2年ぶりのスターウォーズ最新シリーズ2作目「最後のジェダイ」。
昨晩レイトショーで観てきました。
ウィークエンドということもあってか、普段なら空いているレイトショー上映の劇場が満員御礼の状態。
「さすがは期待作・・」と感嘆しつつ、上映が始まり
「A long time ago in a galaxy・・・」のロゴとともに物語は始まりました。
そしてその先には・・・
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注意!激ネタバレありの「最後のジェダイ」レビュー
はっきり言いましょう。
今作は想像以上に「突っ込みどころ満載」の作品でした。
見どころもあり、心奪われるシーンもあって、すべてにおいてダメダメだったとはいえませんが、総じていえば「ぬるい」の一言に尽きます。
なにが突っ込みどころが多いか、ぬるいのかというと、前作「フォースの覚醒」からうすうす感じていたことなのですが、配役も含め、ストーリー展開に無理やり感が強すぎるのですよ。
ルークを訪ねたレイの修行を描くシーンが適当だったこと、短期間しか修行していないはずのレイがカイロ・レンとタメを張るほどにフォースの使い手になること、カイロ・レンの超能力ばりのフォーステレパシー能力でレイに接触することや、スノークのあの結果・・・そして何よりもレイアでさえも「フォースの導きで死地から生還する」というでたらめさ!
結局、皆が皆「フォースのインフレ化」に手を貸してしまい、まるでアベンジャーズかお前らは!という「スーパーヒーロータイム」な展開が繰り広げられるわけですよ。
しかしそういうくだりはまだ我慢できます。
だってフォースは無限だから。
生命と生命をつなぐ「見えない力」なのだから、一見不可能に見えることも実は可能なのかもしれません。
しかしそれをも凌ぐ恐るべき「無理やり感」が作品には存在したのです。
フォースのインフレ化ですら、どうしても越えられない「無茶な設定」の壁・・・
その壁とは「新シリーズの新キャラクター」たちである
「ポー」「フィン」「ローズ」
の3人です。
彼らの
「その役柄、必要か?」「そういう演技いらんだろ?」
に始まって
「その作戦なんの意味があったの?」「その戦いはどうつながるの?」
でヒートアップし、ついには
「お前らの存在自体が無茶ぶりなんだよ!怒」
的な怒りのコメントを書かせるに至ったラスト付近の驚愕のキスシーンには、きっと多くの観客の度肝が抜かれたことでしょう。(別の意味で)
詳しい怒りの内容は次章の各キャラのレビューに書いていますが、まあこの3人、とくにフィンとローズはひどかった。この2人が映画をダメにしたと思えるくらいに。
この2人が出ているシーンがなくてもストーリー上、何の問題もないですし、むしろ出てこないほうがリラックスして楽しむことができた。
というか、この二人(特にローズ)のためにスターウォーズの新作が作られたような気すらしてきます。
ローズよお前は!マーケティングのためか?それとも政治的な意図が?
ネットで散見するだけなので、どこまで真実なのか分かりませんが、スターウォーズはアジアで人気がないらしく、そのための客引き用のキャスティングというのが、このローズ役の天童よしみ似のアジア系の女優さんの起用になったのでは?という話も語られています。
彼女は中国系に見られがちですが、実はベトナム系の移民で、この新作に出るまではほとんど無名だったようで、監督曰く「誰でもない無名の人間が活躍できる役柄」というコンセプトのもとに起用を決めたとか。
まあそれはそれでいいのですが、それならもっと画面映えする無名女優を雇えとか、せめて演技をもう少しマシにしろとか、この二人を演出する脚本がひどすぎるだろうという声も多いですね。
ここからはあくまで私の考えになるのですが、スターウォーズがアジアで人気がないのは、単にストーリーがアジア人受けしないという以上に、独裁国家が目立つ地域のために「民主主義」「反乱軍」が物語のテーマ・主軸になるスターウォーズシリーズは、政権の安定のために流行ってもらっては困るという当局の思惑も関係しているのかもしれないということ。
特にアジアの巨大国家である中国。
一党独裁の国家ですが、やはりこの国でもスタウォーズは人気がないようで、前作「フォースの覚醒」もいまいちだったとか。(やはり中国ではヒットしない「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」)
これが単純に映画の内容がお国柄に合わないとか、サーガとして浸透するには過去のシリーズ公開が遅すぎた、という理由なら、仕方ないのでしょうが、もし国家の意図がそこにあったとしたら・・
巨大なアジア市場で作品をヒットさせて、映画とその関連グッズでバンバン儲けたいアメリカの興行側からすれば、そうした思想上の縛りをかけてビジネスをコントロールしようとする独裁国家の存在は非常に疎ましい以上の何物でもないでしょう。(実際に外国資本の厳しい規制( 外資に関する規制)と言論統制がある( 中国改革派論客がSNS断筆))
その16億人という市場規模の巨大さから、金儲けをするために不必要な法律や政治体制を覆したいと、ひそかに願う資本家勢力が何かを画策しても不思議ではありません。
実際に帝国主義時代真っ只中の19世紀で、巨大な中国市場めがけて欧米帝国主義が殺到し、イギリスが戦争を吹っ掛けて屈服させて清国(当時の中国の国家)に屈辱的な条約を結ばせ、自国に超有利なビジネス契約を結ばせまくった経緯がありますから。(その結果をみた幕末の志士たちが、清国の二の舞になることを恐れて、明治維新を決行したといわれています)
今の時代はさすがに戦争を吹っ掛けることはないでしょうが、代わりの手段で市場の完全開放を狙う手立てはあるぞと。
現在のトランプ政権が「アメリカ第一主義」を掲げて中国やロシアを批判するのも(米国家安全保障戦略「中露は修正主義国家」)、自国の雇用問題や安全保障への脅威という理由以外にも、そうした金持ち連中の思惑が働いているということも十分にあり得ます。
その一つが映画を使った宣伝活動で、スターウォーズもその一つであると。
起用したアジア系の女優が中国と南シナ海の領有権問題で対立しているベトナムからの移民の子弟というのも、なにか非常に意味ありげな気もしますしね。(ベトナムのしたたかな対日・対米外交に中国メディア警戒感)
中国資本であれば、単純に中国系の女優を使えばいいことですから。
映画産業のキャスティングも、そうした国家の世界戦略に乗る形で動いているのかもしれません。
というか、スターウォーズの設定自体が「独裁vs民主主義」なのですから、映画そのものが強烈なメッセージとして政治工作の宣伝活動に使われても不思議ではないですね。
そうだとすれば、少なくとも私の中では、SWが中国で流行らない理由ははっきりしているような気がしてきます。
しかし!
