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【ジョン・ウィック2感想】 キアヌの怒りがさく裂した怒涛のアクション!

ジョン・ウィック2を見てきました!

前作でかなり衝撃を受けたジョンのアクションと復讐の宴シーンでしたが、続編である今作もその期待にたがわずに観客をギャフン!と言わすことができるのか?

ではではレビューを開始しましょう!

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ジョン・ウィックとはなんぞや?

といいつつ、レビューの前に、まず「ジョン・ウィック」を知らない人のために、簡単に彼のプロフィールを紹介しておきます。

・裏社会では知らない者のいない”伝説の元暗殺者”

・身長は186㎝で無口、ありとあらゆる銃の取り扱い、近接戦闘術に熟達している

・一度ターゲットをやると決めたら、何があっても必ずやり遂げる「悪魔のような男」

・卓越した銃の取り扱いや、近接戦闘術を組み合わせた「ガンファイト」はもちろんのこと、武器がない場合も「鉛筆で人を倒せる男」として恐れられている(今作品の後半でその実技を見せている)

・しかし愛する妻のために引退した

・愛する妻が病気で亡くなって悲しんでいた

・愛する妻がジョンのために「可愛い子犬」を自分の死後に渡せるよう、宅配便に手配していた

・妻の死後に子犬を受け取ったジョンは、子犬を妻の形見、そして将来の希望と思って大切に育てていた

・平穏に暮らす中に、かつて属していたロシアン・マフィアのボスのバカ息子が取り巻きを連れてジョンの家を急襲し、子犬の命と愛車を奪っていった

復讐の宴を開始

・バカ息子とその取り巻きはもちろんのこと、ロシアンマフィアのボスとその組織の大半を壊滅させる

・戦いの後に避難した動物愛護施設のような場所で、可愛い犬と出会い、連れて帰る

・以上

ここまでが前回までの話の流れでしたね。

犬好きは絶対に見るな!キアヌ・リーブスの『ジョン・ウィック』!!

短いながら上記のプロフで、ジョンという男の恐るべきアサシン(暗殺者)としての能力と目的を遂行するための強烈な意志力が示されていると思います。

その卓越した戦闘技術と強靭な意志、そして恐るべき無口さで敵からも畏怖されるジョンですが、今回の映画はそんな自分の「希望」を奪ったアホどもを一掃してから5日後の設定というわけなんです。

これからどんな日々がジョンを待っているというのか?

果たしてジョンを待つ運命とは?

ではレビューしていきましょうぞ、ジョン・ウィックの宴の続きを!!

簡単なあらすじ

前回の復讐劇から5日後、ジョン・ウィックは前作で盗まれた自分の愛車がある、ロシアン・マフィアの本拠に乗り込んだ。

そこは復讐を遂げたバカ息子とその親父であるロシアンマフィアのボスの兄弟が仕切る新たなマフィアの本拠地だった。

ジョンは単身乗り込むと、愛車を取り戻すため、向かってくる部下たちをありとあらゆる方法で倒していく。

ついに愛車を取り返し、最後はボスの部屋に行って和解の乾杯をした。

愛車の救出劇には成功したが、車はボロボロになってしまったので、行きつけのマフィア系修理工場のオーナーであるオーレリオに自宅まで出張鑑定を頼み、修理を請け負ってもらう。

その後、ゆっくりと家でくつろぎながら、かつての妻との日々を思い出して再び鬱に陥るジョン。

しかし新しく家族となった犬とともに、新たな日々を送ろうと、再び手にした武器を地下室の収納所にしまい、夜を過ごそうとした時だった。

玄関のベルが鳴り、出てみると、そこにはイタリア系犯罪組織カモッラの幹部であるサンティーノ・ダントニオが立っていた。

サンティーノはかつてジョンが組織を引退するときに手助けをした人物で、ジョンの豪勢な新居もサンティーノの協力で手に入れることができたのだった。

サンティーノを招き入れ、要件を聞くと、ジョンに再び仕事の依頼を頼もうというのだった。

サンティーノとは血の約束(自らの血を忠誠の誓いの印として鉄のケースに付着させたもの)を行っていて、それは裏世界に属している限りは絶対に守らなければならない掟だった。

