ハリウッド映画に登場するバイクは、ただの乗り物ではなく「ファッション×世界観」そのもの。
キャラクターの個性を際立たせ、ストーリーに躍動感を与える存在として、見逃すことができない「相棒」といえるでしょう。
今回はそんな映画に登場するバイクを、筆者自身が映像で確認した実在のモデルと合わせてセレクトし、バイクの特徴や向いている人、ファッションとの相性まで、映画のシーンとともにご紹介します。
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年代別:映画で活躍したバイクたち
【1960年代】
1:Triumph TR6 Trophy 『大脱走』(1963)
映画『大脱走』でスティーブ・マックイーンが乗ったバイクは、英国のトライアンフTR6 Trophyがベースとされています。
TR6 Trophyはもともと軍用やオフロード走行に適した耐久性の高いモデルで、空冷並列2気筒エンジンを搭載。
映画では、脱走劇の緊迫した場面で主人公がこのバイクを駆り、名シーンとなったフェンス越えのジャンプもこのモデルで撮影されました。
シンプルながら頑丈な作りは、オフロードでも安定した走行が可能で、悪路や困難な地形を乗り越える性能を持ちます。
スタイルファッション
映画の背景となる第二次世界大戦の軍用車両としての歴史も感じられ、冒険心あふれるライダーに特に向いていますね。
ファッション面ではミリタリージャケットやレザーグローブ、ブーツといったタフで実用的な装いが、映画の世界観をより引き立てるでしょう。
2:Harley-Davidson Hydra-Glide & Panhead(カスタムチョッパー )『イージー・ライダー』(1969)
1940〜50年代のHarley-Davidson Hydra-GlideとPanheadをベースにしたカスタムチョッパーです。
クラシックなアメリカンバイクの代表格で、大胆にロングフォークやカスタムハンドルバーが装着された「自由と反体制」を象徴するスタイル。
映画での長距離ツーリングシーンは、バイクの軽快な走りとエンジン音が印象的。
自由を求める若者たち、最後に訪れる悲劇。
バイクスタイルやファッションはもちろん、社会と人生の表と裏を描いた映画として、後世に大きな影響を与えた作品ですね。
ファッション
アメリカンカスタムを愛するライダーに最適。
ファッションはレザーのジャケット、デニム、ブーツとバンダナといったワイルドなスタイルがおすすめです。
【1980年代】
4:Kawasaki GPZ900R 『トップガン』(1986)
トム・クルーズ扮するマーベリックが滑走路を爆走するシーンで登場したKawasakiの名車GPZ900R。
世界で初めて最高速250km/hを達成した市販車としても有名で、当時のテクノロジーを結集したフルカウルのレーサーレプリカです。
映画の中でもマーベリックのスピード狂な性格や自由さを象徴するアイコンとなっています。
ファッション
80年代のスーパーバイクブームをリアルタイムで知る世代や、映画『トップガン』に憧れてバイクに乗り始めた方々に向いたモデルでしょう。
ファッションとしては、MA-1やフライトジャケット、スリムジーンズにスニーカーで“ミリタリースタイル”を意識するのがおすすめですよ。
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【1990年代】
5:Harley-Davidson FXR 『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』(1991)
ミッキーローク主演の『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』で主役が駆るのは、Harley-Davidson FXRシリーズのカスタムモデル。
軽量かつ高剛性なフレームを持ち、伝統的なアメリカンクルーザーの味わいと走りやすさを両立。
映画ではアウトロー的な自由と反逆精神を象徴するバイクとして描かれ、無骨なスタイルが強烈な存在感を放ちます。
私もこの映画に影響されてバイクに乗るようになりました。
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ファッション
クラシックアメリカンクルーザーのスタイルを愛し、個性を大切にするライダー向き。
黒のライダースジャケットやジーンズ、重厚なブーツと合わせると、映画さながらのワイルドな雰囲気が楽しめますね。
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6:Harley-Davidson Fat Boy 『ターミネーター2』(1991)
アーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-800が跨ったバイク、Harley-Davidson Fat Boyです。
大型で重厚な車体は圧倒的な存在感を放ち、無言のヒーロー像を体現しています。
映画では、ショッピングモールからの逃走シーンなどで何度も登場し、バイクアクションの代名詞となるほどのインパクトを残しました。
ファッション
乗り味は重めながらも安定感があり、直進性に優れた設計。
ゆったりと風を感じながら走りたいライダーや、クラシックアメリカンに憧れる人向きです。
黒のライダースジャケット、ジーンズ、ブーツといったシンプルな無骨スタイルがベストマッチ!