だからといって、ローズの配役は許すことはできません。
映画は映画。
作品の質を落とすキャスティングは、たとえ万が一にも、国家戦略の働きがあったとしても、スターウォーズファンとして認めるわけにはいかないのです!
ローズ、フィンよ!私の貴重な時間を返すのだ!!(詳しい怒りの内容は次章「各キャラの設定と評価」でどうぞ)
しかしルークは最高だった!
やはり今回の「最後のジェダイ」ではルークの存在感は圧倒的でした。
ラストには男の生き様すら感じましたし、かつての作品でクワイ・ガン・ジンやヨーダ、オビ・ワン・ケノービらが体現した「フォースとの一体化」レベルにまで到達することができたと。
あの流れは本当に感動して、涙すら流しそうになりましたから。
ルークがいるからこそ、スターウォーズ8という3部作最後につなげる継ぎ目の作品が「光りあるもの」になった。そう感じます。
各キャラの設定と評価
ではここから各キャラクターの説明と、自分的な感想を個々に述べていきたいと思います。(かなり長いのでご覚悟を)
レイの場合
惑星ジャク―で反乱軍とのつながりをもった、若きフォースの使い手。
もちろん最初はその能力に気づきませんでしたが、反乱軍に加わってその戦いに参加することで、徐々に力に目覚め、カイロレンとの出会いで一気に爆発します。
今作はレイ自らがレイアの依頼で隠遁生活を行うルーク・スカイウォーカーに会いに行くというところで始まりました。
そこで皆が期待するのは「ルークがレイを修行するのではないか?」ということです。
もちろん期待通りにフォースについて伝授され、見事にその能力を開花させます。
しかしその修行の期間、実際に映画の中で展開されたトレーニングシーンは、あまりにも断片的だし、ルークが直接教えるというよりも、レイが自主トレ―ニングしているという印象です。
「ルークをも超える潜在能力を持ったフォースの持ち主」であるレイに「フォースの核の部分」とその扱い方さえ伝授すれば、もともと武術の達人的な要素のあったレイには十分だ、という設定も成り立つと思うのですが・・・
かつて武術の素人だった若き頃のルークは、たとえその潜在能力が父ダースベイダーに匹敵するほどだったとしても、師匠ヨーダのきちんとした教えがなければモノにならなかったという経緯がありました。
実際に半端な状態でベイダーに挑んで左手を切り落とされるのだから、やはり修行の完遂は必要だと思わせてくれたシーンです。
そしてレイの場合ですが、ごくごく短期間のトレーニングでスノークに挑み、カイロレンの助力があったとはいえ、スノークを倒し、その配下を打倒していくという、ジェダイマスターなみの強者に変化するという、フォースの摩訶不思議。
ご都合主義かよ!と思わず突っ込みましたし、あまりにもレイは強すぎないか?という前作からの疑問は、ここでも健在でしたね。
前作では対峙したカイロ・レンが弱すぎたという面もありましたが、今作では曲がりなりにもスノークを護衛する熟達の戦士を複数相手して、あの見事な戦いぶりでしたから・・・
レイよ、次からはちゃんとした修行シーンを見せてください。
カイロ・レン(ベン・ソロ)の場合
カイロ・レンに限っては、まずは彼の全体のストーリを紹介して、そこからまとめたほうが良いと思うので、そんな感じで進めていきます。
まずは前作からの流れを説明しましょう。
その血筋(父がハン・ソロ、母がレイア・スカイウォーカー)から受け継いだ強大なフォースにより、一時は叔父であるルークも「彼にジェダイオーダーを引き継がせても良いのでは」と思わせるほどに才能に満ち溢れていたベン・ソロ。
しかし「あること」がきっかけで(ルークの章で説明します)、ベン・ソロは悪の道に走り、カイロ・レンと名を変えてスノークに仕え、力による銀河系の支配を進めることになるのです。
そのフォースの力はルークをも超えるほどに強大なのですが、心に傷を負ってしまったために、まるで不良になった少年のように心の深い部分では良心と葛藤しながらも悪いことを次々と行っていき、ついには自分の父親(ハン・ソロ)をも殺すという大逆を行うのです。
その後は、かつて経験した筆舌しがたい裏切りのためか、もしくは祖父ダースベイダーの足跡を追わんとするためか、ジェダイの抹殺と、スノークをも倒して自らが宇宙支配に乗り出さんとする、かつてのアナキン・スカイウォーカーが果たせなかった道を進むという「悪の決意」を胸に秘める日々が続くのでした・・・
次からが今作の流れです。
レイに敗れたカイロレンを上司スノークは許さず、その信頼を回復するために、レンはさらなる戦いを決意し、ついに母であるレイアの乗る旗艦を攻撃しようと試みます。
しかし寸前のところで思いとどまり、かろうじて「両親殺し」の悪名を負わずに済むことに。
この時にわずかに残った良心が、フォースを通じて交流を行っていた主人公レイの胸に響き、「カイロ・レンを正義の側に取り戻す」と決意させます。
しかしこうした二人の交流と思いの全てが、実はスノークによって仕組まれていた罠だったということが発覚。
スノークの前に引き出されたレイは圧倒的なダークフォースによって殺される・・・の寸前で、カイロ・レンは、以前より抱いていた裏切り行為を発動します。