しかしジョンは引退したことを口実にサンティーノの依頼を断る。

執拗に依頼するが、これを断られたサンティーノは一度は引き下がり、ジョンの自宅を後にする。

しかしその直後、ジョンの家はサンティーノの放った小型ミサイル弾によって破壊されてしまうのだった。

家を失い、途方に暮れたジョンは、裏世界の中立地帯であるコンチネンタル・ホテルのオーナー、ウィンストンに相談する。

そこで依頼を受けろと勧められ、ジョンはサンティーノの元を訪れて依頼を引き受けたのだった。

そしてそれがジョンの運命を大きく変えていくことになる・・

映画の感想

ではいよいよレビューをいきましょう。

まずは冒頭のシーンから。

いきなり夜の都会の街を俯瞰で映し出し、大音響で繰り広げられる車とバイクのカーチェイスが始まります。

逃げるバイクと追う車との壮絶なチェイス。

最後は車がバイクを追い詰めて、ドライバーからあるモノを奪います。

それは裏社会組織の血の誓いの印である「鉄の印」でした。(正式な名称が分からないので、自分でアレンジしてみました)

運転手は顔を見せないまま、そのまま立ち去っていきます。

このときの運転手と奪った鉄の印の関係は、実は最後までよく分からなかったというところ。

これがジョン・ウィックだったのか、はたまた敵役となるサンティーノだったのか、まったく分からずじまいのまま映画は進んでいくのでした。

そして場面は変わって、ロシアン・マフィアの本拠地。

5日前にジョンによってボスと組織を壊滅させられたことから、その兄か弟が組織の後を引き継ぎ、非合法活動に勤しんでいました。(タクシーの中から金塊や偽札らしきものを取り出す)

そこに愛車を奪い返しにきたジョン。

アジトに乗り込み、いきなり停めてあった自分の車を発進させると、それに気づいたマフィアの手下どもが攻撃を仕掛けてきます。

しかしこれを次々と撃破。

その格闘術とか人間離れしたタフさとかは相変わらずでしたが、超人離れしているように見える戦いぶりも、実は結構傷つき苦しみながら復活を遂げていくというあたりにマクレーン刑事の面影がヒシヒシと。

そんなこんなで、肝心の車をボロボロにしながらも、ついに敵を一掃したジョンは、最後に部屋でガクブルしているボスのところを訪れました。

このボスは側近の部下に「車が惜しければ、いっそジョンをやってしまっては?」と提案されて、

アホか!

と一喝し、その後、その部下にずっといかにジョンは恐ろしいか、武器がなくても鉛筆を使って3人も倒してしまうような化け物のような相手だぞボルシチ!とくどくどくどくど話して聞かせる始末(笑)

ちなみにこのボスを演じている俳優さんが面白くて、かつてキアヌ主演の「コンスタンティン」(2004)で主人公だったゴーストバスターのキアヌを魔界に引きずりこもうとするサタン(悪魔の王)を演じていたピーター・ストーメア。

その垂れ下がった目つきと裏腹にキラリと光る眼が何気に恐ろしい、日本でいえばまるで成田三樹夫さんのようなソフト悪役にふさわしいスウェーデンの俳優さんなのですが、再びキアヌと共演するのが、またこうした人間社会のダークサイドを描いた作品ということで、本当にこの二人は見た目通りに「裏ハリウッド」を体現しているのだなあ、と分かったような分からないような感想を鑑賞中に抱いておりました。

その後、ジョンがテーブルの上のウォッカをグラスに注ぎ、ボスと自分で「くいっ」とあおることで和解成立。

まさに裏社会の締め方にふさわしい平和宣言ですが、その前にどれだけ部下を叩き潰してるかということを考えると、まさにジョンという男は「敵に回してはいけない男」ナンバー1といえるでしょう。

ジョン・ウィックが狙われる理由

そうしてボロボロになった愛車を運転して自宅に帰ったジョンは(この間もよく職務質問とか住民に通報されなかったなあと思います)、上のあらすじに書いたように、かつての雇い主の訪問を受けます。

