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予想以上にハマった!人気漫画「ザ・ファブル」レビュー

2021年2月24日

週刊ヤングマガジンで連載され、高い人気を誇る連載マンガ「ザ・ファブル」をようやく読むことができました。

「えっ?今頃?おそっ!」

と思われるかもしれませんが、そうなんです。わたくし、流行りものにはあまり敏感なほうではなくて。

とはいえ、さすがに映画化されたマンガとなれば注目しないわけにはいかず・・・ようやっと重たい腰を上げて読むことにしたんですね。

凄腕のアサシンの物語ということで、自分の中では「ジョン・ウィック」を連想していたのですが、実際にはあそこまでシリアスではなくて、もっとユーモラスかつ心打たれる部分もあり。

画風は一見「チンピラ漫画」なんですが、中身はけっこうハートフルな描写もあって、これがなかなかハマりました。

そんなわけで、どんな設定なのか?どうハマったのか、どこが魅力的なのか?を語らせてもらおうと思います。

*2021年2月時点での無料サービス本の感想になります。

ファブルと呼ばれる伝説のアサシン(暗殺者)の物語

物語の設定は「凄まじい腕前で裏社会で伝説的存在となったファブルという一人の男が、相棒の女性とともに一年間の休養を兼ねて大阪で普通の暮らしを始める」というもの。

マンガの序盤は逃げる組員の二人組をファブルが追い詰めて始末をつけるところで始まります。

銃の扱い方や心理描写で「ファブルの凄さ」が表現し尽くされていて、ここでいきなり「ファブル伝説」の一端を見ることになります。

マンガのタッチは決して上手いというわけではなくて、どちらかといえば影のあるヘタウマな雰囲気の描写。

でも妙にリアリティのある描き方で、グイグイ引き込まれてしまうんですよね。

ファブルには美人で明るい性格の相棒の女性がいますが、彼女も子供の頃に両親が死んで組織に拾われ育てられた「わけあり」な過去があり。

彼女は恋人というわけでもなく、組織から共に行動するように命じられて、いつも一緒にいるという感じです。

そんなファブルがボスに「一年間、大阪で二人で暮らせ。その間は決して殺しもするな。普通の生活をしろ」と命じられて、相棒の女性と土地勘のない大阪で生活を始めることに。

住む先で世話になる地元の組織との絡みや、普通の人として過ごすファブルの「どこかずれた感覚」が笑えてきて、サクサク読み進めることができます。

ファブルの面白さは意外性

ただ凄腕で超一流の腕前をもつ殺し屋というだけなら「ゴルゴ13」の二番煎じになってしまいます。

でもファブルのちょっととぼけたところや、他の人とは少し違う生活習慣の差が妙におかしみを感じさせてくれますし(枝豆を皮ごと食べるなど)、そこがこのマンガの魅力の一つになっていると感じます。

子供の頃に山の中でナイフ一本だけを渡されてサバイバルさせられたファブルだからこそ、「匂いに敏感」「極端な猫舌」「基本は食べ物はそのまま食す」習慣が身に付いたのでしょうし、そこを時々笑いに変える描き方も「うまいな」と感心しました。

ファブルの過去についてですが、無料版(1~3巻)までの知識しかないので、実際はもっと先で説明されているのかもしれませんが、ここまでの自分の予想では、たぶん彼は組織のエリートとして特別な訓練を受けていたのではと思います。

赤ん坊の頃にすでに才能を見込まれていて、病院から持ち去られたとかですね(あくまで推測)

こういうくだりはマンガ「あずみ」でも観たことがあって、主人公の「あずみ」たちは幼いころに暗殺者集団に拾われ、頭から戦いの訓練を受けて刺客集団へと成長していきます。

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これと同じく子供時代から組織の薫陶を受けたファブルや洋子は、まさに現代に蘇った刺客のようなものだろうなと。

そんなファブルがボスから命じられた「一年間、普通の人として暮らせ」

その日から始まった相棒との生活で見せる、ファブルの心の動きや発言、行動がいちいち「面白く」、基本はバイオレンス系マンガなんですが、やたらと笑えます。

わざと喧嘩に負けるときの心理描写、組員とのやりとり、お笑い芸人のしょーもないギャグで爆笑する姿、ペットのインコとのハートフルな会話などなど・・

凄腕で任務のためなら平気で暗殺する「まさかそんな一面をもたないだろう」と思わせるキャラクターだからこそ、そうではない脱力感溢れるキャラ設定がおかしみを感じさせえてくれるんです。

ベースにあるのはバイオレンス

とはいっても、舞台はあくまで裏社会。

なので、どうしても血なまぐさい描写や、えげつない設定が度々出てきます。

普段はゆるいファブルも、本気を出したら恐ろしい暗殺者の面を見せますし、まわりの人間も闇社会に関わるキャラがメイン。

子供の教育にはよろしくないマンガともいえます。

ただこの手のマンガって、昔の少年ジャンプでは普通にあったんですよね。

現代の必殺仕置き人である「ブラック・エンジェルス」もそうでしたし、一見軽いタッチのマンガに見えた「シティーハンター」も実は裏社会の住人を扱った作品でしたから(元刑事ですが)

とくにブラックエンジェルスなんかは、自転車のスポークで相手を暗殺する生々しい描写があったり、狙う相手の外道っぷりが少年漫画で見せていいの?というくらいにバイオレンスだったり、セクシャライズだったりしたもので。

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それに比べると「ファブル」はそこまでえげつない描写があるわけでもないですし(無料版を読む限りでは)、むしろファブルのひょうひょうとした脱力キャラが、周りの「えげつなさ」を中和してる感すらありますからね。

ファブルのまわりにいる裏社会の人たちも、なぜか憎めないキャラが多くて(若頭の海老原や弟子志願のクロ)、堅気には手を出さないという一定の節度を持っていたり、ファブルに憧れるあまりに間抜けな行動で笑わせてくれたりと、ただのバイオレンスマンガではない「ゆるさ」が、多くの人の支持を得ているのだと思います。

結論:続きが読みたくて仕方がない!

無料版ですっかりハマってしまったので、4巻以降を購入して読む予定。

kindle unlimitedの無料版設定はよく考えられていて、これから面白くなりそうという展開で有料にしてくるんですよね。

さすがはアマゾン、商売上手です。

*無料版の設定はあくまで2021年2月時点での情報になります。

ともあれ、ファブルは想像していたよりもずっと面白くて、バイオレンス漫画だけれども、どこか憎めない登場人物たちの存在が安心できる要素になっていました。

もちろん基本は青年漫画なので「ヤバい」人たちの描写もそれなりにありますし、お子さんには「ちょっと・・」ですね。

そしてこのファブル、2014年の登場以来、2021年6月時点で900万部を突破したということ!

実写版映画も公開されていて、2019年と2021年に2作品が世に送り出されています。

主演が岡田準一さんということで、一見真面目風ですし、格闘技や武術の達人である俳優さんなので、まさにファブルにはうってつけですね。

マンガのほうも連載が続いているようなので、今回読んで一気にファンになったので、これもぜひチェックしておきたいところですね!

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