今となっては懐かしい感さえある、アクセルとスラッシュ、ダフら元メンバー(現メンバー)らとの確執。
93年のライブを最後にオリジナルのバンドが再び同じステージに上ることなど、もう二度とないと思っていた、あの頃の20数年前。
しかし2016年の春のアクセル、スラッシュ、ダフらのクラシカルガンズの復活ライブをきっかけに、その後、北米ツアー、南米ツアー、アジアツアー(日本を含む)、ヨーロッパツアーなど、再び一年以上にわたるワールドツアーを順調にこなしたうえに、今月末(7月27日)には再度の北米ツアーを開始して、公式サイトでは11月まで続くという、かつてのガンズにも負けるとも劣らない精力的な長期ツアーを続ける新生ガンズがいるという事実!
そんな彼らがかつてなぜ仲違いしたのか?
そして、どうして復活を遂げることができたのか?
Check!!大人のファッション・身だしなみ情報
Check!!洋楽・洋画を楽しむための英語情報
*本サイトの記事内に広告が含まれる場合があります
それは風邪をひいたことから始まった
既存のメディアでもファンの間でも、このブログでも今までさんざん取り上げられてきた疑問である「なぜスラッシュやダフ、イジーがアクセルらと袂を分かつことになったのか?」ということ、あえて今回の記事で取り上げようという気になったのは、まさにタイトル通りの「風邪をひいたことがきっかけだった」からです。
一週間前から喉の調子がおかしくなり、鼻水も出始め、やがては咳すら出てきて「これは風邪かも!」という気分になった5日前。
仕事中にも体のだるさを感じて、発熱を疑いつつも、そこは持ち前の気合と自己欺瞞で一日をやり過ごして訪れた翌日朝の病院。
「夏風邪ですね」
当たり前の答えを、当たり前の物言いで、当たり前に眼鏡をかけたコリー犬似の耳鼻科の先生に伝えられた、当たり前の診断結果。
私は「はぁ」と力なく頷き、勧められるままに吸入器に鼻の穴を押し当てて「フフフフフンガー?」(これでいいですか?)と声にならぬ声で看護婦さんに訊ねたのですが、おそらくはたから見たその様は、まさに雨に打ちひしがれる老犬のような無様な姿だったに違いありません。
喉の腫れ、咳と鼻水にかなり苦しめれらながら、それでも一番キツかったのは発熱による頭と体のダルさで、これがあるがために普段はおいしい食事もまったく喉を通らず、布団に横になっても妙に苦しくて「うーうー」とうなるだけでろくに眠りにつけず、とにかく固形物を口に入れて薬を飲んで、苦しくても横になる日々が3日ほど続きました。
昨日あたりでようやくマシになりはじめ、布団の外にでてラジオ体操にいそしむ余裕がでてきたのですが、やはり喉の不調は相変わらずで、すぐにゲホゲホゲホゲホーッとすさまじい咳を放つのです。その苦しさといったら・・・
毎年この時期は判で押したように夏風邪をひいてきているので、今年こそはと警戒してたのですが、やはり普段の不摂生がたたったのでしょう(睡眠不足と冷房による体の冷え)。やっぱり今年もかかってしまったいつもの風邪。しかも今年は去年より激しいやつ・・
そんな状態の中で、ふと気づいたのです。
バンドのボーカルって、ツアー前とかツアー中に、こんな風邪とか絶対に許されないよな?
そういえば、昔、アクセルはバンドメンバーともめていたっけ。
89~90年ごろにドラッグやらアルコールのこととかで、スラッシュらと決別しかけたこともあったような・・・
その何年か後に、実際にバンドは分解してしまうんだけど、あれもそのときのことが原因の一つだったんじゃないか?
そんなことがふつふつと病床の自分の頭に湧き上がって来たのです。
まさに病床のうつつ夢。
まさに病弱者の妄想物語。
そんなことを今から勝手にあれこれ語ってみようというわけです。
ガンズの過去のあるような、ないような話をいま再びここに!
(以下、適当にお読みください)
妄想タイムにレッツゴー!
