ビジネスやマネーに関わる映画作品を紹介します。
取り上げるジャンルは金融、ビジネス、不動産になります。
映画を通じてビジネスやお金、人間についてのあれこれを学んでいければと思います。
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ビジネス・マネー映画おすすめ
金融ムービー
ウルフ・オブ・ウォールストリート
2014年のアメリカ映画です。
主演はもちろんディカプリオ。
監督がマーティン・スコセッシということで、かなりリアルな描写です。
映画の主人公ジョーダン・ベルフォート(ディカプリオ)は実在の人物をモデルにしていて、この人が凄く金を生み出す才能をもっているのです。
金持ちになるために投資銀行に入社するも、すぐに倒産して新たに自分で小株のセールスを始め、そこでめきめきと才能を表してたちまち金持ちに。
早速独立して仲間を集めて自分の会社を作るのですが、この仲間がマフィアくずれや金とドラッグに目がない人間失格の連中などくずばかり。
そんな連中を集めてジョーダンは怒涛のセールスを命令して見事に成功させます。
このときのジョーダンの掛け声が素晴らしい。
「金持ちになりたけりゃ電話しろ!寝ても覚めても電話しろ!それが嫌ならマックでバイトして一生貧乏のままでいろ!」
こんな感じで仲間や部下にハッパをかけて、とにかく顧客に電話して契約を勝ち取る様がかなり爽快でした。
映画のほとんどは金と女とドラッグまみれの描写なのですが、ディカプリオが演じているせいか、それほど汚らしく感じないところも良いです。
セールスの極意は「何もないところに需要を作り出すこと」だということ。
そのポリシーをもとにジョーダンが怒涛のセールスで顧客に波状攻撃を仕掛けていき、ジョーダンらはあっという間にリッチになります。
そして最後はもちろん・・・ご想像の通り。
諸行無常の響きありというやつですね。
ラストのジョーダンの人生はなかなか味がありました。
商売のなんたるかを体現した非常に見ごたえのある映画だと思います。
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マージン・コール
2011年のアメリカ映画です。
投資銀行の破たんが発覚してからの24時間を描いた、緊迫のマネーサスペンスドラマです。
解雇された社員がもっていたメモリースティックに「不良資産」情報がまとめられており、それによって会社存亡の危機に陥ってしまうという流れになっています。
解決に与えられた時間は限られており、その間に集められた首脳陣と若手社員らが共闘して対処する・・・というようにはならず、あくまでCEOの決断で「全売り」が決行されるのです。
結末は映画でご覧頂きたいのですが、映画自体は俳優の豪華さと演技の上手さが際立っていたと思います。
ジェレミー・アイアンズ、ケヴィン・スペイシー、ポール・ぺターニーの3人がとくに素晴らしい演技をしていましたね。
格調高く優雅だけど冷酷な金の亡者のアイアンズ、一見、冷たいように見えるけど、実は会社と仕事に誇りを持つスペイシー、見たまんまでやんちゃだけど、実はお金の不安を抱えているポール。
それぞれの役柄で上質な演技をこなしていて、見ていて飽きなかったですよ。
あとは投資銀行で勤める人種の感覚が、少し伝わって来たような気もしましたね。
金融の専門用語がちょくちょく出てくるので、その意味で勉強になると思いますよ。
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投資銀行の経営破綻を描いた「マージン・コール」鑑賞レビュー
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ウォール・ストリート
2010年のアメリカ映画です。
1987年に大ヒットした「ウォール街」の続編になっています。
配役は前作に引き続いてのマイケル・ダグラス。
主人公になる青年はシャイア・ラブーフ。
ラブーフ演じるジェイコブは務めていた証券会社がブレントンの策略で潰されてしまい、尊敬していた上司もそれで自殺してしまいます。
自身も財産を失い、復讐を誓ったジェイコブは、刑務所から出ていたダグラス演じるゴードン・ゲッコーと出会うことで、ブレントンに金融的な攻撃を仕掛けていくのです。
この間の金融操作を絡めた策略はその方面の素人である自分には少々、分かりにくかったのですが、ブレントン率いる投資銀行の圧倒的な権力や、そのトップであるブレントンの迫力は他のどのアクション映画のボスよりもリアリティを感じました。
