ガンズ・アンド・ローゼズが農閑期の時に作ったスラッシュの趣味的バンド。
農閑期というのは言い過ぎだな(笑)
ガンズが長期に渡るワールドツアーを終えて、メンバーそれぞれが一休みしている時期のことである。
スラッシュももちろんバカンスに出かけて久しぶりに羽根を伸ばしてプライベートを楽しんだだろうけど、そろそろギターが恋しくなってきたぜシェケナベイビー!と、冬籠りを終えたクマが巣穴からノソノソと出てくる感じで仲間を集めて作ったのがこの「スラッシュズ・スネイクピット」というわけだ。
第一次スネイクピットのメンバー
彼にとっては次なる新作(ガンズの)の前の腕慣らしといった感じで気楽に作ったのだろうが、もちろん招集を受けた他のメンバーも、それぞれ何かのプロジェクトやバンドに属していたりして、とくにスネイクピットを終生の棲家にするつもりはなかったと見える。
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スネイクピットの始まりと終わり
スネイクピットという名前の由来はスラッシュが大の蛇(スネイク)好きからきており、後半の”ピット”はF1レースのピット(整備所)という意味だと個人的には解釈している。
いかにも運動がてらの軽いバンド遊びといった雰囲気が出ていて楽しくなることスラッシュの帽子の如くだ。
しかし!
そんな軽い遊びのつもりで始めたバンド活動が、まさか本家のガンズ脱退騒動にまで発展することになろうとは、まさかこのときのレジェンドにもほかのメンバーにも、誰にも思いもよらなかっただろう!!
スラッシュを始めとするバンドメンバーは、ガンズに対する愛情が決定的に欠けている
バンドの偉大なるフロントマン、アクセルローズ曰くだ。
「やつらは自分たちで好きな音楽を好きなだけプレイしてりゃいいが、ガンズアンドローゼズを分身のように大切に想っている俺様はそんな半端なことはできねえ。やるならとことんまで尽くす覚悟がいるんだよ!それがなんだ?スネイクピットだ?俺を信じろだ?ふざけんなマ〇ーファッカー!!」
ドッカンと机をひっくり返して、スラッシュとダフのソロアルバムCDに向かって唾を吐きかけるアクセル御大。
「お前ら全員クビだ!それが嫌なら今すぐ曲書いて俺のとこに持って来て、”申し訳ありませんでしたアクセル様!これからは全身全霊であなた様にお仕え致します” と忠誠を誓いやがれ!!」
・・・・と、御大が言ったかどうかは完全に定かではないが、たぶんこういう葛藤がアクセル先生の心中で激しく繰り広げられたろうことは、その後の発言や裁判騒動でも明白だろう。
アクセルはメンバーがソロ活動に精を出すのが気に食わないばかりか、「そういうつもりなら俺にも考えがある」とばかりに、メンバーには断りもなしに自分の友達をアルバム制作に参加させたりして、ダフを憤慨させたりしている。
スラッシュに対しては「一枚目のソロアルバムで使われた曲はガンズ用だった」として、スラッシュの怠慢とバンドへの忠誠の無さを徹底追及し、ついに脱退まで追い込むという、信長ばりの旧臣に対する鬼のような仕打ちをブルースギターのレジェンドに行ったのである。
せっかくガンズ再始動の知らせを受けてスネイクピットを解散させたスラッシュは「ああいいよてめえこのやろう!そっちがその気ならこっちもそのつもりでガンズ食ってやるよ!」とばかりに、第二弾、第三弾のスネイクピットvsガンズ闘争に発展していくのであった・・・・・
そして第二次スネイクピットの誕生
ここまでが、スネイクピットの誕生とその後の行方といったところだ。
スネイクピット名義では、95年の「It's five oclock' somewhere」、2000年の「Ain't life grand」の2枚のアルバムのみとなっている。
そこにスラッシュ自身のソロプロジェクトやベルベットリボルバーの活動を入れれば、それなりの歴史がガンズ解散後に培われていることになるが、しかし市場に出回っているメジャーレーベルでのバンドアルバムとしては、先ほどあげたスネイクピット名義の2枚のアルバムが最強だと、個人的には強く感じている。(現在はマイルス・ケネディとのコラボにハマっているようだ。確かに越えはいいし、素直そうなところがレジェンドには心地良いのだろう。我がままなフロントマンはア〇セルでこりごりなのだ)
一枚目のアルバムはブルースロック、サザンロック、ハードロックの三つを掛け合わせたような濃い~出来上がりとなっているし、ボーカルのエリック・ドーバーの歌もからみつくようなスラッシュのギターサウンドと対を成すように、粘っこく、ブルージーだ。
2枚目のアルバムは、ハードロック色を前面に押し出した感じで、ストレートでパワフルなロッド・ジャクソンの歌声に合わせるように、スラッシュのギターも一枚目のそれと違って、スピード感と躍動感に満ち溢れた、いかにも「LA風」なバンドサウンドに変化を遂げているのだ。
まとめ
最初のスネイクピットは、アクセル始動の知らせを当時ガンズが所属していたゲフィンレコードから受けて、解散。
2度目のスネイクピットは、バンドメンバーに熱意が感じられないという理由でスラッシュ自ら幕を引いたという。
このときのスラッシュの胸中には、かつてアクセルが自分に吐いた同じ言葉が響いていたことだろう・・・・
まさか自分も、かつての盟友と同じ思いを共有することになろうとは・・・・
「人生は繰り返す、というやつか」
ふふ、と自嘲気味な笑みを浮かべ、男は飲みかけのウォッカを一気に飲み干した。
目の前のガラスには山高帽をかぶったロングヘアの男の姿が映っている。
その表情は黒いサングラスの奥に隠されてもなお深い虚無の闇に覆われていたのだった・・・・
*このころの濃い~スネイクピットが時折、恋しくなるのは私だけだろうか?