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プロ野球のスカウトが主人公の漫画「ドラフトキング」を読んだ感想

2023年4月18日

kindleコミックで無料版が出ていたので、試しに読んでみた「ドラフトキング」3巻。

WBCで自分の中で野球が盛り上がった勢いで「野球漫画」を探している時に見つけました。

プロ野球の球団スカウトが主人公の漫画で、2018年からヤングジャンプで連載されています。

一癖も二癖もあるスカウトたちが織り成す「野球を巡る人間模様」といった内容。

主人公の郷原という男の曲者ぶりも、彼の相棒的な存在になる神木という若手スカウトの青臭いまっすぐさも、いかにも「ありがち」が展開だと最初は感じました。

ただ、読んでいくうちに不思議と登場人物たちに引き込まれていくのですよ。

彼等の同僚になるスカウターたちや、ライバル関係にある他チームの凄腕スカウトとの絡み、スカウトの対象になる野球選手たちとのやり取りなど、派手な動きはまったくない展開なのに、いつのまにか物語が紡がれていく不思議さ。

おそらくストーリーのベースにある「野球が好きな者のまっすぐな思い」が胸を打つからだと思います。

今回はそんなスカウトたちの漫画を読んで感じたことを綴っていきましょう。

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神木と郷原の出会い

一巻はスカウトの郷原が高校野球の選手と言葉を交わすシーンから始まりました。

ブロッコリー頭の鋭い目つきな「やさぐれたおっさん」が若い選手に「お前はプロに向いていない」と宣告すると、それに反発した高校生の選手が言葉を返す流れでした。

これを見て「ああ、主人公はこういう感じで見込みのない若手に引導を渡していくんだな」とすぐに感じました。

そしてこの選手はあくまで主人公のキャラを紹介するための「だし」で、ストーリーには二度と現れてこないのだろうと。

しかしそれは間違いでした。

郷原にプロ野球選手としての適性のなさを宣告された若手は、後に球団スカウトとして郷原の後輩とすて共に働くことになるのです。

彼の名前は神木

後に郷原をして「良いスカウトになる」と言わしめた、青臭いまっすぐなスカウターの誕生でした。

このような感じで、序盤から「郷原視点のマンガではない」ということを示してくれたのです。

どちらかというと「神木」目線といいましょうか。

平凡で常識的な性格の神木はいわば「読者の目線・読者の気持ちを代弁する存在」になるのだなと。

シャーロック・ホームズでいうところのワトソンになるのでしょう。

個性的なスカウトの面々

郷原、神木の2人以外にも、スカウト部には下辺スカウト部長、飯塚、大越、大津らが在籍しています。

下辺部長はいかにも「ベテランスカウト」という風体で、ラフな物言いだけど、部下の郷原らを信じて仕事を任せるような親分肌の性格の持ち主です。

飯塚は元プロ選手で、茶髪&ガングロの女好き、業界言葉のチャラいキャラ。

いかにも「質が悪い」雰囲気を醸し出していて、清〇とか中〇をモデルにしてるだろ、と思わせるリアルさを感じさせてくれます。

ただスカウトとしての才能は一流で、元プロ選手としての目線で鋭く若手を判断していく様はかなりカッコいい。

大越はデータ重視の理論派で、直感派の郷原や現場畑の飯塚とはあまり相性がよくないという。

これだけみても「個性豊か」な面々であることがわかりますし、それでいて「よくあるスポーツ漫画のよくある個性的な面々」という印象も否めないなとも最初は思いました。

いわゆる「ありがちなキャラ設定」といいましょうか。

でもですね・・・それが不思議と違和感がなくなるんですよね。

「癖の強いキャラ設定」が気にならなくなり、むしろそれが「アクセント」になってキャラの深さに味付けするといいますか。

なぜかというと、やっぱり彼らの多くが「元プロ選手」であること、その物言いや視点が経験に裏打ちされた深さをともなっているということにあるから。

郷原や下辺はプロ選手かどうかは分からないのですが、少なくともベテランのスカウトで、数多くの選手を発掘して育ててきた実績があって、その口から発する言葉に重みあるんですよ。

そこに読者目線の神木がいて、データ派の大越の綿密さと安定感があるところがいい。

一見、皆がバラバラでまとまりのないスカウトチームですが、共通の目標ができたときの不思議な団結力がなぜか心地いいんですよね。

初めて知ったスカウトの仕事内容

子供の頃から野球は友達同士でやったり、家でテレビで見てきたりしてきたのですが、プレーする選手以外の仕事を詳しく知ることはありませんでした。

このマンガはそれを結構生々しく取り上げていて、優秀な選手をどうやって自分達側に引き寄せるのか、親や先生をどうやって味方につけるのかなど、「おお、こうやって接触していくのか」と。

選手の体調やプレーの癖、家庭環境も含めた「スカウト」なんだなと。

そんななかで主人公的な存在の郷原は、一件「やさぐれ」なスタイルながら、実は綿密に選手を見ていて、コミュニケーションを細やかに取るタイプで、相手の将来も見据えた発言で心を掴んでいくタイプ。

同じチームの飯塚もチャラ男ながら、選手の癖を的確につかみ、元プロならではの分析を交えた評価を下していくタイプなんです。

部長の下辺もスカウトした選手の成績をしっかり掴んでいて、選手が引退を決意したときに、両親より前に連絡をもらうほどの信頼を得ています。

神木はそんな先輩の優れた点を学び、ドラフト1位で獲得したはいいけど、自信喪失ですっかり落ちぶれた若手を「強く温かい言葉」で復活させるまでになりました。

郷原のライバルになる凄腕スカウト「毒島」も見るからに「ヤバそうな」見た目をしていますが、誰よりも選手のことを知ろうとし、選手としての環境づくりに邁進する姿がいいなと思いました。

スカウトの仕事は野球だけにあらず。

入団後の精神的なケアや良き相談相手になって、選手が独り立ちできるようになるまでサポートしていくことにあるということ。

どこまでが本当の業界話なのか分かりませんが、選手を使い捨てにするのではなく、一人の職業人として陰ながらサポートしていく描写に心動かされるものがありました。

「ドラフトキング」の先がもっと読みたくなった

無料版3巻までの感想を述べてみました。

当初は一匹オオカミな存在だった郷原が、ある流れを通じて後輩の神木を認めていく様子は潔かったですし、実は誰よりも選手のことを考えて動く彼の「心の奥行きの深さ」が3巻以降にどう描かれていくのか、かなり楽しみなところでもあります。

見た目や話し方はやんちゃだったり、やさぐれていたりするスカウトたちですが、選手に真剣に向き合っていく描写は読んでいて熱い心にさせてくれましたしね。

野球好きの人は楽しめると思うので、未読の人はぜひ読んでみてくだされ!

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