そしてやり取りの末に家を焼かれる羽目になるのですが、その後、再びサンティーノの元を訪れ、渋々依頼内容を聞きます。

それはサンティーノの実の姉ジアーナを始末してくれ、というもの。

ジアーナは組織のボスだった父から主席の座を譲られ、幹部である弟の彼は常々そのことを不満に思っていたのです。

俺が組織を引き継げば、もっと大きなことができる・・・

しかし自分が姉を始末するわけにはいかない。

そこで出てきたのが、ジョンという男でした。

もちろんジョンが仕事を成功させても、組織のボスで実の姉を暗殺した男として、後で口封じに始末することも考えていたのです。

実際に組織の会合に潜入したジョンはサンティーノの姉の抹殺に成功しますが(ジョンに気づいた姉が自らナイフで手首を切って命を絶った)、その後の逃走ルートでサンティーノの手下が待ち構えてジョンを襲撃、これを見事に撃退します。

このときのジョンの用意周到ぶりは大変リアルで、作戦の準備段階で各種の武器を用意しながら、逃走ルートと思われる地点に武器を隠していきます。

「なんでこんなことをするんだろう?」と最初は不思議に思いましたが、後にサンティーノの部下がそのルート線上でジョンに攻撃を仕掛けてくるとなったときに、「ああ、そういうことだったのか」と納得。

百戦錬磨のジョンは、あらかじめサンティーノが自分を裏切るということは百も承知だったのでしょう。

見事、危機を脱出したジョンでしたが、その後、組織のボスを殺した男として、サンティーノが世界中の殺し屋にジョンの抹殺依頼を注文します。

その額700万ドル!

この大金に目をくらませたアサシンたちは、街のいたるところでジョンを襲撃。

しかしジョンはボロボロになりながらも、驚異的な反撃力ですべてを返り討ちにするのです。

ジョン・ウィックの驚異的な身体能力

ここで少し本編の映画レビューから離れて、ジョンの暗殺者としてのすごさを取り上げていきたいと思います。

まず何がすごいかというと、その近接戦闘能力のハンパない高さ。

特に銃の構えは秀逸で、銃を小さく構えてあらゆる方向に対応できる構えと聞こえはいいのですが、実際には銃撃による反動を考えると、恐らく相当に筋力がないと普通は腕や体が跳ね返ってしまうところ。

しかしジョンはまるで水のように流れるフォームで次々と敵を銃撃していき、見事にすべてを切り抜けていきます。

これは銃に何らかの細工をしているか、ジョンの身体能力が想像を絶するほど卓越しているのか、もしくは映画の見栄え上、そういう演出をしているかのどれかでしょうね。

個人的には夢を見たいので、前者二つを取り上げたいのですが。

そして次はその近接格闘能力。

銃撃を行いながら、銃片手に合気道的な関節技や柔術系の組み技、寝技を持ち込むシーンは、合気道をちょこっと齧っていた自分的には十分に見ごたえがありました。

「ああやって実戦では腕を極めるのか」とか「あの流れであんなシンプルな技が出てくるんだな、やっぱり基本は大事だな」とか色々考えてましたね(笑)

もちろんどれも映画用に作られた技でしょうから、実戦うんぬんはあくまで想像上のものですけど。

しかしとにかく流れるように決めていく「ガン&マーシャルアーツ」の組み合わせは、これまでのどの映画よりも見ごたえがありましたし、合理的であるように感じました。

最後にもっとも「すげえ!」と思ったのは、ジョンの「肉体回復力」です。

いやスタミナといったほうが良いでしょう。

十人以上の敵と戦った後に自分と同等のレベルのアサシンと走りながら渡り合ったり、街中の殺し屋から命を狙われて途中で銃弾を体に喰らっても、苦しみながらきっちり全部倒していく様とか、とにかく雑魚レベルの複数の敵を相手にしようが、プロ中のプロを相手に白兵戦を展開しようが、ボロボロになりながらも、体力を落とすことなく一定の力できっちり仕事をこなすジョンという男は、何度もいいますが、マクレーン刑事のようなタフさをもったニューヒーローということがいえると思いますね。

どっちも同じジョンだし。

ジョンという名前は強さの証明か?