しかしレイを空中で金縛りにして「お前らはしょせん俺のパペット(操り人形)じゃ、うはははは」と高笑いしている「心の隙」をつかれ、哀れスノークは、近くにあったライトセーバーをフォースで作動させたカイロレンにより、あっさりと体を半分に寸断されてジ・エンドとなるのです
こうしてスノークを殺害して、自らが最高指導者となってカイロ・レンは、さらに反乱軍の息の根を止めるために、その基地に攻勢を開始します。
最後は基地の前でルーク・スカイウォーカーと対決するという、ファン感動のフィナーレが待ち受けていたのでした(このシーンはさすがに私も興奮し、見に来てよかった・・と心の涙を流したシーンでもありました)
実際の戦いとルークの放つ言葉は重く、最後に見せるかつてオビワン・ケノービがダース・ベイダーと対峙したときのような「仙人」感が、さらなる感動を呼びます。
激闘の後、自分を裏切ったかつての師との対決を終えたカイロ・レンは、さらなる心の不安定さを抱えたまま、そしてかつて同僚だった配下の将軍ハックスの邪心のこもった視線を背後に受けつつ、新たなるファースト・オーダーの長として、反乱軍つぶしに全力を挙げることになるのです・・・・
以上が「カイロ・レンというスカイウォーカー家の末裔がたどった軌跡とその未来」になります。
こうして全体の流れを見ると、今作でのカイロ・レンはその強さというよりも、彼が悪の道に走った具体的な理由と、スノークに対する絶対的な服従とは裏腹に「馬鹿にされたら許さねえ!」という不良にありがちな反逆心と、その精神の根底にある「愛情不足」「劣等感」がクローズアップされて見事に開花した「宇宙ヤンキー」生誕秘話というべきではないかという印象を受けます。
最後はスノークをも倒して、自ら新たな銀河帝国のトップに上り詰めましたからね。
父親殺しという大罪と、憎き上司をぶち倒すという、かつてのベイダーも成しえなかった悪の偉業を達成したカイロレンの胸中は如何に?
とはいえ、そのフォースのインフレ使用はいただけません。
なぜフォースでホログラム化できるのか?
なぜホログラムしたフォースが実態化できるのか?
などなど、彼の使うフォースのスーパーサイヤ人化には「?」をつけざるを得ませんでした。
次作では空を飛べるレベルになっているのかも?(舞空フォース)
ルーク・スカイウォーカー
ご存知、伝説のジェダイ騎士です。
強大なフォースをもつスカイウォーカ一族の直系の長として、クローン大戦の終結後は後進のジェダイの育成に励みますが、妹レイアからその息子ベン・ソロ(のちのカイロ・レン)の修行を頼まれて引き受けたことから、その運命の歯車は大きく変わります。
今回の作品では、新たな主人公レイからライトセーバーを渡されて「反乱軍を助けて」と依頼されるところから始まるのですが、渡されたライトセーバーは投げ捨てるわ、「そんな頼みは聞けません」とにべもなく拒否るわで、さすがのレイも唖然とさせられます。
さらに「ジェダイなど滅びてしまえ」とか「光る剣で戦う方法を教えろというのか?」などと、自らの存在証明を破棄するような発言を連発して、レイの口をぽかんとあけさせてしまう始末。
結局なんだかんだでレイの修行だけは引き受けることにはなるのですが、この手の「伝説の使い手が若者に弟子入りを頼まれて、いったんは断る」というパターンは、映画でもドラマでも実生活でも山ほど存在しますね。
その自暴自棄な理由は徐々に明かされていくのですが、明かされながらも、真実の理由が、その自暴自棄の直接の原因となった「カイロ・レンの未来に暗黒を感じ、殺害を企てたから」もしくは、カイロ・レン曰くの「弟子の強大なフォースに恐れを成して暗黒面に陥り、殺そうと試みた」のかは、はっきりとは断定されておらず、このあたりが今シリーズに特徴的なテーマに通じると思います。
それは「絶対の正義と悪は存在しない」ということ。
ルークといえど一人の人間で、その選択の際には、様々な思いが揺れていたと思うのです。
銀河系の平和のためにはベンを殺さねばならない・・・(天使のささやき)
自分より強くなりそうだし、周りにも迷惑かけそうだから、ここらでやっとくか・・・(悪魔のささやき)
いずれにしても、彼が隠棲している理由は、
・かつて弟子だったベン・ソロを殺害しようとしたこと
・殺害に失敗し、ベンをダークサイドの方に向かわせてしまったこと
・それにより銀河系のバランスが崩れ、ファーストオーダーの台頭を招いてしまったこと
・ルークを信頼してベンを預けたレイアとハン・ソロへの罪悪感で、気分がスーパーブルーになったこと
・結果、行き場のない自責の念に自らを追いやってしまった
ということははっきりしています。
こう書いてしまうと、ルークという人物が相当なダメダメジェダイだという印象になりますが、しかし彼の復活はこれからです。
レイが立ち去った後のルークは、フォースの力を過大評価したために破滅を招いてしまったかつてのジェダイ評議会の轍を踏まないため、ジェダイそのもの消滅を心から願い、ジェダイ秘伝の書を焼くことで歴史そのものに幕を閉じようと試みます。
しかしそのとき!
