2010年にフランスでデビューしたシンガーソングライター、ザーズ。
アルファベットでZAZと書くので、最初に見た人は「?」と思うかもしれないけど、これザーズって読むんですね。
この前タワーレコードに行ったら、最新アルバムを見つけてしまいまして。
おお、綺麗な女性だなと思い、そばにあったヘッドフォンに耳を当てて聞いてみると、これが良いのなんのって。
それまで店内でイギリスやアメリカのチャートを賑わしているなんちゃらな若手ミュージシャンのCDを嫌ほど聞いてて、「なんだかなー」とげんなりしてたところだったのですわ。
どれも同じパターンというか、歌い方もリズムもメロディーもみんな金太郎飴を切り取ったような感じで、何枚か聞いてると飽き飽きしてくるんですよねえ。まさに商業ミュージックというノリに。
でもこのザーズのアルバムはそれらと全く一線を画してて、なんといいましょうか、本当に音楽そのものが楽しくて嬉しくて跳ねながら歌ってますというのが、聞いててありありと伝わってくる感じがして、「あ、これは買いだな」と久しぶりに思ったわけです。
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ザーズとは?
結構大きめのタワレコだったんですが、広い店内を時間つぶしにウロウロしていて、けっこうな数の試聴をしたんですが、その中でピンと来たのが、このザーズと椎名林檎さんだったというわけで(笑)
どちらも女性で、なおかつ不思議な活力に満ち溢れているアーティスト(まさにこの表現がしっくりくる!)というのが、お二人に対して私が持った印象なんですね。
とはいいつつ、その日は他に用事とお金が必要だったんで、CDは買わずじまい。後日必ず購入しまする!と心に固く誓いながらネットチェックで改めて彼女のことを調べてみると・・・・
ヨーロッパではかなり有名なシンガーだということ。
それもエディット・ピアフの再来といわれているくらい、超がつくぐらい実力派のシンガーソングライターだとか!!
フランスのトゥールに生まれたザーズは、幼いころに音楽の専門学校に通って、バイオリンやピアノ、音楽理論などを学び、奨学金を得て有名な音楽学院に入学したそうです。
そこでさらにジャズ、バスク音楽、キューバ音楽、ラテン音楽、アフロ音楽、クラシックなどに影響を受けて、現在のスタイルの原型を型作ったといいます。
面白いのは、地元トゥールからボルドーに移った期間に、歌のレッスンだけではなく、カンフーのレッスンも受けていたということ。
それもプロのコーチについて学んでいたということだから、この頃の彼女に一体何があったんでしょうね?(笑)(ジャッキーチェンの影響を受けたとか)
でも後年のライブアクトを見れば分かるように、ザーズの跳ねるようなステージアクトや、歌の合間のリズミカルな仕草などは、カンフーで得た身体操縦法が基礎となっているような気がします。
カンフーというと、単に映画で見るような敵と戦うアグレッシブなものと思いがちですが、実際には様々な訓練を通じて、自分の身体の感覚や効率的な動かし方を会得していくものでもあるんですね。
この頃の練習を通じて得た体の操縦法が、後年の彼女独特のライブアクトに深く影響していることは間違いないと思います。
そして「Je veux」
さてそんなザーズが一躍有名になったのは、「モンマルトルからのラブレター」というデビューアルバムから。
このアルバムに収録された「私の欲しいもの」(je veux)のビデオクリップが話題を呼び、ザーズ人気に一気に火がついたという感じのようです。
ご覧のとおり、本当に楽しそうに、しかも体を使いこなして歌っている彼女の姿は、一度見ると多くの人が虜になる魅力に満ち溢れていますね。
顔立ちは整っていて美人なのですが、むしろコケティッシュというか、少しボーイッシュでいたずらっ子風の雰囲気を醸し出しているところが、これまたいい感じですね~
日本でのライブも!
歌ももちろん良くて、シャンソン風なんだけど、ジャズやポップスの要素もふんだんに散りばめらていて、それでいて背景にある跳ねるようなリズムが、単調になりがちなアコースティックソングをより一層楽しげなものにしてくれている感じがします。
日本でも数回ライブを行っていて、中でも2012年に京都の嵯峨嵐山にある大徳寺で行われた『大覚寺音舞台』というコンサートでは、素足で大覚寺の美しい舞台装置の上で思うがままに歌を披露してくれています。
フランスには日本の歴史的建造物や伝統芸能に理解がある人が結構多いそうですから、きっとzazもその一人なんでしょう。
あれほどの芸術的才能に恵まれた人なら、必ずや悠久の時の流れに垣間見る歴史の美学を感じ取ることができるでしょうから。
ダブルプラチナ、ゴールド、ダイヤモンドと、ありとあらゆるレコード賞を獲得したザーズは、ヨーロッパだけではなく、ラテン諸国や日本でもファンが急増中ということです。
イギリスやアメリカのチャートでは彼女の名前を聞くことはあまりないような気がするのですが・・・・私の聞き損いでしょうか?
英米と欧州との文化的相違というのは、なにか結構深いような気がしますね。
山頂で「Je veux」を歌う!
あとなぜか、モンブランの山頂に登って「Je vuex」を歌った模様。
モンブランと言えば、ヨーロッパ最高峰の山なので、本格的な登山準備が必要なんですが、実際にザーズは事前に訓練を積んで挑んだそうです。
その甲斐あってか、山頂で立派に歌いこなしに成功!
さすがは元カンフーマスターです(笑)
いや、笑いごとじゃなしに、こういう体力仕事のときほど、培ってきた身体操縦法が生きてくるんですよね~。
youtu.be考えてみれば、歌もステージングも立派な体力勝負の仕事ですから、彼女の全てのアーティスト活動の基本に、カンフーで培ったパワーと身体テクニックが生きてるんじゃないでしょうか。
そんな感じで、ザーズのあれこれを紹介してきましたが、彼女の新譜『PARIS~私のパリ~』は来年1月28日発売開始予定のようです。
ファーストシングルの動画を見ましたが、これ完全にシャンソン風、ピアフ風の出来上がりになっているようですね。
彼女のフランス歌文化への深い愛情が込められた作品になっていると想像します。
最後に
たまたま歌詞検索で拝見したサイトで読ませてもらったのですが、Je veux(私の欲しいもの)の歌詞がザーズらしくて、すごくいいですね。
歌と訳詞:Je veux (私の欲しいもの)~Zaz (ザーズ) | フランス語
彼女の自由なキャラが目いっぱい表現されてて、跳ねるような楽曲のリズムとすごくマッチしてて、読んでいてほんと楽しくなりますがな!