再び映画レビューに戻る(ラストのネタバレあり)

ここで再び映画の感想に戻りましょう。

しかし気をつけてください。

この章ではエンディングにいたるまで全てネタバレしてますから。

映画で直に知りたい!という方は、この章は飛ばして読まれるがよいかと思いますので、どうかご留意を。

ということで続きを。

サンティーノの依頼によって世界中の殺し屋から命を狙われる羽目となったジョンは、さすがに「これはまずい」と思ったのか、かつて自分が救った男に助けを求めます。

その男とは・・・

パウリー・キング!

ご存じ「マトリックス」でキアヌと共演したローレンス・フィッシュバーン演じる街のホームレスを仕切る裏組織のボスで、一見ホームレスですが、実は強力なアサシン組織である猛者どもを束ねるリッチな役どころ。

かつてジョンが命を狙ったときに、あえて殺さずに生かしておいたことから、ジョン的には「助けた」と表現してたように思いますが(このへんは記憶があいまいです)、当のキングは口ぶりこそ「慈悲深いジョンよ!」などと持ち上げてますが、直接に助けを求められると「俺になんの見返りが?」と切り返すクールさというかなんというか。

結局「サンティーノがこの街を仕切ることになったら、あんたらの縄張りもただはおかなくなるぜ」と半ば脅かすように現実面を強調したことで、キングは「OK」を出します。

そしてキングの手下の手引きで、サンティーノの居場所に赴くジョン。

そこはサンティーノの経営する美術館で、逃げるサンティーノを追い詰めながら手下どもを次々に討ち取っていき、最後には「燃えよドラゴン」に出てくる「鏡の間」のようなミラーハウスでサンティーノの一の手下で女アサシン、アレスを倒すのでした。

アレスはジョンがサンティーノの実姉を暗殺するときに、ずっと見張っていた手練れで、言葉が離せない障碍者のような役柄。

全て手話で会話するのですが、それがまた妙にクールで、見た目のパワフルな華麗さも手伝って全体的にスタイリッシュな女アサシン像が演じられていました。

最後はジョンにナイフで一撃を加えられるのですが、絶命しながら「また会える?」と手話でサインを送るところなんかも、なんだかスタイリッシュ。

返すジョンも「ああ」と手話で返すのですが、「もうちょい気の利いたセリフいえよな~」と、ここではちょっと思ってしまいました。

そしてついにやってきた最期の時。

もちろんサンティーノのことです。

裏社会の中立地帯であるコンチネンタル・ホテルに逃げ込んだサンティーノですが、そこにやってきたジョンに一撃で終了。

もちろん、そこは裏社会の中立地帯ですから、いかにジョンといえども、そうした行為は一切認められません。

ホテルのオーナーであるウィンストンはジョンに好意的な人物でしたが、事ここにいたってしまった以上は、いかに彼といえどもかばうことはできないのでした。

「俺はどうなる?」

そう不安げに訊ねるジョンに、ウィンストンは首を振りながら、

「残念ながら追放だ。ただ一時間だけ猶予がある。それが終われば君のプロファイルは組織から削除される」

それは世界中にある、裏社会の管理する中立地帯ホテルも使用できなくなるということを意味しました。

つまりジョンには逃げる場所が無くなったということです。

サンティーノが依頼したジョンの暗殺依頼もいまだ生きており、ジョンはウィンストンの保護が無くなった後は、彼らからの攻撃を一斉に受け続けるということも・・

しかしジョンは屈しませんでした。

「俺を襲ってくる奴らに伝えろ。すべてを跳ね返してやるとな」(映画の中では違うセリフですが、それは作品を見てのお楽しみということで)

こうして公園を後にするジョンと彼の愛犬でしたが、すでに戦いによって満身創痍になっていたジョンは足を引きずりながら、周りの人間から逃げるように走り去ります。

公園にいるすべてのものは、すべてジョンを狙うアサシンだったのです。

彼らはウィンストンによって攻撃を止められており、彼が本部に依頼した「一時間後にジョン・ウィックのプロファイルを削除する」指令が実行されれば、またたくまにジョンを襲うことになるのは明白でした。