伝説のジェダイマスター、ヨーダが現れました。
かつてクワイ・ガン・ジンが成功し、続けてヨーダ、オビ・ワン・ケノービ、アナキン・スカイウォーカーも果たしたフォース実体化の術を使い、すでに亡き偉大なるキングオブジェダイマスターがルークの前に出現したのです。
「そんなもの焼いてしまうがよい、若きスカイウォーカーよ」
五十路をはるかに超えたおっさんを「若き」と呼ぶところに齢数百歳の重みを感じる神発言ですが、ヨーダのその発言の真意は「フォース、ジェダイの真髄は書物などにあらず。すでに目の前に存在しているではないか」と、暗にレイやカイロ・レンのことを指したのです。
「彼らはまだ若い。道を指し示す熟達したジェダイが必要じゃ」
「しかし私には無理です。すでに一度失敗してしまった・・」
「失敗こそ彼らに伝えればよいではないか。失敗は何よりもの教えじゃ。そこから学ぶべきものが多いぞ」
「・・・・」
「師は弟子に越えられることこそ、その本望というものじゃ。つらいことじゃが、それが人の師となるべきものの成すべき道じゃぞと思うぞ」
その言葉を聞いてルークは初めて蒙が開かれたような明るい表情になりました。
自らの失敗を後進に伝えること。
それが何よりもの教えであることだと。
そしてその後は、若きものが道を作ればよいのだと。
自らは彼らが越えるべき壁としての役目を果たせばよいのだと。
(*このくだりはあくまで大意で、少なからず脳内変換しているので、そのあたりはご了承ください)
こうしてルークは決意をし、レイやレイア、そしてカイロ・レンのいる戦場に向かって旅立ったのです・・
最後の戦いは、ここでは解説しません。
あのシーンはこの映画の最大のクライマックスですから。
何よりもスターウォーズファンが永く待ち望んできた「夢のシーン」でしたから。
こうしてルークはヨーダらと同じ伝説のジェダイとして、人々の記憶に長く残る存在になっていったのです。
レイア
反乱軍のリーダーであり、スカイウォーカー家の一員である重要な役柄です。
彼女は戦闘こそ行いませんが、強いフォースは何度も作中で彼女を助け、その運命の予知を果たしてきたのでした。(ドラゴンボールでいうところの”気”というやつでしょうか)
兄ルークと異なり、自分の息子が敵側についてしまったことを悔やみながらも、決してあきらめず、常に反乱軍の精神の支柱として指揮してきた女前なレイア。
勝ち気で向こうみずが性格は若いころからで、かつてレイア姫と呼ばれていたころから、前向きで積極的な性格が彼女を人々のリーダーに押し上げていたのでした。
そんなレイアもさすがに今回の最後の戦いは絶望しかけます。
すでに敵の圧倒的な戦力が目の前に迫っており、自らの軍勢は圧倒的に劣勢な武力で立ち向かわなくてはならないという状況。
しかも相手の最高司令官は、自分の実の息子なのですから。
しかし彼女の運命はここで終わりませんでした。
敵による大攻勢の寸前で兄ルークが現れたのです。
「すまない」
そういって妹である自分に許しを請うルークに「髪型が変わったこと?」ととぼけるレイアの女前な広き心に乾杯です。
そうして兄が自分の息子に立ち向かう様子を見つめながらも、一方で救援に駆け付けた新しい希望の光レイによって、反乱軍は一命をとりとめます。
ルークを足すことに執念を燃やすカイロ・レンは部下の静止も振り払って戦いに挑んだ結果、肝心の反乱軍の勢力を逃がしてしまう結果になったのです。
こうしてレイアは再び船上の人となり、指導者が変わったファースト・オーダーとの終わりなき戦いに向かうことになったのです。
レイアを演じたキャリー・フィッシャーさんは、昨年の12月に心不全に亡くなっています。
この映画のエンドロールには「キャリー・フィッシャーに捧ぐ」とあり、スターウォーズの象徴の一人だった彼女に敬意を表していました。
新シリーズでは、本作を含め、ハン・ソロ、レイア、ルークと、旧SW世界を代表するキャラクターが順次表舞台から姿を消していっています。
これは映画の世界と同様に、若い世代のバトンタッチしていくSW製作陣の強い決意の表れと見て良いでしょう。
それが吉と出るか凶とでるか。
それはこれから述べる若きキャラクターたちの演技を見ていくことで、およその判断はできると思います。
そしてその判断は凶と出ました。
(以下3人が、この物語をぬるくした最大の元凶)
フィン
前作「フォースの覚醒」からの出演です。