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7:Harley-Davidson FXR Super Glide『パルプ・フィクション』(1994)
クエンティン・タランティーノ監督の傑作『パルプ・フィクション』の終盤、ブルース・ウィリス演じるボクサーのブッチが、脱出の際に乗るバイクとして登場するのが、Harley-Davidson FXR Super Glideをカスタムした一台です。
作中では「グレース(Grace)」という名前がつけられており、もともとは汚職警官ゼッドが所有していたもの。
あの有名なセリフ「バイクじゃない、チョッパーだ」が印象的なシーンです。
FXR Super Glideは、1980年代にハーレーが販売していたモデルで、当時としては高い走行安定性と整備性を備えたバランス型のクルーザー。
劇中ではカスタムされたチョッパースタイルで登場し、長めのフォークやエイプハンガーハンドル、独特のペイントが特徴的です。
ファッション
武骨でワイルドなこのバイクは、都会のアスファルトを堂々と走り抜けるスタイルにぴったり。
ファッション的には、ヴィンテージ系のレザージャケットやダークデニム、エンジニアブーツなどが似合い、クラシックで男臭いアメリカンな雰囲気を楽しみたい人におすすめです。
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【2000年代】
8:Triumph Speed Triple 『ミッション:インポッシブル2』(2000)
トム・クルーズ演じるイーサン・ハントが砂煙を上げて海辺で激しいバイクチェイスを繰り広げるシーンで登場しました。
ネイキッドバイクの先駆けとして知られ、スリムで攻撃的なデザインが特徴です。
エンジンはパワフルで俊敏、街中の機動力にも優れており、アクションにぴったりですね。
ファッション
都会的でスポーティな乗り味を好むライダー向きです。
タイトな革ジャンにジーンズ、ブーツといったシンプルながらワイルドな装いがマッチし、映画のアグレッシブな雰囲気を演出しますよ。
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9:Ducati 996 『マトリックス・リローデッド』(2003)
トリニティ役のキャリー=アン・モスが高速道路を逆走する緊迫の逃走シーンで活躍したバイクです。
ファッションの本場イタリアのバイクだけあって、流線型のボディは美しく、強烈なエンジンサウンドが特徴です。
高速走行性能が高く、映画の近未来的な世界観と相性抜群ですね。
ファッション
スピード感とデザイン性を重視する洗練されたライダー向き。
レーシングスーツ風のレザー上下や、シンプルながらクールなスポーツウェアがおすすめです。
Harley-Davidson FXSTS Springer Softail 他 『団塊ボーイズ』(2007)
映画『団塊ボーイズ』(原題:Wild Hogs)で主人公たちが乗るのは、ハーレーダビッドソンの各種モデル。
なかでも印象的なのが、ウィリアム(マーティン・ローレンス)が乗るFXSTS スプリンガーソフテイル。
長いフロントフォークとクラシカルなスプリンガーサスペンションが特徴で、ハーレーの伝統的なスタイルを色濃く残した一台です。
ほかにも、ロードキング、ダイナ・スーパーグライド、スポーツスターなど、アメリカンバイクの名車が勢ぞろい。
中年ライダーたちの“第二の青春”にふさわしいラインナップとなっています。
劇中では、都会のストレスから抜け出し、自由を求めて荒野を突っ走る男たちの姿が、バイクとともにユーモラスかつ爽快に描かれます。
ファッション
ツーリングスタイルに似合うのは、レザーベスト、ジーンズ、バンダナといった王道アメリカンスタイル。
大人の余裕と遊び心を感じさせるコーディネートで、映画の世界観を楽しんでみては?
