1992年にリリースされたデビュー・アルバム「Tongues and Tails」からのシングルカットにして、彼女最大のヒットの一つ。
この曲を聞いたのは、おそらくビルボードヒットチャート、もしくはMTVだっただろうか?
特徴的なメロディラインと囁くように歌う女性ボーカルの美貌と魅力に惹き込まれて、ついついアルバムを買ってしまった記憶が。(良かったですが)
これ以降のアルバムは購入したことはないのですが、彼女は今でもショー・ビジネスの第一線で活躍している模様。
少し詳しく彼女の音楽的履歴と、その後の軌跡を書いてみようと思います。
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ホーキンスのディスコグラフィー
いかにもニューヨーカーであり、都会っ子な風貌と雰囲気を持つソフィー・B・ホーキンスは、1967年生まれのミュージシャンにして画家。
1992年のデビューアルバム「Tongues and Tails」から「Damn I Wish I Was Your Lover」という世界的なスマッシュヒットを放ち(USビルボードチャートで5位、UKチャートで20位)、翌年93年のグラミー最優秀新人賞にノミネートされる。
加えて、92年にマジソンスクウェアガーデンで行われたボブ・ディラン活動30周年記念式でライブ出演を依頼された。
続いて94年にリリースしたセカンドアルバム「Whaler」から2曲のヒットを出して(As I Lay Me Downが10位、Right Beside Youが13位)、ゴールドディスクを獲得した。
1998年にはジジ・ガストン監督によるドキュメンタリー「The Cream Will Rise」を制作、ツアーの内容や家族との葛藤などの内面を描いた作品となった。
同じく98年にはサードアルバムをレコーディングしたが、所属会社のソニーが(出たなソニーミュージックエンターテイメント!)リリースを遅らせるように指示。
上層部がアルバムに収録された数曲を修正するように求めたが(楽器であるバンジョーを使用した曲を外せと言ったらしい)、ホーキンスはそれを拒否。
すったもんだの末に、アルバムリリースは一年遅れて99年に発表された。
しかもソニーはこのアルバムのプロモーション(宣伝広告)をしないと宣言。
ホーキンスはついにブチ切れて(かどうかは分からないが)、ソニーから出て、自身のレーベル「Trumpet Swan Productions」を立ち上げることとなった。
ソニーと揉めに揉めた原因となったサードアルバム「Timbre」は、新曲、デモ、ビデオが追加されて新レーベルの元で2001年に再リリースされ、かつてのソニーの重役陣の元に「ご無沙汰しております。クソ野郎の皆様は相変わらずお元気ですか?愛しのソフィーより中指を立てて」と書かれた手書きのメモ付きで嫌味の如く送られたという。(←ここウソです。再リリースまでがリアル)
2004年には、自身のレーベルとして初めてのオリジナルアルバム「Wilderness」がリリース。
2012年にはジャニス・ジョプリンを演じたミュージカルの主演を務め、絶賛を博した。
また同年に前作から8年ぶりとなるオリジナルアルバム「The Crossing」を発表。
2013年にはTVシリーズ「コミュニティー」に出演し、かつてのヒットソング「Damn I Wish I Was Your Lover」と 「As I Lay Me Down」を熱唱し、まだまだ現役の第一線で活躍できる実力があることを多くの観客に証明して見せた。
こうして見てみると、彼女の音楽的人生はまさに「女版ハードボイルド」ともいうべき一途さに彩られておりますね。
特にそのマテリアルに対するこだわりというか、自身が追求する芸術へのあくなき探究心は、たとえそれによって不利益を被るようなことがあっても「己の道は己で切り開く」「そこにおったら邪魔やからはよ退けや!」的なアッコにお任せ激アツなノリに何気に心酔でございます。
すでにその萌芽は記念すべきデビューシングルとなった「Damn I Wish I Was Your Lover」のミュージックビデオにも表れていて、当初に製作された同シングルのビデオがあまりにもエロ表現が過ぎるので、MTV側が「そんなものスケベすぎてテレビで流せないよ」と拒否した経緯があり。(問題のMVはソフィー・B・ホーキンスの公式youtubeアカウントで見ることができます)
後にこれを作りなおしたことで、現在youtubeで見ることができる通常版ビデオが広く流通することとなったわけですが。
これがもしデビューしてすぐで人気も実力も未知数、なおかつオンエアする業界との力関係と比較して圧倒的に弱い立場にあった当時ではなく、人気実力ともに絶頂であった数年後であったとしたら、間違いなくホーキンスはエロすぎるとダメ出しを受けたビデオを躊躇することなくリリースしていたことでしょう。
自由奔放なホーキンスとダーマの共通性
彼女の自由奔放なスタイルは、おそらく両親からのリベラルな思想から育まれていると考えられます。
実際にヒラリー・クリントン女史(元アメリカ国務長官にてクリントン大統領の妻)を支持したり、両性愛者でベジタリアン、なおかつ自然保護を訴える環境運動に熱心に参加していることからも分かるように、まさにヒッピームーブメント世代から受け継いだライフスタイルそのものと言っても過言ではないと思います。
こうした記述を書いていくにつれて、私が明確にイメージしたのは、ソフィー・B・ホーキンスは「ダーマ&グレッグ」のダーマに雰囲気がそっくりだということなんですよね。
アメリカで2002年まで放映されていたホームコメディドラマなんですが、これに登場するヒロインがとにかく自由奔放なんですよ。
若い時のホーキンスはまさにこのドラマのヒロイン「ダーマ」そのもので、むしろドラマ制作側がホーキンスをダーマのモデルにしたのではないのかというくらい、風貌やスタイル、信条が非常にダブります。(実際に同番組が始まったのも97年と、ホーキンスがデビューしてから数年後になる)
年を経てからのホーキンスの風貌は、ダーマの母親役にそっくりになるというのも興味深いですよね。
ダーマの母親役も元ヒッピーでリベラル主義者かつ菜食主義者という設定だったことから、何から何までテンプレの如くリベラリアンな人物像が、ホーキンスのミュージシャンとしての歩みや音楽外の活動と重なって仕方ありませんて。
ちなみに「ダーマ&グレッグ」についてのレビューは以下の過去記事にアップしていますので、よければこちらをご覧になって頂ければと思います。
【海外ドラマ】ダーマ&グレッグは最高に面白かった!
続きを見る
まとめ
ソフィー・B・ホーキンス。
そのスタイリッシュで自由奔放な生き方には「アッコにお任せ」的な心意気を強く感じてやみません。
2012年にジャニス・ジョプリンのミュージカルでジャニスを熱演したことからもわかるように、ホーキンスにはヒッピーやリベラルを体現する”何か”が、その身の内に熱くたぎっており、それが彼女の生き方や醸し出す雰囲気に大きな影響を与えているのでしょう。
それでいて野暮ったくならないのは、彼女が生粋のニューヨーカーだから。
都会的で洗練されたセンスと佇まいは、たとえ年齢を経てかつての美貌が衰えても、なお人々を惹きつける魅力に満ち満ちていると感じますよ。
いなせでキレのある彼女の女前な生き方に憧れる女子も多いのでは?
これからも熱い人生を邁進していってほしいと思いますね!
Sophie B. Hawkins - Damn I Wish I Was Your Lover