マイケル・モンローのソロ・アルバム「ONE MAN GANG」のレビューだ。
通算10枚目の作品で、リリースは2019年10月18日。
リリース後すぐに地元のタワーレコードで試聴して「すごいいい!」と感動して、加入しているAmazon Music Unlimited(Amazonの音楽聞き放題サービス)でBGM代わりに移動中や家で聞いてたほどだ。
最近また「モンロー熱」が最燃し始めたので、今回改めてレビューしようと思った。
そんな彼の簡単なバイオグラフィと、アルバム収録曲の一曲ずつの感想をどうぞ!
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マイケル・モンローとは誰だ?
80年代洋楽ロックファンなら知らない人はいないほどの有名なロックミュージシャンだ。
1962年にフィンランドのヘルシンキで生まれ、地元でサックス奏者として活動した後にボーカルに転身したモンロー。
アンディ・マッコイとともにハノイ・ロックスを結成して人気を博し、1984年に全米デビューを控えるまでになった。
しかしメンバーのラズル(ドラム)がモトリー・クルーのヴィンス・ニールが運転していた車に同乗して事故を起こし死亡する悲劇が。
それが影響したのか、バンドはうまくいかずに85年に解散。
その後、バンドは2001年に再結成して、2009年まで活動を続けた。
マイケル・モンローのソロ活動はハノイ・ロックの解散の前後に行われて、これまで計10枚のアルバムをリリースしている。
ハノイ時代から一貫した特徴は「バッドボーイ系」「メロディアスで切れのある」ロック。
ガンズ・アンド・ローゼズのメンバーもモンローのファンだ。
1989年にソロデビューしたモンローのシングル曲「Dead or jail rocknroll」のプロモーションビデオにアクセル・ローズが参加していて、当時洋楽番組でこのビデオを見て「すごい!アクセルが他のミュージシャンとコラボしてる!」と驚愕したのをよく覚えている。
3分あたりでアクセルが登場↓
ビデオを見れば分かるけど、モンローのボーカルスタイルがアクセルと似てるのも、ガンズのギタリストだったイジ―・ストラドリンがハノイロックス時代のギタリスト、アンディ・マッコイと服装やスタイルが似ているのも、アクセルとモンローのそれと同じ理由かもしれないな。(とはいえ、彼らは同年齢で同世代なのだけど)
こんな感じで80年代をロッキンに駆け抜けたマイケル・モンローは、途中でハノイロックスの再結成を挟んで90年代以降も絶え間なくロックな活動を続け、2019年にはさらに進化した爽快系ハードロックアルバム「ONE MAN GANG」を発表したというわけだ。
アルバム「ONE MAN GANG」のレビュー!
数々の修羅場を潜り抜けてきた歴戦のロック猛者マイケル・モンローのアルバムの出来は如何に?
ということで、早速それぞれをレビューといきましょう!
