ロッキーシリーズの最終話。
引退したはずのスタローンが再びリングに上がるお話だ。
思えば、この作品が公開されてもう30年。
小学生の頃の僕は水野晴男氏、淀川長治氏らが解説する映画番組で1、2、3を、4のドラゴ編は、中学2年の時にレンタルビデオを借りて見ていた。
続く「ロッキー5」は、高校3年の時に友人と映画館まで足を運んだのを覚えている。
また、ロッキー4でのロシア山中での過酷なトレーニングに影響され、意味も無く毎朝公園を何十周も走ったり、鉄アレイを狂ったよう振り下ろしたりもした。
弟相手に1千回腹筋の手伝いやシャドーボクシングの相手をさせたこともあった。(弟よ、スマン!)
まあつまり、ロッキーは常に僕の青春時代と共にあったのだ。
そんなロッキーシリーズも、これでついに完結。
1に並ぶ傑作だといわれ、実際、1以上の感動を私も感じまくった。
スタローン自身もそう感じているらしく、公式サイトで「ロッキー1とこのラストは、非常に自分の想いが詰まった作品。自分自身の人生を反映させたものでもあるんだ」と語っている。
そんなスターウォーズばりのサーガに酔いしれたロッキーシリーズの最終作とは、一体どんなストーリーなのだろうか?というわけで、おおまかなあらすじを書いてみよう。
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大まかなストーリー
ボクシング界を引退し、地元フィラデルフィアでレストランを経営するロッキー。
客にかつての激闘を語り、写真を共に撮ったりする平穏な日々を過ごしていた。
しかし、そんなロッキーの心には常に愛する妻エイドリアンがいた。
数年前に亡くなった彼女を忘れることが出来ず、エイドリアンの兄でセコンドでもあったポーリーを連れて、思い出の場所を巡る日々。
心の中にある”何か”を消し去ることができない葛藤が続く中、ロッキーはついにある決断をする。
それは再びプロボクサーとしてリングに立つことだった・・・・・
心に残るセリフたち
ロッキーシリーズの見どころはもちろん、ロッキーがトレーニングで強くなっていく過程と、その結実である熱い試合の内容だ。
だがこの作品では、それ以上に熱くさせてくれるものがあった。
それが「熱いセリフ」だ。
語るのはもちろん主演のロッキー自身。
作品の中で複数あったが、その中でも自分の中で印象的だったものをピックアップしてみようと思う。
ライセンス会場でのセリフ
プロボクサーのライセンス申請のために様々な検査を受け、結果を聞きに委員会までわざわざ出かけて行ったロッキー。
しかし帰ってきた答えは「ノー」だった。
健康上に問題は無いが、良心的な理由でライセンスの発行を許可できないという。
恐らく61歳という年齢に対してであろう。
これにはロッキーは強く反発した。
自ら挑戦しようとする人間を止める権利が誰にある?
あんたたちも胸に秘めた夢ってものがあるだろう?
やることだけやらせて断る権利なんてない!
夢を追い求める権利があるなら、その心意気を尊重すべきだ。
年を取るほど失うものも多い。
残ったわずかなものまで奪わないでくれ!
そう言って、ゆっくりと委員会を立ち去ったのだ。
やがてこの熱い抗弁が奏し、ライセンスの許可が下りることとなる。
このセリフの後半部分が特に好きだ。
年を取るほど失うものも多い。
だから残ったわずかのものまで奪わないでくれ。
彼にとって残ったわずかなものとは当然、ボクシングだろう。
ボクシングこそがロッキーをロッキーたらしめているそのもの、いわば彼の魂なのだ。
それを奪う権利なんて誰にもありはしない!!