アクセル・ローズの率いていたバンド「ガンズ・アンド・ローゼズ」は、数あるロックバンドの中でもとりわけドラッグや酒による事件が多発していて、スラッシュやダフ、イジー、スティーブンなど、仲間たちがさまざまな場所でさんざんぱらキメていたり、酒をあおっていたりして起こした事件などが、当時のメディアにさんざん書き立てられてました。
そんなノリで日々続けられるバンドメンバーらの乱痴気騒ぎを横目に、静かにショウの打ち上げが行われているバックステージを出て行って、アクセルが一人自分の部屋で眠りにつく光景が勝手に想像できます。
そう。
バンドのボーカリストは体が資本。
それも「喉」が命なんです 。
ギタリストやベーシスト、ドラマーやキーボードは、たとえアルコールや煙草で喉がいかれても、演奏さえ出来さえすればなんとかステージに立つことができます。
しかしボーカルは、ほんの少しの喉の荒れで歌うべき歌が歌えなくなる可能性もありますし、酒で酔っぱらってしまっては、MCや歌詞の度忘れが起こる可能性すらでてきます。
とくにアクセルのような常人離れしたボーカルスタイルをとるタイプだと余計に、ほんの少しの飲酒や喫煙が喉に影響を及ぼして、ステージで満足なパフォーマンスを行えなくなることもあり得るでしょう。
それがゆえに、バンドのボーカルのギャラは他のメンバーよりも高く設定されていると聞いたことがあるのですが、ここは業界人ではない私には未知の世界の話なので、あくまで想像にしかすぎません。
しかしアクセルがスラッシュやスティーブン、ダフ、イジーらのバンド生活を壊すような荒れたライフスタイルを苦々しく思っていたのは、なんとなく想像はつきます。
(俺はこれだけバンドに人生を捧げてるのに、なんなんだ、お前らは!)
その怒りが爆発するのは、スティーブンの解雇からでした。
彼も荒れた生活がたたって、バンドの演奏に支障をきたし始めたので、ついには首にされたというのが定説になっていますね。
それからバンドは徐々にアクセルの主導のもとに進んでいき、それを「アクセルの専横」と捉えた、それぞれのオリジナルメンバーは、自ら脱退していくのでした。
しかしアクセルからすれば、次のような気持ちでいっぱいだったに違いありません。
お前らに任せてたら、いつまでたっても埒が明かねえよ!
毎日毎日パーティーだの打ち上げだので飲んだくれやがって!
ツアーのたびにステージの真ん中で客を盛り上げて声を枯らして歌ってる俺の身になりやがれ!
後に「2年も続いたユーズ・ユア・イリュージョンツアーで俺たちの関係は完全に壊れた」と何かのインタビューでアクセル自身が語ってましたが、もしそれが本当だったとしたら、自分だけ体調管理を余儀なくされて、その横で好き勝手に飲んで騒いで乱痴気騒ぎを繰り返すメンバーにほとほと愛想を尽かしていたとも考えられますよね。
長くなりましたが、ここでようやく私の風邪とアクセルの不満がリンクします。
バンドのボーカル、特にガンズのような世界的規模のビックバンドのボーカルともなれば、ツアーでステージに立つ重圧は相当なものだと想像できます。
毎回のツアーを完璧なものにするため、ツアーを楽しみに来ているファンを喜ばせるため、彼は常に厳しく体と喉をコントロールする必要があったのでしょう。
ユーズ・ユア・イリュージョンのアルバムを2枚組にしたのも、「ゲット・イン・ザ・リング」で業界人をこき下ろしたのも、そのすべては彼らバンドのアルバムを買ってツアーに来てくれるファンのため。
ファンのために毎晩イソジンでうがいをし、ファンのためにしょうが紅茶を飲み、ファンのためにオムロンの吸入器で喉を癒していたという涙ぐましい努力もまた・・(ここは妄想です)
しかし風邪をひいたりしたら、そんな努力は一気に吹き飛んでしまう。
とくに喉風邪は声が変わってしまうだけでなく、咳も出てくるので、とてもステージに上がれたもんじゃない。
だから毎日、修行僧のようにホテルの部屋にこもり、喉のケアにいそしむのです。
たまに飲む酒もたしなむ程度、煙草は厳禁、風邪とか引きそうな裸のパーティーなんかはもってのほか。
そんな日々を乗り越えてこそ、あの素晴らしい悪魔のようなハイアンドローボイスが維持できるというもんですよ。
それをギターやらベースやらドラムの連中は好き勝手にばか騒ぎして連日連夜パーティーにしけこみやがって!