元ファースト・オーダーのストーム・トルーパー部隊兵で、脱走してから反乱軍に参戦し、以後レイらと共に敵と戦っています。
このキャラは基本、ストーム・トルーパーから逃げ出した兵ということで、その内情を詳しく知る人物という特性がうかがい知れますが、それ以上の存在意義は基本ないように思います。
彼の動きで何か戦いの流れが変わったとか、あまりなかったように思いますし、彼が存在しなくても物語は十分に満喫できる楽しいものになっていったことが予測されます。
それでも前作はそれなりに存在意義はありました。
なんといっても、秘密のベールに包まれたファースト・オーダー側の内情が知れるからです。
ストーム・トルーパーは旧三部作以来、スターウォーズを代表するイメージキャラとして長く親しまれてきました。スターウォーズといえばダースベイダー、ダースベイダーといえばストームトルーパーという形で、悪の総帥が白い甲冑キャラを従える図は、いかにも様になったものです。
しかしその内部は30年以来、ずっと謎のままでした。(公式シリーズでは)
その内情を深く知るものがSW映画史上、初めて出てきた。それがフィンだったのです。
そういう意味では前作では存在意義はそれなりにありましたが、だからといって、映画の流れに大きく関わるような役柄は与えられていなかったと思います。
そして今作。
さらに彼の存在意義の意味不明さは加速化し、今回さらにローズというこれまた意味不明な大根役者と組んだ意味不明なカジノ場での騒動と、これまた最強に意味が不明な最後の戦いにおけるラブシーンを遂げることで、二人の存在意義の意味不明さの深さがマリアナ海溝なみにマックスに達した瞬間がありました。
それでもフィンそのものの躍動感溢れる、溌剌とした演技は決して嫌いではありません。
もっと彼の存在意味を明確にスターウォーズ世界にはめこむことのできる監督が指揮していたならば、おそらくフィンはSW史上初めての「敵からの視点」を細かく表現できる卓越した役柄を得ることができるかもしれないのにな・・・とポップコーンを食べながら抑揚のない心の声をつぶやいていたことは、あくまでここだけの話です。
*フィンは「ストームトルーパー」のサイドストーリー企画用に新たに作られたキャラクターという気もします。そのへんはキャプテン・ファズマと同様かも。 というか、もうそういうのは出てるのかもしれませんね。
加えて軍隊は脱走兵や敵前逃亡した兵を基本許さないので、そういうキャラを描いた新シリーズが、軍の力が強いアメリカでどのような評価を得ているのかも気になるところです。
ローズ・ティコ
映画での役柄は反乱軍の整備兵の役で、フィンに憧れて出会ったことで戦いのメインに登場してきます。
彼女のキャラ、そしてその存在意義は「最後のジェダイ」全体を通じて、とにかく
意味不明
の4文字につきます。
フィンと出会うことになった経緯はともかく、彼を捕まえる流れ、彼とともにコード破りの名人を探しに行く必要性、そして最後の戦いでのフィンを邪魔した意味不明の行動、その直後のフィンを助けた真の意味だった「キスシーン」。それって映画の前後の流れに必要だったのか?と。
何度も言います。
このローズという役柄の存在意義はまるで
意味不明
なんです。
まあ百歩譲って、前シリーズの1作目で登場したジャージャービンクスの例もありますから、その意味不明な役柄感も、まあ許せます。
一番許せないのは、このローズを演じた女優さんの表情を含めた演技が半端なく
大根
だったということ。
この女優さんをどういう経緯にスカウトしたのか、オーディションしたのかは分かりませんが、とにかくこの人がスクリーンに出てきてシリアスな顔で何かを喋るだけで「ファーァ」を大あくびをしてしまうという、スターウォーズシリーズではあり得ない個人的展開を座席の上で私にさせてしまったローズの罪は特大でございます。
アジア系だからか?という突っ込みも、同じアジア系の女性でも序盤に出てきて艦隊に爆弾を投下する彼女の演技は迫真もので、これは何の違和感もなく見れました。
ということは、やはりこの役柄に対する私の不満は、それを演じる役者の性差や、見た目を越えてたった一つ、その演技が究極なまでに下手くそだったということに尽きるのです。
聞けばこの女優さん、アメリカ育ちのコメディアンということで、これは演技そのものが下手というよりも、本来コメディーで力を発揮するはずの女優を、無理やりシリアスな役柄にはめ込んだ製作サイドのミスということになるのではないでしょうか?