こうして再びジョンの逃走劇が始まります。

ただ今は一人でない。

愛犬がそばにいる。

ジョン・ウィックの新たなる最強伝説は、たった今始まったばかりなのです。

 個性豊かな登場人物たち

長文読解お疲れ様です(深々と礼)

大まかなレビューを終えたところで、ここらで作中に出てくる「これは!」と思った登場人物を紹介していきたいと思いますよ。

69年式マスタング(ジョンの愛車)

この車はジョンが妻や子犬の次くらいに大事に思っているアイテムで、前作でロシアンマフィアのバカ息子どもに奪われたときも、今作の冒頭で後を継いだ兄弟のマフィアのアジトで大暴れしたときも、その原動力の一つはこのマスタングでした。

しかし!

そのマスタングも奪還劇のさなかにボロボロになってしまい、ほとんど原型をとどめなくなってしるという・・・

あたかもそれは

カイロ・レンが神のように崇めるダースベイダーのマスクのように

正面から見た車の風貌は、まさにこんな感じでしたから。

この状態を見た修理屋のオーナーであるオーレリオも「この車がいつ直るかって?30年はかかるんじゃないか?」と冗談を飛ばしたくらいに激しくクラッシュ。

実際はクリスマスには直るといってましたが(それも30年後の)、作品の時期がいつなのか分からないので、たぶん半年くらいはかかるんじゃないでしょうか?

マスタング、足のないジョンのためにも、1日も早い復活を望みます。

オーレリオ(修理工場のオーナー)

前作では冒頭のシーンでジョンの車を奪ってきたバカ息子どもに一撃を加えた勇者でしたが(街を仕切るマフィアの息子だというのに)、その後は作品でも出てこずじまいでしたね。

今作ではもっと活躍するんじゃないかと思ってみてましたが、冒頭でジョンに車の修理を頼まれて以来、一度も出てきませんでした。

いや正確には、後半でウィンストンによってジョンの裏組織登録削除がなされたとき、世界中の関係者にメール送られたシーンでちらりと映ってましたっけ。

そのときの表情は実に悲哀に満ちたもので、ジョンがいかに妻を失って悲しみに打つひしがれていたこととか、その車と子犬を奪われて復讐の鬼と化したことへの同情とか、おそらくは長らくジョンと車の修理やケアを通じて、ジョンの心の深いところまで感じ取るようになっていたのでしょう。

そう。

オーレリオは心優しい男なのです。(たぶん)

ゆえに、今作の最後にジョンが組織から登録抹消された上に、世界中の暗殺者から命を狙われる羽目になっても、おそらく次回作では彼を助ける役回りを果たすことになると思います。

だってまだ車の修理が終わってないもの!!

ということで、オーレリオは前作のウィレム・デフォー的に壮絶な最後を遂げることが必定。

どうかオーレリオ、最後までジョンと良き友でいてやってくれ!(勝手に断定してます笑)

コンチネンタル・ホテル・ローマのソムリエ

ソムリエといっても、もちろんただのワインのソムリエではなく、ジョンの武器のソムリエということ。

サンティーノの無茶な依頼で彼の実の姉を暗殺することになったジョンが、滞在するホテルで頼んだのが、このソムリエによる武器の選定です。

見るからに高級ホテルのソムリエといった感じで、丁寧で優雅な物腰で対応しますが、扱うものは最高にデンジャラスなアイテムばかり。

武器に詳しくないので再現できませんが、かなり詳しい種類の武器をジョンに流れるように紹介していました。

そしてこの人物をここで紹介する気になったのは、この俳優さんが、「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004)で出演していたことを思い出したから。

イギリス発コメディ系のゾンビ映画で当時はあまりもの面白さに腹を抱えて笑っていたものですが、そのときに主人公たちのルームメイトとして後にゾンビになってしまう人が、ピーター・セラフィノイスだったということ。

「ジョン・ウィック2」でのソムリエ役としては男前さと優雅さ以外は、特に印象はないのですが、なにせ昔大笑いしたシニカル系のコメディホラーで出ていたのを思い出したものですから、今回あえて取り上げてみました。