10:Custom Harley-Davidson V-Rod 『ゴーストライダー』(2007)
主人公ジョニー・ブレイズ(ニコラス・ケイジ)が乗るのは、カスタムされたHarley-Davidson V-Rodです。
独特の存在感を放つこのバイクは、ハーレーの伝統的なイメージとは一線を画し、モダンでパワフルなデザインが特徴的。
V-Rodは、ポルシェとの共同開発による水冷Vツインエンジンを搭載し、力強い加速と滑らかな走行性能を実現しています。
映画では、炎に包まれた幽霊ライダーとしての姿に合わせ、カスタムパーツや特殊効果でさらに迫力あるビジュアルに仕上げられています。
ファッション
ハーレーの伝統と革新を融合したい人に最適なスタイルですね。
レザーのジャケットやブーツ、ブラックジーンズで統一し、ダークでワイルドな雰囲気を演出すると映画の世界観にマッチしますよ。
【2010年代】
11:Lotus C-01(ライトサイクル風モデル)『トロン:レガシー』(2010)
『トロン:レガシー』に登場する近未来バイク「ライトサイクル」は、SF映画ならではのスタイル。
光を放ちながら仮想空間を疾走するシーンが印象的です。
現実には存在しない架空のバイクですが、そのデザインコンセプトを強く反映した実在モデルが、2014年に登場したLotus C-01です。
Lotus C-01は、ロータスの名を冠しながらもドイツのKODEWA社が手掛けたコンセプトバイクで、炭素繊維やチタン、航空グレードの鋼材を使用。流れるようなカウルと低く構えたシルエットは、まさに“現実に現れたライトサイクル”と呼べるほどの未来感をまとっています。
見た目だけでなく、エンジンにはKTM製の1195cc Vツインを搭載し、パワーも十分だと思われます。
実際に公道用として限定販売されたこともあり、コレクターズアイテムとしても人気の高い一台です。
ファッション
ブラックやシルバーを基調としたシャープなスタイルが似合い、ライダー像はハイテク志向の都会派といったところ。
レース使用のバイクスーツがイメージとぴったりですね。
12: Harley-Davidson Night Rod 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)
キャプテン・アメリカがワシントンDCの街中を走る際に乗ったバイクです。
パワフルなクルーザーでありながら近未来的なスタイリングが特徴。
迫力あるエンジンサウンドと力強い走りが印象的です。
ファッション
伝統と革新を両立させたい個性的なライダー向きです。
タイトな黒革ジャケットにシンプルなデニムやブーツを合わせると、映画のヒーローのような雰囲気を楽しめますよ。
13:Kawasaki Z1000 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)
✅Yamaha YZF‑R1(マックスのバイク)
主人公マックス(トム・ハーディ扮)がフューリオサとその5人の“妻”を助ける逃走劇の序盤、彼が乗るのはYamaha YZF‑R1ベースのモンスターカスタムバイクです。
ボロ布や毛皮で覆われたミューテーションスタイルながら、俊敏な操縦性とパワフルなエンジン特性を活かしたアクションシーンは圧巻。
スリリングな黒煙と砂塵の中で疾走し、これまでのマッドマックス像を革新する瞬間でした。
ファッション
スピードとアグレッシブさを追求するライダー向き。
ファッションは砂塵に負けないタフなレザージャケットとブーツを合わせ、ワイルドかつ機能的なスタイルが似合います。
✅Yamaha YZ250F(ロックライダーたちのバイク)
砂嵐の渓谷で繰り広げられる“ロックライダー”集団との壮絶なバトルでは、彼らが使用するモトクロス仕様のYamaha YZ250Fベースバイクが活躍します。
舗装されていない岩場を縦横無尽に駆け巡れる高い機動性を持ち、ヒルクライム仕様のロングスイングアームやノブタイヤで戦闘走行に特化。
砂煙に巻かれながら繰り広げる群走アクションは、映画のダイナミズムを象徴しています。
ファッション
オフロード魂を持つライダーや、よりタフな走りが好きな人におすすめ。
ファッションは砂塵に強いギア類、ゴーグル・エンデューロブーツで揃えると実戦的です。
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14:BMW R nineT Scrambler 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015)
イーサン・ハントが街中で乗りこなす同モデルは、レトロモダンなデザインと高性能を両立したスクランブラー。
オフロードも街乗りも楽しめる万能選手で、カジュアルながらも高級感ある見た目が魅力です。
ファッション
ライフスタイルにこだわる都会派ライダー向きでしょう。
デニムジャケットやミリタリーブーツで、自由でアクティブなイメージが合います。
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15:KTM 450 EXC(カスタムバイク )『トリプルX:再起動』(2017)
ザンダー・ケイジ(ヴィン・ディーゼル)が南国ジャングルや海の上を駆け抜けるアクションシーンで使われたのが、KTM 450 EXCをベースにしたと思われる特注カスタムバイクです。
フローティング装置を装着し、水上走行も可能にした大胆な改造が特徴です。
映画では、ジャングルの密林を縫うように疾走したかと思えば、そのまま海面を滑る驚愕のスタントが展開され、型破りな主人公の個性を強調。
ファッション
機動性と多様な地形対応力を兼ね備えたこのバイクは、冒険好きでチャレンジ精神旺盛なライダーにぴったりです。
ミリタリースタイルやタクティカルギアでアウトドア感を出すと、映画の世界観にマッチしますね!
