、今や立派な中年のおっさんとなっておりますが)
とはいえ!
理由はどうあれ、人の心に残る映画とはそういうもの。
何がしかの人生、人生観、死生観に影響を与えるほどの威力をもっていなければ、世の中に出ることはかなわず、地に埋もれていくものですよ?
そういう意味ではこの「ピンクフラミンゴ」は、見事なまでに極東の関西地域の坊主頭の少年二人の人生のわずかな瞬間に決定的な影響を与えてしまった至上の名作(迷作)ともいえなくもありません!
オーマイゴッド!
などと、ハアハア息を荒げて話を無理やりつなげたあとは、そろそろ映画の解説といきましょうか。
映画の内容、あらすじ等は様々な事情により(面倒くさいだけ)、いつものようにウィキぺディアから抽出させていただきます。
バブス・ジョンソンという偽名を使って潜んでいるディヴァインは、卵しか食べない母親のエディ、不良息子のクラッカー、覗き趣味のある娘のコットンと共に、ボルチモア郊外のトレーラーハウスに住んでいた。
ある日、タブロイド紙がディヴァインを「世界で最も下品な人間」(The filthiest person in the world)と評したことから、我らこそが「世界で最も下品な人間」だと主張するマーブル一家との争いが始まる。
ディヴァインとはマツコ・デラックス激似の70年代初頭に頭角を現したドラッグ・クィーンであり、この映画は彼女(彼じゃ!)とその取り巻きが引き起こす激空間変態ストーリーなのであります。
「えっ?なんなのこの映画?」と、ほんの少しでも興味を抱いた物好きなアナタのために、素敵な情報をプレゼントしましょう。
映画の中でディバインが敵対するマーブル一家の家で行うアホな蛮行の一部があるのですが、たしかそれは仕返しのために家中のものを舐めていくという話だった!という衝撃の事実。(かなりどうでもいい内容である)
巨漢のドラッグ・クイーンであるディヴァインをはじめとするエキセントリックな登場人物たちが、「世界で一番下品な人間」の座を争うという内容で、非常に低予算で作られた作品だが、至上最低の悪趣味映画としてカルト作品となっている
(中略)
この映画中に出る役者の〇器、吐瀉物は全て本物であり、それらがより一層本作品の下品さを醸し出している。
また劇中で、ニワトリとの獣〇の過程でニワトリが死亡し、動物愛護団体から実際に苦情が来たという』
(〇は自主規制で入れさせていただきました)
偏頭痛をいや増しに増させるようなフラミンゴ記述のオンパレードにごっつぁんです。
もしこれを読んでなお「いいわぁ~、ちょっと見てみたいわぁ~」とうっとりするそこのアナタ、もう立派な変態ですよ。
「蛮行の一部」といいましたが、さきほどの中学時代に一度鑑賞して以来、この映画は二度とみていないため、記憶がかなり曖昧なのですね。
なので実は蛮行の全てであるかもしれないし、めくるめく変態世界の単なるきっかけにすぎないのかもしれない。
でもまあ、とどのつまり、そんなことはどうでもいいことなのです。むしろ、見なくても全然かまわないし、どちらかといえば、良識のある大人は見ないほうが賢明なのであります。(以下、主演ディバインの来歴を記す)
本名Harris Glenn Milstead。
幼少のころから体格は良かったが、女っぽかったために学校では苛められていたという。
高校在学中に本作品の監督ジョン・ウォーターズと出会う。
その後ウォーターズの作品に出演するようになり、一躍その名をカルトムービー界に広める。
1980年代には歌手としても活動。かの有名な音楽プロデューサーチーム、ストック・エイトキン・ウォーターマンによってプロデュースされた「You Think You're a Man」(1984年)がヒットし、ワールドクラブツアーを行った。
一方で肥満による睡眠時無呼吸症候群やうつ病に悩まされ、1988年に心臓発作で亡くなる。
from: IndieWire
ストックエイキンなんちゃらといえば、カイリーミノーグやらリック・アストリーらの80年代洋楽シーンでほんと良く聞いたプロデューサー集団でしたね。
1984年は私がちょうど洋楽を聞き始めた年でしたが・・・・そうか。この年はディバインが歌手デビューを果たした時でもあったのか(感慨深い)
そんな今は亡きディバインに捧げる映画「ピンク・フラミンゴ」。
どうかその色んな意味での輝きを永遠に失わずに、いつまでも人々の心に残っていただきたいと思います。