なんだかいいですね、自分しか知らなかった的な俳優さんがメジャー系の映画に出てるのを発見した気分というのは^^

とまあ、知らない人にはどうでもいいネタでした。

 通りすがりのメタボな東洋系暗殺者

次は世界中の暗殺者から狙われる羽目になったジョンを襲うデブっちょの雑魚アサシン。

マツコデラックスを目だけ細くしたような東洋人のアサシンは、サンティーノから発せられたジョン暗殺依頼メールをハンバーガーか何かを頬張りながら「うへっ!」という顔で既読、その後、ちょうどジョンが街中のアサシンから逃げているところに、たまたま居合わせたこのデブゴンが「ゴルァッ!」とばかり攻撃をしかけたのであります。

もちろん圧倒的なスキルの差があるので、当然瞬殺かと思いきや、意外や意外、その脂肪まみれの体を生かしてジョンのあらゆる猛攻をしのぎます。

何度も銃で撃たれるも、たぷたぷの脂肪がプロテクターとなってデブゴンを守護、最後のほうには相撲アタックをかましてきて、ここでようやくこのデブゴンが日本人だということが分かります。(もしくは日系)

さすがのジョンも万事休すと思いきや、さすがは伝説の暗殺者、土壇場で一気に勝負をひっくり返し、最後はデブゴンの脳天にドカン!と一発放って終了。

ジョンも息を荒げながら、最後まで健闘したデブゴンに敬意の一撃を再びお見舞いするのでした。

いやすごいぞデブゴン。

裏社会最強の男をここまで追い詰めるとはさすがは日本の誉れ、お前こそこれからの日本文化を引っ張っていく未来のジャパニーズハリウッドスターだ!

いけ!デブゴン!

跳べ!デブゴン!

そんなわけねーよ

というか

相撲取りにあんなやついねーよ

日本人馬鹿にすんじゃねえ!

映画関係者に抗議の雄たけびを上げつつ、そんな感じでなかなか印象に残ったマツコ系アサシンでした。

カシアン(ジアーナ・ダントニオのボディーガード)

最後に挙げるのが、ジョンの最強のライバル、カシアン。

サンティーノの実姉のボディガードで、信頼厚き側近でもある風です。

映画では詳しく説明していないのですが(この作品はだいたいが丁寧に人物設定なんぞ描きません)、守るべきボスのサンティーノの姉にひそかに想いを寄せてる風であり、それだからこそ、自分がガードを外したスキに彼女を死なせたジョンに任務以上の怒りを感じ、執拗に追い詰めるという私の個人的予想。

余談ですが、このカシアンを見てると、シェイクスピア小説の悲劇の主人公オセロと、その妻デズデモーナをイメージしてしまいます。

オセロ(Othello):シェイクスピアの四大悲劇

カシアンもオセロと同じ非白人でムーア人ぽい風貌ですし、仕えるジアーナも年齢を除けば十分美しいですから。

とはいえ、彼女は小説「オセロ」のデズデモーナと違って、マフィア組織全体を統括する女ボス。

当日の会合に来ていた北アフリカ系のマフィア組織のボスに「自分のシマを返してくれ」と懇願されますが、彼女は「それはあんたの部下が勝手に私にくれたものよ。くれたものを返せと言われてもねオホホ」といって軽くいなし、もし自分に歯向かうようなら、恐ろしいことになるわよ、「大切なもの」を親の前でいたぶりながら死なせてあげるから、と非常に恐ろしいことを(”大切なもの”の内容は、あまりにも酷いので、あえてぼやかして表現しました)得意げに話していたので、この人が自分で命を絶っても、まったく同情しませんでした。

しょせんは悪党なのです、この実姉も弟と変わらず。

そして彼女に使えるカシアンも・・・

だからジョンがあえて彼女の手首を強く押して出血を早め、最後は銃でズドン!と頭にぶち込んだのは悪逆非道を繰り広げてきたマフィアのボスに対しては、非常に寛大な処置だといえるでしょう。