おそらくアクセルも風邪をひいたことがあるのでしょう。
いや人間だから、必ずあるに違いありません。
そしてそういう状態の時に、体が動かず、喉の状態も最悪で、とても外に出て何かをするという状況でないことを実感したはずなのです。
そんな状態になることは、ツアー中は絶対に許されない。
一流のボーカリストにとって喉と体の調子を常に良い状態でキープしておくのは、プロのミュージシャンとしてもファンを喜ばせるエンターテイナーとしても、絶対最低至極極楽究極仏滅友引必要条件なのですから。
二度と繰り返したくない、風邪に臥せった苦い過去を思い起こしながら、アクセルはツアー中にステージを降りた後も、楽しみたくて仕方がない楽屋での打ち上げをほどほどに退散して、ホテルの部屋でオムロンの吸入器を吸いながらタイ式マッサージを受け、ベッドからよろよろと降りて服を脱いだ後は、事前に入れておいたユニットバスのお湯に「飛騨高山の温泉の素」を入れて肩まで浸かり「うーうー」とひとしきりうなって体をぽっかぽっかにし、赤身のかかった素っ裸を「あくせるろーず」と特別に刺繍させて作らせたプロ仕様の絹のタオルでバシンバシン!叩いて乾かした後は、冷蔵庫で冷やしておいた「梅酒ノンアルコール」をグビリと飲むのが唯一の楽しみだったという、おっさんビジネスマンの出張一泊目的ナイツを2年余りもやり抜いた、まさにイリュージョンなツアーデイズ。
まったく何の楽しみもありゃしない。
あるとすれば食事くらいなのに、あれほど言っておいたステーキがレアじゃなかったから、「ゴルァァツ!」と思わずコックにブチ切れてしまった悲しみの東京ツアーの夜。(あとで泣いて謝ったけど)
俺もストレスたまってんだよ。
たまには乱痴気騒ぎに参加してえんだよ。
全部ファンのために我慢してんだよ。
それをスラッシュやダフのやつらは、そんな俺の生みの苦しみなんか素知らぬ顔でステージでもオフでも煙草やら色んなものをガンガン吸って、ワインやらビールやら毎晩飲み歩いてよ・・
LAY THEM OFF(全員解雇)
(Fire(首)じゃない。あくまでlay off(一時的解雇)だ。やつらが心を入れ替えさえすればな・・)
夜明け前の寝室の中、カーテンから差し込む月明かりに青白く顔を照らされながら、ベッドの上でそんなことをぶつぶつ呟くボーカリストがいたのでした・・・
そう。
これこそが、のちにイジーを皮切りにスラッシュ、ダフ、マットらを脱退、首に追い込む一連のバンド崩壊騒ぎのもとになったアクセルの内的世界。
メンバーに対する歯がゆい思い・・
分かる、わかるぞ、アクセルよ。
自分だけ頑張っていて、ほかの誰もが自分の姿勢を見習わず、ストイックにバンドに捧げる努力を見せなかったことが、あなたの怒りの源泉にあったのだろう?
今の俺ならわかる。
病魔に侵されて肉体の限界を痛感している今の俺ならな・・・(ガクッ←ここで気を失う・・・いや単に寝ただけ)
まとめ
病気明けに書いた記事一発目がこのガンズネタだったという、ガンズファンには全く申し訳ない事の次第でございます。
上の内容はリアルに風邪で臥せっているときに、あれこれと頭に浮かんだことをまとめたものです。
こういうバンド解散劇の内実的な予想話はメディアやらネット上やらで、数え切れないほど書き立てたられているもの。
でも自分が久しぶりに病気で体が弱っているときに、今年一番にリアルに彼らのライブを観に行けて、そのバンドも出て行った元メンバーが復活していて、さらにかつて以上に素晴らしいツアーを今もこれからも続けているという、バンドのいろいろなあれこれを思っているときに、「そういえば、なぜスラッシュらとアクセルは仲違いしたんだろう?」という心の流れの中で、ふと思い起こしてしまったのですよ。
同じようなことは過去記事で書いてきたのですが、今回のはそれとは違って、もっと自分の体の状況とリンクしたものというか、風邪で弱ってる自分とツアーで疲れ切っているアクセルのそれと時空を越えてリンクしたような妄想が脳裏に激しく迫ってきて「これは書かねば!」と半ば強迫観念的にキーボードに立ち向かったというか。
とはいえ、やはりスラッシュらとの仲違いは、99%全く別の理由だと思うのですが(笑)。
でももし上の内容が少しでもかすっていたとすれば、きっとアクセルの気持ちはそんな感じではなかったのではなかろうかと。「ああ、アクセルはあのころ、本当に孤独だったんだなあ」と限りなく勝手に時空を越えて同情しながら書かせてもらいました。
まあ、あれですかね、こういうボーカルのストレスによって生じる「自分のバンドへの肉体的献身度に対する敬意の要求」とか「それに見合ったマネーの要求」とかは、やはり実際にバンドの中でもあるのでしょうかね?
自分はバンドというのを正式に経験したことがなく(遊びで何度かあるだけ)、中での人間関係とかお金を巡ったドロドロとかはなかなか想像できないので、もしこの記事を読んだ方で経験のある方がいれば、ぜひともいろいろ教えていただきたいものです。