
90年代に活躍したロックバンド、シンデレラのパワーバラードです。
バンドの4枚目アルバム「スティル・クライミング」(1994年)に収録されたバラードで、歌詞と合わせて個人的にかなり心に響きました。
全体的にハイクオリティな仕上がりのアルバムの中でも、この「though the rain」は本当に心に響く一曲。
今回はそんな懐かしい青春時代にハマったロックバラードについて語っていきます。
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バンドの苦境と復活

アルバムジャケ(オリジナル版)のはしごとタイトルの「still climbing」(いまだ登り続ける)は、まさに当時のバンドの決意を示したもの。
シーンがロックから離れつつあっても、自分達は本当に好きなものをやり続けるんだ、という熱い想いが、天につながるはしごに託されています(当時のアルバムレビューでそう聞いた記憶が^^)
82年にバンドを結成し、ボンジョビに見いだされて「ナイトソングス」でデビューを果たしてからは、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでシーンを駆け抜けてきた彼ら。
3枚目のオリジナルアルバム「ハートブレイク・ステーション」(1990)で郷愁感溢れるサザンロックアルバムをリリースした後、ボーカルのトム・キーファーの喉の調子が悪化し、新作の製作が遅れに遅れたといいます。
そして94年。
様々な苦難を乗り越え(声の喪失や母親の死)、ついにキーファーと彼の仲間は渾身の一枚を世に送り出したのです。
「Still climibing」(登り続ける)
タイトルの和訳はあくまで私が勝手に想像して書いたので、公式には違うのかもしれません。
しかしバンドとキーファー自身に降りかかった困難にもめげず、あくまで上を目指して歩み続ける彼らの固い意志を示したようなアルバムジャケとタイトルにその意味を見出したのです。
とはいえ、好事魔多し。
このアルバムも結局はセールスに恵まれず、バンドは契約していたレーベルから解雇されてしまいます。
さらに1987年以来、キーファーやバンドを支えてきた妻と離婚。
バンドも95年に解散という、踏んだり蹴ったりの憂き目にあってしまうのです。
登り続けると固く誓ったあの時、あの言葉は嘘だったのか・・・・?
雨の後には必ず光がある、と歌ったあの曲は数あるバラードソングの一つに過ぎなかったのか・・・・?
全ての喜びと悲しみは渾然一体となって、気が付けば忘却の彼方に消え去っていた幾十年。
様々な苦痛と困難、障害を乗り越え、ついにキーファーと彼のバンドは帰還を果たすのです。
97年に再結成したバンドは、ベストアルバムのリリースを中心に、ライブやツアーを精力的にこなしていき、2006年には同年代の同志であるバンド、ポイズンとともに20周年アニバーサリーツアーを行うことに。
このツアーは20006年に行われたツアーの中で、最も成功したツアーの一つとして数えられるまでとなり、一晩で一万2000人を動員するに至ったといいます。
そして2013年。
ついにボーカルのトム・キーファーは長年温めていた自らのソロ・アルバムを発表することとなりました。

その名は・・・・・
とまあ、ここまで書いたが、このネタは改めて別の機会にするつもりなので、今回はとりおき、「スルー・ザ・レイン」のレビューということでお許しください。
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20年の年月を経てついに念願のソロアルバムをリリースするに至ったキーファーの心境は、まさに「雨の後に光がやってくる」だったのでしょう。
スルーザレインのオリジナル和訳とレビューまとめ
喉の障害、妻との離婚、バンドの解散という雨。それにくじけることなく、己の道をひたすら進み続けたキーファーとその仲間たち。
そういう意味でも、このバラードソングは20年前に彼と彼の仲間が誓った「前に進み続ける」ことへの決意であり、そしてその結実だと確信しています。
ということで!
歌詞のオリジナル和訳をお伝えしましょう!
困難なのは分かっているよ
世界がおかしくなっていくときに真実を見つけることが
難しいことも分かってるさ
ページをめくり、前を進んで、信念を持ち続けるってことも
光が現れたとき、それを見ることさえできないときもある
この世界が冷たく凍えるように感じるときもある
苦しみの海の中で自分を見失うときだってある
でも雨間を越え、太陽は輝くんだ
苦しみを越え、雨の狭間から太陽は輝くんだよ・・・
光を信じて進み続けること。
単純で安易かもしれないけども、すべての真実はここにあると思います。
シンデレラよ、そしてトム・キーファーよ、永遠に・・・
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