そんな大切な悪党の女ボスを殺されて怒り心頭になったカシアンは、ジョンに劣らぬ凄腕で徹底的に追い詰めます。

さすがのジョンもカシアンを振り切れず、いったんは中立地帯であるコンチネンタル・ホテルで和解しますが、後に街でカシアンに攻撃されて、再び激闘を開始。

このときに駅の構内で吹き抜けの通路の2階と一階に分かれて歩いていた二人が、それぞれサイレンサー付きの銃で移動する相手を移動しながら「パシュッ、パシュッ」と可愛い音で攻撃していく様がなんとも面白く、劇場でもクスクスと笑い声が広がってました。

このときの面白さは映像を見てみないと伝わらないと思うので、ぜひご鑑賞を。

そして最後には地下鉄の電車内でナイフ片手の白兵戦を繰り広げ、これも激闘の結果、ジョンはようやくカシアンを撃破。

最期は心臓にナイフを突き刺して、「動脈に刺した。ナイフを放したら出血多量で死ぬ」といい、シートに座るカシアンに自分でナイフを抑えさせたまま、立ち去ります。

その時のジョンの捨て台詞が「プロとして当然の礼儀だ」。

カシアンはそれを聞いてニヤリと笑い、そのまま昇天するのでした。(ジョンとカシアンが中立地帯のホテルで和解した時に、ホテルのバーでジョンに酒をおごったときにカシアン自身が言った言葉を、そのまま返してきたから)

そういうことで、ジョン・ウィックの最強のライバル(だった)カシアンに花束を・・・ご冥福をお祈り申し上げます。

 最後に

前作以上にアクションが切れまくっていた「ジョン・ウィック:チャプター2」。

キャラクター設定も前回よりも濃くなっていて、個性豊かな面々が主人公を真正面から盛り上げて非常にエキサイティング出来栄えになってました。

思うにこの映画が当たった理由は、こうしたジョンを取り巻く多彩な登場人物たちの魅力によるものと、もう一つがゲーム感覚でバンバン命中するジョンの銃撃戦にあると思いますね。

映画の設定では、ジョンの腕前の凄さになるのですが、おそらく観客はこの戦闘シーンを見てるうちに、ある種の快感を覚えてくるのでは?

まるでバッティングセンターでボールをバンバン打ち返す気持ちよさに近いというか・・・映画とはいえ、人を殺めているのだから不謹慎なんですけどね。

だからこそ、そのあたりがシューティングゲーム好きのアメリカ人の琴線に触れたのではないかと思うわけですわ。

そんな中でやはりジョンの戦闘力は素晴らしく突き抜けており、もはやこの人に敵うアサシンなんて世界には存在しないのでは?と感じさせてくれます。

しかしその強さは美しいほどの完璧さ、というのではなく、あくまでダイ・ハードのジョン・マクレーン刑事的なリアル系のタフな強さというのか、

圧倒的な打たれ強さと、卓越した心肺機能、そして驚異の細胞回復能力

この3つがジョンを裏社会最強たらしめていると思うのですが、如何でしょう?

ほかにも「警察とか近所の人とか通行人が、血まみれのジョンを見ても誰も突っ込まない」とか「ジョン、いちいち鬱になりすぎだろ?」とか

「だいたい犬はいったい何の役割があったんだ?」

とかの突っ込みどころは山ほどあるのですが、まあそのへんはあくまで漫画的なダークヒーロー映画ということで、ご容赦ありたし。

そんな流れで、すでに撮影が始まっている「ジョン・ウィック3」の完成を心待ちにしながら、今回のレビューを終わりたいと思います。

あと今回のレビューは、昨日のナイトショーで見た作品の記憶と興奮のままに一気にガガガガガッ!と書き上げたので、内容事実の誤認とか記憶違いとかの記述もあるかもしれません。もし発見すれば、また後日に訂正しておきますね。

ではでは、ジョン・ウィックをまだ未見の皆さん、ぜひとも劇場でジョンの圧倒的な強さと哀愁を目に焼き付けてきてください^^

【ジョン・ウィック】犬好きは絶対に見るな!不死身の男の物語!

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