1:ONE MAN GANG
モンローらしいスピード感溢れた爽快系ロック。サビのコーラス部分が気持ちいい。バイクや車で聞くとノレるドライブ曲。
2:LAST TRAIN TOKYO
アルバムで一番良い曲。明るい希望に満ちた歌。アップテンポでキャッチ―なメロディ、日本人が好むポッポテイストも入った爽快系ロックだ。日本の東京がタイトルが歌詞に入っていて、ビデオ撮影も現地で行われてるのが嬉しい。
3:JUNK PLANET
モンローお得意のブルースハーモニカが出てきて「おっ」となる。パンク風ロックがかっこいい。スピード感もいい感じ
4:MIDSUMMER NIGHTS
ミドルスローなバラードソング。青春系の映画やドラマで主人公が街とか海岸を走りだしそうな雰囲気がいい。ちょっとJPOPっぽい良曲。
5:THE PITFALLS OF BEING AN OUTSIDER
スピード系ロック。モンローのシャウトが最初から最後まで止まらない疾走感がいい。いかにもマイケル・モンローという感じの爽快系メロディロック。
6:WASTED YEARS
ブルースハーモニカで始まるワイルド系ロック。ハイスピードが多いモンローのボーカルの中でもミドルテンポなピッチで曲は進む感じ。サビのブルースハーモニカとハスキーボイスがポイント。
7:IN THE TALL GRASS
ちょっと切ない始まりのメロディ系ロック。サビのバックで繰り返されるギターリフがクセになる。曲はけっこう普通。
8:BLACK TIES AND RED TAPE
いきなり畳みかけるようなスピード系リリックでスタートするパンク風ロック。出だしの雰囲気だとそのままパンクのノリでいくのかと思ったら、途中からいつものハードロックに戻った。短いけどパンチ力のある歌。
9:HOLLYWOOD PARANOIYA
ベースラインがかっこいい曲。ミドルテンポだけど、切れのいいボーカルとリズム楽器(ドラムとベース)の仕事ぶりが光る良曲。
10:HEAVEN IS A FREE STATE
サックス風のイントロで始まるちょっとジャジーなロック。パルプフィクションのイントロで挿入されてる雰囲気に似てる。サビ周辺はいつものモンローロックだけど、他とは少し毛色が違う曲かな。一瞬だけどギターとサックスの絡みがカッコいい。
11:HELSINKI SHAKEDOWN
爽快なギターイントロが期待感を持たせてくれる。サビ後のギターソロもカッコいい。ボーカルは意外に普通。ギターが光る曲。
12:LOW LIFE IN HIGH PLACES
憂鬱なイントロ。意味ありげなベース。そしてメロディアスなギターライン。続くモンローの歌も暗く哀愁に満ちている。しかしボルテージはすぐに上がり、熱い魂のメロー系ロックに変わる。人生の悲哀を奏でるギターとボーカルが何だか切なくなる(それでも熱い)
まとめ
アルバムを聴いて思ったのが「前向きになれる曲が多い」ということ。
リリースされたのが2019年なので今のコロナを考えて作られたわけではないのだけど、なんだか「元気出せよ」とマイケル・モンローから言われているような気がするのだ。
とはいえ、歌詞はまだ全部チェックしたわけじゃないから、実際の意図はどうなっているのか分からないけど(笑)
嬉しいのは2曲目の「Last train to Tokyo」のビデオの撮影場所が東京だということ。
東京の街中をメンバーが歩いたり、ライブハウスで観客と一緒に盛り上がったしているのを見ていると、なんだかすごく楽しくなってきてしまう。
きっとモンローが日本に対してレスペクトをもって接してくれているからだろうな。
実際の彼も環境問題や平和に関して信念をもって活動を続けているようで、日本の戦後の歩みもそんな彼の心情とマッチしているのだと思う。
少し歴史的なことを言うと、モンローの母国フィンランドは歴史的に隣国のロシア(後のソ連)に常に圧迫されてきていて、一時期は属国の立場にあったほどだった。
でもロシア革命で帝政が崩れたときに独立を果たし、以降はずっとロシアの後継国家であるソ連と戦ってきた経緯がある。
日本はそんなフィンランド独立のきっかけになったロシア革命の直前に当時のロシア帝国と戦争をして勝利を収め、帝政崩壊を早めた立役者になっていていた。
そのことに大喜びをしたフィンランドでは日本海軍の東郷元帥の顔イラストが入ったビールが販売されているほど。
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さらに数十年後の第二次世界大戦中には、再びソ連軍に国土に攻め込まれ、ソ連に対抗するためにナチスドイツと組んだりして、ロシア(ソ連)から国を守るために全国民を挙げて戦ってきた長い歴史をもっている(当然、ドイツと同盟を結んでいた日本とも関係があった)
そんなフィンランドの国民性が、今のマイケル・モンローの中に息づいているとしたら、日本人として、歴史好きとしてすごく有難いと思う。
そして何よりも、今回のアルバムがすごく良い感じに仕上がっているのが、シンプルに嬉しいこと。
嫌な事を全部吹き飛ばして、前向いて歩こうぜ!とモンローから言われているようで、聞くたびに明るくなれるのだ!
マイケル・モンロー「LAST TRAIN TO TOKYO」で英語学習!
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