16:Kawasaki Ninja ZX-10R 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)
パリの街中での迫力あるチェイスシーンで映えるKawasaki Ninja ZX-10R。
最新鋭のスーパースポーツバイクです。
軽量かつパワフルなエンジンで、最高速度と安定感が両立。
運動神経が抜群のイーサンにぴったりなモデルですね。
ファッション
トップスピードと俊敏性を追求する本格派ライダー向き。
レーシングジャケットやヘルメット、グローブなどのフル装備で、抜群のスピード体験を味わってくださいな。
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17:Honda CRF450X 『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019)
ニューヨークの夜の街を駆け抜けるバイクチェイスで使われたモデル。
軽量で高性能なオフロードバイク。
舗装路もダートも自在に走れるため、激しいアクションに適しています。
ファッション
向いているのは、冒険心旺盛でオフロードも楽しみたいライダー。
ミリタリージャケットやタクティカルパンツで、男らしさと機能性を両立させるのがポイントです。
【2020年代】
18:Triumph Bonneville T120 『007:ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)
ジェームズ・ボンドが魅せるクラシックスタイルの代名詞。
1959年の初代モデルの伝統を受け継ぎつつも、現代的な性能を備えています。
映画のシーンではレトロさがボンドの身に着けるスーツとの相性が良きですね。
ファッション
クラシックなデザインと快適な乗り心地を両立させたいライダー向きです。
レザージャケットにシンプルなシャツとジーンズで、大人の余裕を演出しましょう。
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19:Kawasaki Ninja H2 『トップガン:マーヴェリック』(2022)
最先端技術を結集したスーパーチャージャー搭載のKawasaki Ninja H2。
前作同様にマーヴェリックが疾走するシーンは感動的でした。
攻撃的なフォルムと強烈なパワーは、映画のスリルと完璧にマッチしています。
ポイント
最先端の性能と斬新なデザインを求めるエンスージアスト向きのモデルでしょう。
レーシングスーツやライダージャケットを選び、未来感を演出する出で立ちでライド!
20:Honda CRF250R 『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』(2023)
イーサン・ハントがノルウェーの山岳地帯で崖からジャンプするシーンで使われました。
カスタムモデル風の出で立ちで。軽量なモトクロスバイクをベースに、ジャンプ性能を最大化するための特別なチューニングが施されていると推測します。
スタントとCGを組み合わせたスリリングな演出を支えたジャンプシーンは、MIシリーズでもトップレベルのクオリティを備えていると思います。
ファッション
オフロードやトライアル、アドベンチャー走行を楽しみたいライダー向き。
オフロード用のプロテクター入りジャケットやモトクロスブーツを合わせ、アクティブでスポーティなスタイルを楽むライドにおすすめです。
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まとめ
以上、筆者自身が確認できた映画上でのバイクモデルを紹介してみました。
映画に登場するバイクは、映像美の一部であり、キャラクターの個性を際立たせる重要な要素。
バイク乗りの人はもちろん、これからバイクに乗ろうと考えている人にとって、何らかの役に立てれば幸いです。
ぜひ、お気に入りの一台を見つけて、あの名シーンのような風を感じてくださいね!
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