もしそうだとしたら、製作スタッフからコーディネーターまでとにかく全員表出てこいやゴルァ!という怒りの鉄拳の気分でございます。
唯一許せるところがあるとすれば、コード破りの名人をスカウトするために潜入したカジノ惑星で、金持ちの娯楽のために酷使されている動物たちとその世話をする少年を救ったシーンでしょうか。
動物虐待や弱いものに暴力をふるうことに果てしない怒りを覚える自分としては、この手のシーンは無条件で許せてしまいます。ローズ、フィン、よくやったと。
まあそれ以外は「あのなー」の連続だったので、どうかお願いだから、演技の上達がなければ、次作では出演しないでねと心から願いますね。(ラストシーンでまた出てきそうな箇所があったので、あれは夢幻だよな!と無理やり思うようにしています)
*演技の下手さにのみ言及しましたが、すいません。やっぱり見た目が駄目でした(涙)
シネマビューでまさにドンピシャの意見をのべている人がいたので、一部引用させてもらいます。
天童よしみ似のローズ、こいつも「やってはいけないこと」だ。
ローズ自体はポッドの見張り役で終わるならなにも文句はない、むしろ好感もてたキャラだ。
しかしラブロマンスに絡める展開は驚いたというより怒りがこみ上げた。
目がくらむほどの美人がアクションをするハリウッド映画は好きになれないが、今作で強く学んだことは、映画にはある程度の容姿は作品の良し悪しに関係するってことだ。
仰せの通りで。
ポー・ダメロン
反乱軍のエースパイロット。相棒にBB-8を従える反骨の戦士でもあります。
このキャラ設定はいかにも「アメリカ」という感じがします。
反権力、反権威、向こう見ずで鼻っ柱が強い、友情に熱い、上官の命令を聞かずに独断専行するタイプ、正しいことは何としてでも実行する・・・
ハリウッドのアクション映画では山ほど出てくる典型的なやんちゃキャラですね。
そしてこういうキャラが行ったことが、たいていは成功し、世界を救うという設定。
この作品もそうなるのかな、と思っていたら、意外や意外、作中では彼の目的を達成させるためなら周りはどうなっても仕方ない、という作戦のために多くの友軍を犠牲にしたことを暗に批判されたり、一見臆病とも見える作戦に真っ向から反対して独断専行しようとしたら、実はそれはきちんとした計算の上に組まれていた合理的な作戦だった・・のような、これまでのハリッドの流れに沿わない現実路線な方向性に歯向かう無謀な「冒険主義」、そしてそれへのアンチテーゼとしてポーが描かれていることに「おっ、そうなのか」と驚いてしまいました。
それでもポーの良さは「明るく、場を湿っぽくしない」というところにあります。
彼が画面にいるだけで元気が出るし、見ている自分も「無茶するな~でもそういうのは嫌いじゃないよ」と頷いてしまうシーンがいくつかありました。
実際にレイアも、ポーと真っ向から反対していたホルド中将も、作中で同様の発言を行っていましたから、なんにせよ、明るいキャラというのは映画であれ現実世界であれ、人々に親しまれるものです。(本作での役割はそれ以上、それ以下でもないのですが)
ホルド中将
あまり多くの言葉を割くほどの役柄がなかったキャラクターですが、しかしこの作中で展開された戦いで最も功績があった人ではないかと思うので、あえて取り上げます。
彼女はレイアが重傷を負って指揮から身を引いたことで、一時的に全軍の長となった人物。
前の大戦の生き残りだそうですが、見た目はごくごく優雅なご婦人で、まるで武張った雰囲気は感じません。歴戦の雄であるポーもそのことを感じていました。
今回実施する作戦は「輸送船に全ての戦力を載せて逃げる」というもの。
当然それまでの武器を積んだ艦船は捨てることになります。
というか、艦船を敵に捕捉された反乱軍にはそれしか生き残れる方法が残っていないのです。
当然、ポーを中心に主戦派はこの決定に激しく抵抗します。「武器がない輸送船に乗って、どうやって敵と戦うのか」と。
しかしホルド中将は多くを語らず、ポーを退けて作戦を実行します。
業を煮やしたポーは仲間のフィンらが実施しようとしている「敵の旗艦に侵入して戦闘能力を奪う」作戦に全てをかけるため、逆にホルド中将に武器を向けて拘束するのです。
しかし作戦は失敗し、結局はレイアに説得されて(ちゃんと逃げ込み先の惑星基地も用意してあった)ポーらも輸送船に乗り移るのでした。
しかしそのことに気づいた敵は、一気に逃げる輸送船に攻撃を加えます。
次々に無抵抗のうちに撃破されていき、友軍を失う反乱軍。
一方のホルド中将は、レイアらが輸送船に乗り込む際に「私は最後まで残ります」とリーダーの責任を全うする意を伝えました。それが死を意味するところを知っていたレイアは黙ってホルドを見つめるのでした。
そんな経緯で艦船に残っていたホルド中将は、目の前の宇宙空間で次々に撃破されていく友軍の輸送船を見て、あることを決意します。
それは「敵の旗艦に突っ込むこと」。
それこそ死を意味するのですが、しかしそれが成功すれば、旗艦は壊滅し、友軍は救われて基地に逃げ込むことができるのです。
「反乱軍に栄光あれ」
ホルド中将はたった一人、反乱軍の旗艦船に乗って、名誉ある最期を迎えたのでした。
まさに女前。
まさに隠れた英雄。
自らの死を糧にして生き残った者を救ったホルド中将は、これからも長く反乱軍の歴史の中にその名を刻むことになるでしょう。
ホルド中将に栄光あれ。
スノーク
ファースト・オーダーの最高指導者で、若きカイロ・レンのマスター。
その未知なる強大なダーク・フォースは、カイロ・レンをして正面から戦ってもまるで敵わないと思わせる凄まじいものがあります。
実際に同様の強いフォースを持ったレイが引き出されたときも、まるで赤子のように扱われたほどの力はパルパティーンの後継者たる力量を備えていると思います。
しかし!
