コメディ系スパイアクション「キングスマン・ゴールデンサークル」で使われている曲を紹介しようと思う。
今年の初めに劇場で映画鑑賞して以来、ずっと私の頭の中でヘビロテしてる熱い曲「カントリ―ロード」だ。
正式にサウンドトラックとしてアルバムに収録されているわけではないので、あくまで挿入歌といったところだが、それだけに映画のみで味わえる切なさがまた良い。
これを歌う人物は、作品でも重厚かつユーモラスな存在感を示したマーリンだ。
ダンディな男が歌う「カントリー・ロード」がとにかく熱いのである。
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渋い男マーリンが最後に決めた男前すぎる「カントリーロード」!
カントリーロードとはアメリカの国民的歌手ジョン・デンバー(1943年~1997年)のデビューアルバム「リズム&リーゾンズ」(1969年)に収録されたシングルソング。
71年にシングルカットでリリースされ、全米ビルボードチャートで2位の大ヒットを放ったデンバーの代表曲ともいえる歌だ。
フォークソング歌手だったデンバーらしく、牧歌的な曲調と哀愁溢れる歌詞が心に深く響く名曲である。
私自身、カントリーやサザンミュージックが大好きで、その自然や故郷を思い起こさせてくれるメロディにいつも胸が打たれてしまう。(都会育ちの癖に)
そんなデンバーの名曲をキングスマンの2作目では、名優マーク・ストロングが実に渋く、そして泣かせてくれるシーンで朗々と歌い上げるのだから、これはもう涙で目が曇るしかない。
敵地に潜入したキングスマンのメンバーだったが、密林の中で地雷を踏んでしまい、味方を逃がすために自らが囮になって敵をおびきよせ、自爆するシーン。
そのときに歌うカントリーロードが劇場の大音響で聞いたときは、これが感動ものだった。
今回の作品はキングスマンの本体が敵の攻撃で壊滅してしまい、アメリカの「ステイツマン」という民間秘密組織に援助を受けて反撃を開始するという筋立てのためか、アメリカ文化がかなりフューチャリングされていた。
その流れの中でマーリンが歌い始めたのが「カントリーロード」。
オリジナルはジョン・デンバーだが、映画の中のマーリンの歌はその自己犠牲の気高き姿のせいか、より輝いて見えた。
自爆するマーリンも前作に続けて主人公を助ける役柄で、普段はすごく誠実でユーモラスだけれども、その心には一筋の熱い炎をたぎらせるタイプで、そんな彼だからこそ、自らの身を犠牲にして味方を助ける「陰の主役」が最も似合う男前だと自分は感じた。
いわばエグジーやハリーが太陽だとすれば、マーリンは月というイメージだ。
そんな彼が最後に歌った曲も、これまた「カントリーロード」(故郷を想った歌)なのだから、胸にググッと迫ってくる。
彼らが戦う場所は東南アジアのカンボジアだが、キングスマンの故郷(ふるさと)は波濤を越えたはるか彼方。
最も忠実なるキングスマン(紳士)であるマーリンにとって「想うべき地」とは、遠く離れたロンドンにこそあるのだ。
カントリーロードの歌詞と訳
Almost heaven
West Virginia
Blue Ridge Mountain
Shenandoah River
Life is old there
older than the trees
Younger than the mountains
growing like the breeze
Country roads, take me home
To the place, I belong
West Virginia, mountain mama
Take me home, country roads
そこはまるで天国のよう
ウエスト・ヴァージニア
ブルー・リッジの山々
シェナンドー川の流れ
人々の営みは続いている
木々たちよりも古く
山々の歴史よりは新しいけれど
そよ風のように息づいている
故郷へ続く道よ
私を故郷へと連れて行ってくれ
私が居るべき場所へ
ウエストバージニアの母なる山へ
私を連れて行っておくれ、カントリーロードよ
最後に
まさかキングスマンでカントリーミュージックを耳にすることになるとは思いもよらなかった。
音楽のジャンル的にはレーナード・スキナードを始め、ディクシー・チックスやブラック・クロウズ、キッド・ロック、ジョニー・ウィンターなど、カントリー、サザンロック、ブルースの範囲でいうと「メジャーどころ」しか知らないのだが、今回のマーリンの熱唱を見て、自分の中で久しく眠っていたカントリー熱に火が付いたような気がした。
映画としては、天下のエルトン・ジョンが暴れまくっているために「コメディ系アクション」ノリが炸裂した感があるが、マーク・ストロングの激リアルな歌と目力がそこに幾分かの「人生の真実」を含ませているように思う。
熱い男と、その奏でる歌に乾杯。
マーリンよ!永遠なれ!
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