ジェイコブが敵の懐に入ろうとブレントンのもとで働くことになるのですが、このときのジェイコブとブレントンとの会話が「資本主義」の闇の一面を表している名文句です。
ジェイコブ「あなたは十分にお金を持っているはず。一体どれくらい気が稼げば気がすむのですか?」
ブレントン「もっとだ」(限界はないということ)
さらにかつての金の亡者ゴードンも娘の金を持ち逃げしたりして、なかなかな屑ぶりを発揮するのですが、結局は孫のために戻ってくるという軟弱ぶりも発揮します。
こうした金の魔力に取りつかれた大人に立ち向かう青年と恋人の戦いですが(ゴードンとは組むのですが)、金融知識の有無はともなく、この間の駆け引きはかなり面白かったですね。
金持ちの底抜けの欲深さを見たければ必見です。
マネートレーダー
1998年のイギリス映画です。
主演は世界的スターのユアン・マクレガー。
物語は実際に起こった社会的事件を描いていて、かなりリアルで息詰まる内容になっています。
イギリスを代表する投資銀行ベアリングスの社員だったトレーダー、リック・ニーソンが取引の失敗を隠ぺいしたうえにさらに先物取引を続行したため、それがもとでついに銀行を破たんに追い込んでしまうというもの。
英国の王族も利用していた由緒正しい銀行の破たん事件ということで、当時(1995年)はかなり世界的なニュースとして扱われたと思います。
映画は淡々と主人公リックの業務と生活を描いていくのですが、途中で破たんのもとになった損失とそれを覆い隠すようになった辺りで、生々しい感情の動きや人間の弱さが表に出てきます。
また労働者階級の出身だったリックと経営者側(貴族階級)の視点も興味深く、イギリスが階級社会であることを思い知らされましたね。
かなり実録ものなのでエンタメ要素はないのですが、そのぶん、金融の世界のリアルさや怖さを真正面から分かりやすく描いているなと感じました。
先物や証券に興味のある人はぜひともご覧あれ。
リストラムービー
カンパニーメン
2010年のアメリカ映画です。
映画公開の2年前にリーマンショックがあって世界経済が大混乱に陥りましたよね。
その後に起こったアメリカのビジネスマンの悲哀を描いた内容になっています。
出演俳優がベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ、ケヴィン・コスナー、クリス・クーパーという当代きっての実力派俳優ばかりなので「これは観ねば!」と劇場鑑賞しました。
内容は大手ゼネコン会社の社員が、リーマン不況のあおりを受けて次々に首になっていくのが大幅なあらすじです。
その間に展開される悲劇や人間模様がリアルであり、心温まるものであり、こういう大変な時にこそ、人間の本当の姿があぶりだされるのだなと胸に染みました。
一番良かったなと思うのが、ケヴィン・コスナー。
主演のベン・アフレック演じる元エリート社員の奥さんの兄の役柄で、エリート風を吹かしていた義弟が首になって苦境に陥っているのを見て、自分が営む大工業のバイトに誘うところです。
普段からブルーカラーをバカにしていた義弟だったのに、それを知っても何も言わず、逆に困ったときに黙って手を差し伸べた寡黙で男前な役柄に惚れましたね。
他にも同じように首になって求人相談所で集まっていた仲間とへこたれずに前向きに生きようとする姿勢とか、首になったことで人生に悩んで自ら命を絶ってしまう悲哀とか、悲喜こもごもな人生模様を真正面から描きつつ、決して暗くならない雰囲気が好きになりました。
見た後に「よっしゃ!頑張るか!」という気分にさせてくれたので、ぜひ同じように仕事や人生で悩んでいる人がいたら、鑑賞をお奨めしたい作品です。
どんなに辛くても、きっと仲間や家族がいることで乗り切れると思わせてくれる良作ですよ。
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不動産ムービー
摩天楼を夢見て
1992年のアメリカ映画です。
不動産会社の営業マンたちが「成果を出せなければ即クビ」という極限状態で、生き残りをかけて戦う姿を描いた濃密な会話劇になっています。
アル・パチーノやジャック・レモン、アレック・ボールドウィン、ケヴィン・スペイシーなど豪華キャストが勢ぞろいしていて、それぞれの演技が本当に見応えありました。
特に印象に残ったのは、ジャック・レモン。
焦りや哀愁がにじみ出ていて、言葉のひとつひとつに重みがありました。