その弱点は「カイロ・レン」を侮りすぎたこと。
弟子の全てを見通して操れると公言してはばからない傲岸さと油断が、スノークの命取りをなったのです。
それもあっさりと、流れるように。
あの殺され方は、完全に雑魚キャラのそれではないかと目を疑ましたが、時すでに遅し。
時代はすでにカイロ・レンら、新時代の若者の手にあったのですよ。
結局、椅子に座ったまま、時々立った状態でフォースを操る程度で、その戦闘技術を披露することなく散っていった悲劇の悪役スノークは、栄えあるダークサイドの物語の中でも「敵をあざ笑いながら身内に裏切られて体を半分に切られた間抜けなマスター」として、長くその名を刻み込み続けることでしょう。
ハックス将軍
ファースト・オーダー序列第2位の軍最高指揮官。
ライバルであるカイロ・レンとはその序列を争う地位にありましたが、実際にはカイロ・レンには歯牙にもかけられていないということが、この作品の後半にフォースで首を絞められることで判明しました。(旧三部作でダースベイダーに首を絞められた将軍のように)
スノーク曰く「小物」だそうですが、その小物ぶりは決して才能の無さから出たものではなく、カイロ・レンやスノークのようなミディ=クロリアン値の尋常でない異能な連中から見た観点なので、同じノーマル人間に属する私的には、ハックス将軍の劇中でのあの扱われ方には同情の念を禁じえません。
とはいえ、スノーク亡き後、明らかに力では劣っているにも関わらず、カイロ・レン相手に権力争いを吹っ掛けようとした瞬間に首を絞められて「仰せの通りに、最高指導者」とつぶやいてしまった瞬間に「ブラック帝国企業の奴隷化」決定なのですよ。(このあたりに彼が舐められる要因があるのでしょう)
しかし小物といって侮るがなかれ。
かつて歴史上でも小物だったブルータスが、英雄カエサルを殺し得たのも「小物なるがゆえ」の小心さと用意周到さがあったからこそではないですか。
映画の後半でも、興奮したレンが命令に反対する素振りを見せたハックスを吹き飛ばしたりして、確実に恨み骨髄状態になっていますから、その後のショットで冷たい目でレンの背後を見つめる彼の思いは、もはや「敵は本能寺にあり」の心境でしょう。
「一匹の龍は無数の蛇に敗れる」
そんな中国の諺をカイロ・レンに伝えたいものです。
ヨーダ
ご存知、ジェダイ最強伝説の担い手である、偉大なるマスター。
旧3部作ではそのCGの未完成なことから、惑星で隠遁しているところをルークに訊ねられたときは、完全に近所で徘徊する痴呆性老人の様相を呈してましたが、新3部作を経てその見た目の性能はグンとアップしました。
今回のその流れでフォース実体化の術を使ってルークの前に登場しますが、その言葉はかつてアナキンがダークサイドに陥ることになった大戦の思慮深いヨーダとは違い、「あれこれ考えても仕方ないから、とにかく若者に全部任せようや」というお気軽ぶりを発揮。
いやいや、あんた生前はさんざん「フォースの力が・・・」とか「暗黒面が・・」とウンスン言って、ちっとも有効な策打てなかったじゃないですか?
そんな突っ込みを10数年ぶりにつぶやいた私の胸中とは別に、今やフォースだけとなってすっかり気楽なあの世生活をエンジョイしているヨーダ先生からは、現世の悩みなどちっちゃな芥子粒のようなものに見えたことでしょう。
その後を追うようにフォースの世界に旅立ったルークも、やはり最後にはカイロ・レンに「悩む前に動けやアハハン」とか言うのでしょうか?