魂の雄叫びというべき、心震えるシーンだった。
息子との対話
この作品、ただの老ボクサーの復活劇のように見えるが、実はそれだけではない。
というか、この映画のミソは父親と息子の「ゆるぎなき親子愛」にあると思ってもいいと思う。
それが後半のロッキーと彼の息子との間で交わされた会話で如実に表れるのだ。
これまで偉大な父親の影に隠れて生きてきた息子。
今の会社も、父親ロッキーの七光りのおかげで入れたのだと、周りも自分も思っている。
そんな父親がうとましく、距離を置いた生活を続けてきた。
しかし父親が現役世界チャンピオンと戦うことになったことを知り、ついに息子は父ロッキーに自分の気持ちを打ち明けた。
「恥さらしな真似はやめてくれ。みんな負けると思ってるんだ。僕にも迷惑がかかる。父さんのせいで僕はみんなからバカにされるのはゴメンなんだ」
自らの人生を、父親の七光りで歩んできたと思われ続けることに傷つき、ずっと負い目を感じてきた。
今回の試合のことで息子に協力を求めたロッキーは、その抗議を黙って聞き、息子をジッと見つめ、やがて口を開いた。
お前が赤ん坊の頃、まだ小さかったお前を手の平の上に載せ、持ち上げて母さんに言ったんだ。
『この子は、世界一の人間になる』ってね。
お前が成長する姿を見るのが最高に幸せだった・・・・
やがてお前は独立し、自力で歩み始めた。
だが、どこかで変わってしまった。
人にバカにされても平気な人間に成り下がった。
自分のふがいなさを ”影にかすむ” せいにした。
分かってるはずだ。
世の中バラ色なんかじゃないってことを。
厳しくてつらい所だってことを。
油断したら、どん底から抜け出せなくなるんだよ。
人生ほど重いパンチはない。
だが、大切なのは、どんなに強く打ちのめされても、こらえて前に進み続けることだ。
そうすれば勝てる。
必ず勝てる。
自分の価値を信じるならパンチを恐れるな。
他人を指差して、自分の弱さをそいつのせいにするな。
それは卑怯者のすることだ!
お前は違う!!
たとえ何があっても、俺はお前を愛し続ける。
お前は俺の息子だ。
お前はかけがえのない宝なんだ。自分を信じなきゃ、人生じゃないぞ!
僕はこの言葉に非常に感動した。
文章ではあまり伝わらないかもしれないが、画面ではロッキーの口ぶりや手振り、息子を叱咤するときの厳しい口調、しかし目には息子に対する強い愛情がはっきりと見て取ることができたのだ。
この映画はロッキーのこの言葉に尽きると思う。
自分を信じること。
前に進むこと。
そして何よりも家族を心から愛すること。
僕の父親もきっと、このシーンのロッキーと同じことを小さい頃の僕に思っていただろうと思う。
お前の成長が何よりも幸せだよ、と。
お前はきっと立派な人間になる、と。
そう思うと、涙で目が滲んで仕方がなかった・・・・・
ロッキー・バルボアよ、夢をありがとう
数あるセリフの中で、上の2つは本当に心に染みた。
まるで自分に向けられているような気分になった。
苦境にあるときに幾度も勇気づけられた。
そんなロッキーシリーズが今回で幕を閉じてしまうのは本当に残念だ。
どうかぜひまたいつの日か続編を作って欲しいと思う。
たとえロッキーが年老いた元ボクサー役でもいい。
熱くほとばしる魂の言葉を、後継者となるだろう若者に語って欲しいのだ。
勝つことが大事なのではなく、闘い続けること、己に負けずに前に進むことの大切さを・・・
ロッキーよ、永遠にあれ!
*エンディングでトレーニングウェア姿で階段を駆け上ったロッキーが頂上でガッツポーズをする御馴染みのシーンを、一般の人々がするショットが非常に良かった。
ジャッキー・チェン映画のエンディングでNGシーンを流すのと同じ感じのカットで、みんなそれぞれが思い思いのロッキーポーズを決めていたっけ。
う~ん、自分もやってみたかったなあ!
youtu.be追記(2015年):ロッキーが帰ってきた!
シリーズ最終作品となった「ロッキー・ザ・ファイナル」から9年。
ついにロッキーが帰ったきたのだ!
その名も「クリード:チャンプを継ぐ男」。
youtu.beといいつつ、実はこれ、ロッキー自身が主人公じゃないのだ。
主役はかつてのライバルだったアポロの息子。
ロッキーは彼のトレーナーとしてアシストする役目だ。
とはいえ、スタローンはこの映画で演技を絶賛されてゴールデングローブ賞の助演男優賞を授与されている。
映画も高評価で、シネマビューでもおおむね評価の高いコメントに溢れているよう。
主演は譲っても、やはりロッキーはロッキーなんだよな。
感動しました。
未見の方は、ぜひともご鑑賞あれ!
*余談だが、エイドリアン役のタリア・シャイアはあのフランシス・フォード・コッポラの実の妹だったことを初めて知って驚いた。
今更かよ!的なツッコミは甘んじて受けます(笑)
この人の息子二人も芸能界で活躍してるというから、二世が活躍するのは日本でもアメリカでも同じのよう。
環境ってのは大きいですね~
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