アレック・ボールドウィンの登場シーンもわずかですが、彼の放つセリフがあまりにも強烈で、その後の展開を一気に引き締めてくれます。
舞台劇に原作を持つため、台詞の一つ一つに鋭いビジネスの現実と人間の弱さが投影されているのが魅力。
また登場人物の会話がまるで戦いのようで、派手なアクションはなくても手に汗握る展開が続きます。
セリフの応酬や間の取り方など、まさに“演技合戦”という感じで、演劇を観ているような緊張感があり。
タイトルの『摩天楼を夢みて』からはちょっとロマンチックな印象を受けてしまいますが、実際にはそこまでではないという笑
内容とのギャップに最初は驚くかもしれませんが、俳優陣の豪華さとセリフ回しの絶妙さが素晴らしく、これはこれで名作だと思います。
会話劇が好きな方にはぜひ観てほしい一本です。
インサイド・ジョブ
2008年の世界金融危機に至るまでの過程を追い、不動産の分野で発生したモーゲージバブルや証券化商品の裏側を、徹底的な取材と鋭い分析をもって明らかにした2010年のドキュメンタリーです。
マット・デイモンのナレーションによる冷静かつ切れ味鋭い語り口と、関係者たちへのインタビューが絶妙に組み合わさり、複雑な金融システムの崩壊が驚くほど分かりやすく描かれています。
金融界の内幕や、利益追求のあまり見落とされたリスク、不動産市場に隠れた数多の矛盾・・・
また業界内部の複雑な取引や、規制の甘さ、莫大な利益を追うエリートたちの姿も冷静に描写されているため、ドキュメンタリーとしての信頼性も非常に高いです。
さらに観ていて強く印象に残ったのは、金融機関の無責任な行動だけでなく、それを許容・後押しした政府や学者たちの存在です。
格付け会社が危険な金融商品に高評価を与え、投資家たちがそれを信じたことで、世界中で多くの人々が職を失い、家を失ったということ。
その構図はまさに「巨大な詐欺事案」とも言えるもので、金融取引の恐ろしさと虚しさが詰まった作品化と。
その一方で監督の姿勢が少し攻撃的すぎるようにも。
インタビュー相手を問い詰める場面では、「追い込む」ことが目的になってしまっているような印象を受け、もう少し客観的な視点で構成されていたら、より説得力が増したのではと感じました。
前盾木には専門知識がなくても理解できる構成や、視覚的に整理された図表の数々は秀逸で、経済や金融の知識が乏しい自分でも最後まで引き込まれました。
バブル、投資、住宅ローンなど、不動産にまつわる経済の仕組みも絡んでくるので、社会や経済の「なぜ?」に興味がある人には間違いなく刺さる内容です。
知識を得るだけでなく、考えさせられることの多い作品だと思います。
マネー・ショート/華麗なる大逆転
2008年のリーマン・ショックを題材に、金融危機の内幕を描いた2015年の作品です。
クリスチャン・ベール、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピットといった豪華キャストが出演。
サブプライムローンの危険性にいち早く気づき、金融市場の崩壊に賭ける姿を描いています。
ライアンゴズリングが銀行員で、取引先の投資会社の社員と組んで超難解な金融商品に賭けるシーンは、なかなかに見応えがありましたね。
特にクリスチャン・ベール演じるマイケル・バーリの独特なキャラクターは秀逸。
サブプライムローンの欠陥をいち早く見抜く天才なのですが、天才過ぎて「アブない」キャラクターになっているという、ベールの演技力の高さが光る配役でした。
スティーヴ・カレル演じるマーク・バウムの激情的な演技が印象的でしたし、ブラッド・ピット演じる伝説的なトレーダーが最後には大儲けしながらも、教えを乞いにきた若者に「人が死んでるんだ!儲かったからといって、はしゃぐんじゃない!」とたしなめているところは「最後の良心」という感じがしましたね。
金融危機の背景をエンターテインメントとして楽しみながら学べる作品であると思いますし、経済に興味がある方はもちろん、社会の仕組みに関心がある方にもおすすめの一本です。
まとめ
経済やマネーに関する海外映画を紹介してみました。
当ブログは株式や英語を学ぶ内容になっているので、そのどちらも含んだコンテンツということで特におすすめだと思います。
何よりも「楽しみながら」お金や英語を学べるのが良いですよね。
今後もマネーに関する英語作品があれば「鑑賞&レビュー」していきたいと思いますよ!
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