今後のフォースの動きに注目です。
DJ
フィンとローズがファースト・オーダーの旗艦に侵入するために、暗号コード解読の仕事を引き受けた、流れのコード破り。
最初は伝えられたコード破りの名人を探していた二人だが、ひょんなことから出会ったDJに依頼することになり、実際にこのうさんくさい男の仕事で侵入に成功します。
この人物を演じているのは、なんとあのべニチオ・デル・トロ。
古くはユージュアル・サスぺクツから、近年ではアベンジャーズまで幅広い役柄で多くの賞を獲得している名優が、多少ドモリ気味の怪しい泥棒風情に扮しているから驚きです。
この人物の登場は映画の後半からで、それほど出番があるとはいえませんが、その圧倒的に怪しい雰囲気と存在感で、見る者の視線を釘付けにすることは間違いありません。
結局は土壇場でファースト・オーダーの側についてフィンたちを裏切ることになるのですが、そのセリフがいちいちリアルで聞きごたえがありました。
「世の中はカラクリだらけさ」
「やつらが武器を売ってるのは、悪い側にだけ、ってわけじゃない」
ルークの章でも触れましたが、今作に共通するテーマ「絶対の正義も悪も存在しない」。
そこに通じるセリフを、このDJに言わせているところがあり、ここでも「ハリウッドも変わったなあ」という印象を強くさせられてしまいました(一昔前のハリウッドが作った勧善懲悪ものの娯楽大作なら、真逆の発想で映画を作っていたでしょう)
次作でも出演の雰囲気を残した去り際と、その善悪定まらぬかキャラクターぶりに、新たな次世代ハン・ソロの可能性を感じた役柄でした。
C-3PO
旧3部作、新3部作からフル出場の翻訳型アンドロイド。
このブログやツイッターでも、フィギュアという形でさんざんパロディで遊ばせてもらいましたが、いやあ、そのとぼけた風体と動きは実に様になるってもんですよ。
映画では、本来は翻訳ロボットして機能するはずなのですが、いつの間にか戦いの現場にいて何をするでもなく、そばで「あー」とか「うー」とか意味不明な言語をほざいてる、うっかり八兵衛のような奇特な存在と化しています。
それに輪をかけて、今作では「あなたの不安そうな顔を見てると、こっちまで不安になるわ」とまるで解決策のない愚痴をレイアから聞かされて「そういわれても・・」と言葉を詰まらせる始末。
しかもこのシーン以外、あまり登場の記憶がないのですよ。
でもこの金色のアンドロイドがいるからこそ、スターウォーズという気分になれますし、レイアの言葉通り、表情だけで人を不安に陥れる固定されたフェイスは、ある意味、貴重な存在といえます。
これからもそのカクカクした動きで、ファンの心を和ませてください。(これと同じ動きと表情をする奇特な同僚がかつての職場には存在しました)
R2-D2
宇宙船や電子機器のオペレートを主目的としたアストロメク・ドロイドです。
C3-POとともに、旧3部作、新3部作から引き続き登場のR2-D2ですが、今作ではチューバッカが操縦するミレニアムファルコンに乗って、ルークと数十年ぶりの対面を果たすという感動のシーンを披露しています。
反乱軍への手助けについて「悪いが、もう助けることはできないよ」とルークが言うと、R2-D2が体から放射したホログラムで、かつての若きレイア姫が助けを求める映像を映し出し、「ずるいよ」とルークに言わしめる憎い演出を展開していましたね。
懐かしいロボットですが、このシーン以外にあまり記憶がありません。
すでに次世代のBB-8に時代は移っているのかもしれませんね。
BB-8
R2-D2の後継機であるアストロメク・ドロイド。
反乱軍のエースパイロットであるポーの相棒として、縦横無尽に活躍の場を見せます。
その転がるように動くさまはとても可愛く、R2-D2とはまた違ったユニークな個性を発揮してくれています。
今作ではあらゆる場面で反乱軍の戦いで活躍。
敵のロボットをジャックして戦いを有利に進めるなど、人間以上の手柄を立てています。映画の後半では、ファースト・オーダーの旗艦に侵入した際に敵のブラック・ドロイドに正体を見破られますが、最後にはロボットを奪ってフィンらを救出。
反乱軍を窮地から何度も救う、隠れた英雄の一人ともいえる頼もしい存在なのです。
チューバッカ
亡きハン・ソロの相棒である、ウーキー族の操縦士。
ハン・ソロ亡き後は、ミレニアム・ファルコンを自由に操れる唯一の存在として、今作の序盤から後半にかけてすべてにおいて活躍の場を見せています。
序盤で可愛かったのは、ルークの隠遁する島で生息するポーグという鳥の一種との掛け合いで、チューバッカが夜食のために、たき火をして捕らえてきたポーグの肉を食べようとしたところ、仲間が食べられるのを悲しんだポーグがそばでじっと哀しそうな目でチューバッカを見つめていたところ。
チューバッカは何度も振り払いますが、最後には根負けして食べるのをいったん止めていました(笑)
結局、島を離れるときにも、いつの間にかポーグの何匹かがミレニアム・ファルコンに同乗して、チューバッカの操縦席の横で驚いたり、チューバッカに危険を知らしたりして、可愛い仕草でスクリーンを和ませていましたね。
心優しきチューバッカは、最初は嫌がるものの、結局は好きにさせるという風で、おそらく次作では彼の相棒として正式に操縦席で操縦かんを握っているのではないでしょうか。
まとめ
全体的には「ちょっとなあ」という出来栄えだった今作。
劇場帰りの観客の声の中にも「いまいちだったね」というのを結構聞きましたね。
その具体的な理由は、上記のレビューの中に全て詰めこみましたが、総じて製作サイドや投資元を含めた、もろもろの「大人の事情」が見え隠れしてるような、そんな感じでしょう。
とはいえ!
やはりルークが登場してきたときは心が震えましたし、彼がカイロレンを亡き者にしようとした回想シーンの迫力も心迫るものがありました。
ほかにもヨーダの出現や最後の師弟対決も、旧3部作のオマージュを含め、往年のファンを唸らせる素晴らしいシーンはいくつもあったと思います。
そう考えると、やはり私のようなタイプは、ジェダイやフォースにまつわる戦いや英雄譚、歴史のくだりに心惹かれるのだなと。
そうしたくだりに興味を抱かなかったり、単にSFを見たいと思う層、または女性の活躍や恋愛ものを楽しみにしている層、子供連れの家族で観に来ている層を取り込むには、私が批判したような描写を入れざるを得なかったのかもしれませんね。
時代は変化するものに微笑む。
映画といえども、その法則は当てはまると思います。
そういう意味で、スターウォーズは今後も生き続ける、長い長い作品になることは確かなのかもしません。(それでもローズはいらん!)
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